ハーレーサウンド考


以前にも書いたことだが、「バイクに乗って何が楽しいか」というと、返って来る答えは色々だろう。
その他にもバイクの面白さは多くある
今回はその中で「サウンド」に焦点を当ててみたいと思う。私自身、サウンドには非常に拘りがあり、ハーレーに乗るようになったのもこの「サウンド」によるところが大きいからである。数あるバイクの中で、ハーレーのサウンドは一種独特である。目隠しをしてもサウンドを聞いただけでハーレーと分る特徴がある。
ハーレーに乗るようになるまでに国産バイクに3台乗り(全てアメリカン)、結局ハーレーのサウンドはどうやっても真似が出来ないとわかりハーレーに落ち着いた経緯は既に述べた。(ここを参照
ハーレーに乗る前と、ハーレーに乗って2年半たった今とを振り返ってみたい。ハーレーに乗るまでの頃は、ハーレーの音が独特で表現のしようがない不思議なリズムを持っていると思っていた。シリンダー内の不等間隔の爆発がその所以であることは知識として知っていた。一言でいうなら「今にもエンストしそうな不規則な」というのがその独特なハーレーの排気音を表現する形容詞にふさわしいと思っていた。しかし、自分がハーレーに乗るようになり、多くのハーレーオーナーと接触し、また例えば「湯の郷ハーレーフェスティバル」などのハーレーが集まるイベントなどに参加して、ありとあらゆるハーレーのサウンドを聞くようになってから、ハーレーサウンドというものの実態がより明瞭になってきたのも事実である。
では、その「ハーレーサウンドの実態とは何か?」である。これについて述べる前に、「奔馬調(ほんばちょう)」という言葉をご存知であろうか?英語では"gallop rhythm"という。意味は、「馬が元気良く走るときのリズム」である。
実際に馬が走るとき、4本足で絶妙なリズムができる。「パッパカ、パッパカ・・・・」というそれである。
ハーレーのエンジンが奏でる排気音はまさにこの奔馬調なのだ。

ドッドッドッドッドッドッド・・・・・」これがハーレーサウンドなのだ。

ところが全てのハーレーが、上のハーレーサウンドを奏でているかというとそうでない。上記の奔馬調できれいに回っているエンジンもあれば、その奔馬調が乱れるエンジンもある。中には、奔馬調を刻まずに独自のリズムで回転しているエンジンもあるのだ。同じハーレーでありながら微妙に異なる個性的なリズムで回るエンジンをそれぞれのハーレーが持っているわけである。「奔馬調」という基本リズムはすべてのハーレーに共通であるが、個々のハーレーはそのオーナーにしかわからない別のリズムをさらに加味して個性を主張しているのである。
一見(実際は一聴というべきか・・・)して不規則に聞こえるハーレーサウンドもじっと聴いていると特有の「リズム」があることに気づく。不規則性の中に規則性があることでハーレーサウンドはずっと聴いていても飽きないのである。