名張市に移り住んでまもなく(9月28日)一年が経つ。この地にも慣れ、環境の良さに感激し、多くの人たちとも交流があった。
今回登場するのは名張市在住の青年である。大学に通う傍ら、ガソリンスタンドのバイトなどをしてヤマハのドラッグスター1100というアメリカンバイクに乗って青春真っ盛りの青年だ。HNを「ドラスタ」君という。うちの長女のボーイフレンドという繋がりで親しくなった。
さて、このツーレポはドラスタ君がこの夏1泊ツーリングをするということで、「ぜひ記録に残すためにもツーレポを書きなさい」と提言していた宿題で、先日提出していただいたものである。
我々とは世代が違うがツーリングという目的はいつの時代も変わらない。バイクならではの楽しさや怖さをこのツーリングを通じて経験したと思う。寄せていただいたレポートを原文のままご紹介した方がドラスタ君の「思い出」になると思い、加筆訂正は敢えてしなかった。
尚、写真については預かったたくさんの写真の中からこちらで選ばせて頂いた。

by harley80


白浜に行きました。(2000/08/21.22)

Copyright (C) by "ドラスタ"、2000

 このツーリングの計画は、実は6月ぐらいから考えていたもので計画を立て始めたときは参加人数も4人というものでした。しかし仕事の都合などで結果的には2人でいくことになりました。

 ツーリングをしてきた日は8月の21,22日の12日です。行き先は白浜で、ほぼ紀伊半島を1周するようなかたちで走ろうと計画を立てました。

 2人とも名張市に住んでいるため待ち合わせをするのは便利で、市内にある本屋さんで待ち合わせることにしました。待ち合わせた時刻は午前の7時。白浜の旅館に午後5時ごろに着けたらいいなと2人で話をしました。出発基点の本屋さん駐車場にて

 実はこの日の前日、和歌山地方はかなりの雨が降っていたようなので僕らは雨降りの出発になるだろうと最悪の事態を想定して出発の準備をしたのですがその心配はありませんでした。いい天気に恵まれ・・・でも和歌山県はあめでは?? と思いつつ出発をします。

 今回のツーリングの相方は同じバイト先の友達で年も同じなので気軽に話せる子でした。お互い泊まりのツーリングは初めてということもあってやや緊張気味です。事故だけは起こさないようにとお互い気を配ります。

 今回のルートは名張市から美杉村、飯南町へ入りそこから国道42号線を通り、白浜へ向かおうというものです。山道の国道は広くなったり狭くなったりするのでその時々で注意の仕方も変わります。またバイクが2台ですと広い道だったら追い越していく車も多いので気をつけなければなりません。

 幸い、朝も早いこともあって車のとおりは少なく快適なライディングを楽しんでいきました。空の様子はやや曇り空。山の天気はどんよりした天気が多いので雨の心配はなさそうです。しかしまだ8月というのにこの寒さは何でしょうか!? 半袖1枚だととても寒いのです。1つ目の休憩場所「道の駅美杉」では夏なのに2人してホットコーヒーを飲みました。そして僕は半袖の下にさらに半袖を着るという事もしました。道の駅「美杉」で 友人とドラッグスター400

 この道の駅に到着する前にトンネルがありそこがすごく寒かったのです。僕はそれでちょっとおなかをこわしました。

 さて、気を取り直し先へ急ぐとしましょう。地図ではこの先の峠はとても狭くすれ違いも困難とかかれてありどんなものか楽しみにもしたのですが、地図に書いてあったとおりすごい道でした。「本当にこれは国道か!?」と2人で愚痴りながら下りて行きます。コーナーのきつい部分をアメリカンで走るとステップをこする事があります。気をつけて大きく回っても「ガリッ!!」。ステップをこすることは日常なれているので2人で笑いながら「あーあ」といいながら淡々と降りていきました。

 その峠を下れば平坦な普通の道にでます。ここにも道の駅がありました。「道の駅茶倉駅」。

ここでも休憩をとります。2人で走っていることもあってあまり気を使うこともなく休憩三昧で進んでいくことができます。但し休憩しすぎると後でつけが回ってくるので大変です。

 そして出発!!今度は多気町から大宮町、大台町の方へ国道42号線を走っていきます。

ここでも道の駅発見!!「道の駅奥伊勢木つつ木館」なんともユニークな名前なので思わず立ち寄ってしまいました。このあたりまでくると日差しもだんだん強くなってきて先ほどの腹痛はどこへいったのか??という感じです。汗もで始めました。

 今の時刻は午前の9時半。いい具合で来ているのかどうかは初心者2人にはちょっとよく分かりません。目的地までの距離は約250km だと地図上で計算はしたものの実際は300km も走っていましたし・・・。昔1度家族で国道42号線は自動車でドライブしたことがありましたからどういった道かは大体分かっていました。それもあって、道には迷わずに順調に来ています。

