再挑戦(初登頂) −(2) 心機一転 −

 「忘れ物ない?」...という声にふと目が覚めると,時刻は日をまたいで 01:30。
 足元で寝ていた女性二人連れが出発するところらしい。そう言えば,雨音も消え,外では
足音と話し声も聞こえている。
 「今出発すれば,当初の予定通り,明るくなる頃には山頂近くまで行けるかも」と考えた
私は,出発を決意した....のはよいのだが,さて,どうやって抜け出そうかと思案..
 幸い,先ほど出発した女性の寝床上を通ることで,他の人の邪魔にならないようなので,
靴入れ袋をバリバリ言わせながらも,無事玄関にたどり着いた。この時間にも入館者の親子連れ
がいるのに驚いた。
 登山が中止になって添乗員に食ってかかっているツアー客のおっさんを横目で見ながら,
朝食の準備をしている従業員の若い衆に出発を告げ,特に若いお兄ちゃんの「お気をつけて」の
声に励まされながら,一路山頂を目指した。 02:02「東洋館」出発

 先ほどとはうってかわって,登山者も増え,02:28「太子館」着
(高度3100m  気温??℃ 気圧705hPa)

  こうして小屋を通過しつつ思ったのが,小屋近く特有の臭いと音と明かり。
  明かりは小屋の屋根から下の登山道を照らしてくれている,ありがたいライト..の筈なの
だが,それまでヘッドライトの小さな光に慣れた目には,その強烈な明かりは眩し過ぎて,
小屋前の岩場や階段が見えなくて困ったことも一度や二度ではない。
  臭いというのは,発電機の排気臭と,トイレ臭。山では不快な臭いではあるが,心細い
夜間登山では,この臭いを感じて,「あぁ,もうすぐ小屋だぁ〜」と元気づけられたのだから
不思議なものである。

 ガンガン行こうと,若干の休憩をはさみながら,それでもスローペースで,
03:16「元祖室」着(高度3250m  気温??℃ 気圧685hPa)

 ここで写真を撮ってもらおうとしたが,なぜかいるのは外人さんばっかり。
 それも,フランス語やドイツ語ばっかり...

 はて,困ったと思いながらあたりを見廻すと,丁度看板の近くに若いお兄ちゃんを
発見。早速「すいませ〜ん。シャッター押してもらえませんか?」とお願いするが,
寝ているのか腕を組んだ状態で反応なし。それでもしつこく声をかけ続けると,
ようやく気づいて顔を上げてくれた。細面の美形系の青年であった。
しかし,会話して初めて気づいたのだが,この青年も....外人だった..
しかし,英語圏の人で片言日本語OKだったため,無事に撮影完了と相成った。
美形の兄ちゃん,サンキューベリーマッチ!!

   その写真...(都合により,一部修正あり)

 さてさて,さらにガンガン行こうと,それでもスローペースで,
04:07「御来光館」着(高度3450m  気温??℃ 気圧669hPa)
 ここでは,しきりに「県境の焼印」を強調していたのが印象的。
 県境は,頂上じゃないのか???

 この後,頂上までの間小屋がなく,多分5合目出発時に見かけた団体と思われる
ライトがず〜っと続いている。
 これがうわさの渋滞かと思いながらも,スローペース確保のために丁度よいと後ろに
続いた。しかし,思いのほかペースが速い...これは困った...

 と,そこへ,母親と息子さんの二人連れが丁度よいペースで登っているのが目についた。
 その息子さんは,我が息子と同年代位と見受けられ,「今度は息子と一緒に登りたい」と
思いながら,後ろに続いた。

 そうこうしているうちに,だんだんと空が明るくなてきて,もう少しでライトが不要かと思えた
ところで,後続の妙に元気な子供が,「あの鳥居が頂上だ!!!」とわめきだした。
 「頂上と思わせる,偽(!)鳥居があったんじゃなかったっけ?」と変なことを思いながらも,
一応,その鳥居を目指して,「あとちょっと,あとちょっと。さっきの雷雨に比べれば屁でもない」
と,最後の根性を出す。(というほどつらくもなかったのだが,右足親指付け根が少し痛み出して
いた)
 団体の大方は,登山道途中でカメラを構え出して,御来迎を今か今かと待っている。
 まもなく,雲の上に御来迎が見えるぞという時に,先ほどの鳥居をくぐり,無事山頂で
御来迎を迎えることが出来た。

 時に,西暦2000年8月17日 午前5時05分 (高度3720m  気温8℃ 気圧646hPa)

  山頂からの御来迎。右下に鳥居が見える。感激。

  御来迎を堪能したあと,冷静にあたりを見廻すと,結構な人がいるいる。
  それに,お土産の出店が一杯。
  でも,山頂でしか売っていないものが一杯あるので,私もキーホルダーに日付を入れてもらう。

 
  ちょっと暗いが,山小屋銀座から登山道頂上方面を撮影したもの。実は,画面真中の低い棒状の石塔の根元
    付近を,高山病でぶっ倒れた少年が担がれて救護所?方面に運ばれているのが写っているのだ。

  山小屋銀座を抜けると,そこはいきなり火口へ続く広場。ぽっかり開いた火口は,なかなかの
絶景だが,想像よりは小さく感じた。

 火口にたむろする人々   火口の中を覗く。深さは200mとか。

  火口のパノラマ写真は こちら

  火口を堪能した後は,時計回りに御鉢巡りコースを,一路「富士宮口山頂」へ。

 
 中央に白く見えるのが富士宮山頂山小屋(の屋根)     ↑登頂証明書(表彰状仕様) 

   この富士宮山頂小屋となりの郵便局で,念願の登頂証明書(表彰状仕様)を購入し発送。

  郵便も出し終えたところで,山小屋の食堂で朝食のカレーライスを注文,1000円なり。
  でも全然高いとは思わなかった。とにかくうまかった。
  ところが,ふと気がつくと,ガツガツ食べていた私にキツイ視線の数々が向けられているのに
 気がついた。「なんや,なんや」と思ってよく周囲を見ると,そこには,山頂までようやくたどりついて
 食欲もなくグロッキー中の人がうじゃうじゃ。そんな中でカレーの匂いをプンプンさせたもんだから
 すごい非難の目。
  でも,私は元気でお腹も満たされ満足なんだから仕方がない。そそくさと退散して最高峰へ。

  それにしても,高山病の「こ」の字も感じない。空気の薄さは少し感じるのだが..

  ついに最終目的のレーダドーム/日本最高地点へ向けて出発。

← 山小屋裏に出てレーダドームを望む。

   ところで,よく見てください。真中に水たまりが見えますか?

   これが,幻の「このしろ(魚祭)池」ですね。

   昨晩,地獄を味わった雷雨からの贈り物でしょう。(^◇^)

   なんだか,うれしくなってしまいました。

 レーダドームはすぐそこに見えます。「結構近いなぁ...」なんて思って歩いていくと..

 ← がび〜〜ん,すごい急坂。

 しかも,レーダドームには,そこを登らねばならん。
 おまけに,これがまたズルズルすべる最悪の急坂。でも必至でがんばりましたよ。

↑ 真中の四角い石が,最高峰の二等三角点 3776m

   その右の石に,どこかのラブラブカップルがかけたと
   思われる「愛の誓いの札がかけられているのですが,
   私の後から登ってきた女性に「邪魔だ」と捨てられて
   いました。
 ↑ 三角点よりさらに数m高い,一般人が行ける日本
    最高地点の展望台にて。バックに影富士がきれい。

 
     再挑戦(初登頂)(1)へ戻る   再挑戦(初登頂)(3)へ     こんな富士登山へ戻る