クマのパディントンにも!
ペルーから密航してきたクマをパディントン駅で見つけたブラウン夫妻。夫妻はクマを連れて帰り、パディントンと名付けることにする。
やんちゃなパディントンの活躍を描いて大人気のシリーズ第2話『パディントンのクリスマス』(1959)、第4章Paddingtonand the Bonfire。
初めての Guy Fawkes Day に驚くパディントンと一緒に、このお祭りを見物してみよう。
10月末のある日、買い物途中のパディントンは、店の様子がいつもとすっかり変わっていることに気づく。以前は、店の中はチョコレートやアメでいっぱいだったのに、代わりに、ぼろぼろの服を着た等身大のワラ人形が丸太の山の上に置いてあり、次のようなプラカードを手にしていた。(この唄がマザーグース)
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不思議に思ったパディントンが友だちのグルーバーさんに尋ねると、「それは Guy Fawkes Day のことだよ」とわかりやすく教えてくれた。
それでは、グルーバーさんの説明を聞いてみよう。
"We only have fireworks once a year here,"said Mr.Gruber. "On November the Fifth." And then he went on to tell Paddington all about the plot to blow up the Houses of Parliament many years ago, and how its discovery at the last moment had been celebrated ever since by the burning of bonfires and letting off of fireworks.
「ここではね、花火は1年に1回しかやらないんだ。11月の5日にね。」と、グルーバーさんが言いました。それから、グルーバーさんは、何年も前、議会を爆破しようという陰謀があったこと、それが直前に露見したこと、それ以来、この日は、たき火と花火でお祝いをするようになったことなどを、いろいろ話してくれました。(松岡亮子訳、以下同様)
グルーバーさんと別れたあと、店で花火を買ったパディントンは、乳母車を押す男の子に出会う。
The boy held out a cap containing several coppers and touched his hat respectfully. "Penny for the Guy, sir."
"Thank you very much," said Paddington, taking a penny out of the cap. "It's very kind of you."
"Oi!" said the boy as Paddington turned to go. "Oi! You're supposed to givemea penny --not take one yourself."
男の子は、銅貨がいくつか入った帽子をパディントンのほうへつき出して、うやうやしくおじぎをしながら、「だんな、ガイのためにどうぞ1ペニー」と言いました。
「これは、どうもおそれいります」とパディントンは、帽子の中から1ペニー取りながら言いました。「ご親切にありがとうございます」
「おい!」パディントンが立ち去ろうとすると、男の子は叫びました。「おいおい!ぼくに1ペニーくれるんじゃないか --取るんじゃないよ」
Guy Fawkes Day の習慣をよく知らなかったパディントンは、帽子から1ペニー取ってしまう。本当は1ペニーあげなければならないのに。
「ガイに1ペニーやるのがいやだったら、自分でガイを作ったら?簡単だよ。古い背広とワラが少しあればいいんだから」
と教えてもらったパディントンは、庭の落ち葉をかき集めて自分のガイ人形を作るのであった。
そして、ガイ人形を引き回して集めたお金で、パディントンはたくさん花火を買い、待ちに待った11月5日の夜がやってくる。庭に椅子を出し、めいめいサンドイッチをほおばりながら、楽しい花火パーティーが始まる。
花火のあと、たき火でガイ人形を燃やし、近所の人と Guy Fawkes night を楽しむパディントンなのであった。