 次の道の駅まではなかなか距離があるので2人して気合を入れて行きます。

 しかし走って30分ほどしてからなにやら変な音がしていることに気が付きました。友のバイクではなく自分のバイクの後ろから音がするのです。高い音で「カチッ、カチッ」といった感じです。「おかしいな?」と思った僕は近くのコンビニでバイクを止め、友と2人でチェックをします。バッグがタイヤにこすれているわけでもないので「これは原因不明か!?」と思いました。一番初めに出発したときは全然変な音はしていなかったので「たぶん中の荷物が動いて音を出しているのでは??」と仕方なく納得して再度出発をしました。それからも音はしていたもののバイク自体の調子は悪くないのであまり気にせずにいくことにしました。

 時刻は午前11時半。そろそろおなかがすいたなあと思っていたところに「道の駅海山」が出現!!朝が早かったのでちょっと早めのお昼にします。僕は定番のカレーを、友はラーメンを注文し、ここの名産品は何かないんかなあ?などとわけのわからないことを話しながら食べました。ここの駅には渋滞情報や天気予報を大きなパネルで調べることのできる機械があるため検索していくことにしました。するとこちらの地方ではデータ通信のための光ファイバーを通すための工事がされており片面交互通行があちこちで実施されていることを知りました。それが渋滞の原因になるのかどうかは分かりませんがとりあえず参考にしました。天気予報の検索では見事に晴れという予報なので安心して走ることができます。

 峠の所々に先ほど知った片側通行の工事の看板が目立ち始めました。そのたびに立ち止まり、そして進み、を繰り返しついに尾鷲市につきました。尾鷲市には学校の友達がいるので市内のことはよく話しに聞きます。尾鷲市は実は今人口がすごく減っていて人口だけでは市ではなく町ぐらいの人口だそうです。

 尾鷲市の次は熊野市へ移動します。その途中で「道の駅熊野」を発見。ここでも休憩をとるのですが時計を見てびっくり、すでに1時になろうとしています。こんな調子で5時までに白浜に付くことができるのでしょうか? ここでは5分休憩といった感じで休憩をとり先へ急ぐことにしました。

 ついに熊野市へ入りました。ここからは海沿いを走っていくことになります。左側に海が見えると2人とも走りながらそちらの方を見てしまいます。なかなかよい景色です。このあたりでも片側通行の工事は行われていて止まったり進んだりを繰り返します。

 そろそろここで出発をしてから180kmになりましたので2人して給油をします。そして領収書を見てビックリ!!地元で入れるより単価が13円ほど高いのです。名張市より値段の高いスタンドがあるのかと唖然としました。しかしそんなこといってられません。時間がやばいのです。先を急ぎます。

 でも休憩は大事なので「道の駅紀宝町ウミガメ公園」で休憩。全くこの2人は・・・。

 そしてついに三重県には別れを告げ和歌山県の新宮市に進入!!左手に海を見ながら走っていきます。しかしこのあたりで渋滞に遭遇。このとろとろした車の流れに僕の目がとろとろしたため近くのコンビニで休憩。友に「今回の休憩は早いやろ。」と言われました。すみませんでした。ブラックを飲み気を取り直して行きましょう。

 このあたりに来ますと温泉が多いため民宿・温泉旅館などたくさん目立つようになりました。このあと30kmほど道の駅がないということで走りっぱなしかなと思っていたところ、串本町で観光名所を発見。橋杭岩にて車やバイクがいっぱい止まっていたので自分たちも行ってみることにしました。調べてみるとここは「橋杭岩」と言うらしい。大小40個ほどの岩が横1列に並んでいて、また地面の砂が見えているので近くに行って見る事もできます。今回は時間が押し迫っているので記念撮影のみしました。橋杭岩にて、甲羅干し

 さてここまで来たら先は見えたようなものです。この後も海岸線沿いをのんびり走っていきました。

 すさみ町にある「道の駅イノブータンランド・すさみ」は海岸沿いにあるので休憩しながら西日を浴びることができます。潮風の混じった西日はなんともいえないネチャネチャ感があってあまり気持ちよいものではありませんでした。ここについて午後4時です。目的地までは目と鼻の先で1時間もかからない距離だと確信しています。

橋杭岩にて、友人

 出発した後すぐにまた「道の駅」がありますがこれを横目に過ぎていきます。ここまでくるとなぜか疲れなど感じなくなるので不思議ですね。するとトンネルの手前に「白浜町」の立て札が!!トンネルを抜けると目の前に広がったのは温泉旅館街。今夜自分たちが泊まる旅館を探し、チェックインします。白浜と言えば温泉。というわけでついてすぐに温泉に入りにいきました。2人ともよく日焼けしていて、友はめがねをかけていたので顔がパンダのようになっていました。

 走行距離はざっと300kmでした。はじめの計算よりも50km多かったのは大きい誤算だと思いました。そしてついた時刻は450分。あれだけ休憩をしていたにもかかわらず予定の時刻にたどり着けたのはすごいと感じました。

 初めてのツーリングにしては事故も無くけがも無く雨も降らなかったのでよかったです。

1日目・・・終了!!


 そして2日目。昨日よりはちょっとどんよりした天気ですが天気自体は悪くないみたいです。今日も快晴だ。

 2人は朝ご飯を食べ、チェックアウトをして帰路につきます。本日の予定は,田辺市まででて龍神村まで行こうというものです。そしてスカイラインを通り高野町から橋本市、五條市、吉野町、榛原町、名張市を通っていくというプランを立ててみました。

 出発した時間はちょうど午前9時です。白浜町内はそれほど車の数は多くなかったですが、田辺市内に入った瞬間、急に車の数が増えました。

通勤時の車はスピードを出していたので無理に車線変更をせずゆったりと走っていた2台。いざ車線変更をしなくてはならないところで車線変更をできずにウインカーを出しっぱなしの2台。情けなかったです。結果としてちょっと行き過ぎたので少し戻って正しいルートに乗り直しました。

自分1台のときは自分さえ進路変更できればいいですが、2台以上になると急に行動を起こして後ろを驚かせてしまうことがあるのでそういったことに注意して走っていましたがが、注意しすぎるとそのようなことがおこるんだなとあらためて感じました。

そして田辺市にある「道の駅紀州備長炭記念公園」で今日1回目の休憩。今日は峠越え、コーナーの多い道を選んだので、注意していこうと2人で話をします。

お盆も過ぎていたこともあって車の台数は少なく、とても走りやすい環境でした。時々仕事の車が猛スピードで走ってくるのでそういった車には道を譲って自分たちのペースで景色を楽しみながら先へ進みます。

龍神村には高野町へ抜ける「高野龍神スカイライン」(有料)があります。ここを走るとだんだんと上へ登っていることが感じられました。途中途中にある「標高○○m」という標識にも目をやってしまいます。スカイラインの中間あたりにある「ごまさんスカイタワー」からは両側にはすばらしい景色を見ることができます。ここで写真を何枚かとりました。高野龍神スカイライン護摩壇駐車場 同じく友人
その後、途中にも景色のいい場所はいくつかありそのたびに止まって景色を楽しんでいました。どちらかといえば龍神村側よりも高野町側のほうがいい景色の見れる場所が多いように感じました。

ここから橋本市へでるには国道の371号線を使うのですがこの道もまた「これは国道なのか!?」という道でした。対向することが難しい道で、前にゆっくりとした車がいたためここで時間をロスすることをすぐに感じました。橋本市にでると今度は車が渋滞していました。この渋滞の原因というのが事故だったようで、先のほうでは片側通行になっていました。それで渋滞していたのです。ですからそれが終わると渋滞はなくなっていて五條市までは快適な快走路でした。

そして現在は午後2時です。どおりでお腹がすくはずです。ここらでお昼にすることにしました。ここはもう奈良県にはいっていることもあり、和歌山県を走っているときよりも幾分か余裕の表情がありました。気分的には「近所」のような感覚がありましたが、そういうところで気を抜くと事故になるんだろなと思いながら名張を目指します。

吉野に入るとまたもや渋滞が待っていました。吉野からは幾つかの帰り道があり、とろとろ走るよりもある程度のスピードで走りたかったので初めの予定の国道370号線を行くのではなく県道256号線を行きました。県道に入ったとたんに「これは道か!?」と思いました。以前に国道を走っていて「これは国道か!?」と感じたことはありましたが、今回のは行った先で道がなくなるような勢いの道で2人とも地図をしっかりと確認し合いました。間違いが無いことを確認しあった後で県道でないような道を走りました。その道を走り終えると途中から先ほどの国道370号線に合流するようになっていてここからは快走路となっていました。あっという間に大宇陀町に入り「道の駅宇陀路大宇陀」に到着。このあたりにはよくフラっと来たりするのでよく知っている道です。道に迷うことはまずないと思い、事故には気をつけるようにし、国道165号線に入ればもう名張市です。

名張についたのは午後5時を回っていたものの予定通りの帰宅です。友には最後まで気を抜かずにと告げ各家に向かいます。

終点が見えたことと初めてのツーリングで500kmを走りきった達成感は走った人にしか分からないと思います。たかだか500kmですが初心者にしてはなかなかのものでは?と思いました。次回はもう少し距離に上乗せをしていったことのない所へ行きたいと思います。

初めてのツーリングということもあり、harley 80おじさんにはいろいろなルートや見どころのアドバイスをしていただきました。今年は一味違った夏休みになってとてもよかったです。

ツーリング・・・終了


如何でしたでしょうか? 初めてのロングツーリング・・・。思い起こせば私も中型二輪免許をとってまもなく、家内と二人で二泊三日の紀伊半島一周のツーリングにでかけました。私たちの泊まったのは一泊目は浜島、二泊目は紀伊半島最南端の潮岬の民宿でした。その時の様子は家内がここで紹介しています。
バイクに慣れていないこともあり、不安を感じながらのツーリングでしたが、このドラスタ君たちもきっと生涯忘れられない思い出を作ったと思います。   by harley80