鯨さんの北海道ツーリング紀行

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昨年の北海道ツーリングに続いて今年(平成12年)も鯨さんが北海道に恒例の単独ツーリングに行かれた。今回もその時のお話を何回かに分けてお寄せ頂いたので、ここでまとめてご紹介したいと思う。(尚、一部の句読点の補足、訂正を加え原文を編集して掲載。写真も全て鯨さんからお送り頂いた中からこちらで選ばせて頂いた。)

6.29 21.00舞鶴発 7.01 4.00小樽着

朝より空模様気にしてましたが、11.00頃からなにか暗くなり降り出す前にと、走り出しました。途中「R173」の峠で小雨に遭遇したものの舞鶴市内に入ると、時折青空が覗くようになりホットしたものです。

結果早く着き過ぎ、時間稼ぎと高浜原発までツーリングと洒落込みましたが峠より望む発電所は、手塚治虫の劇画に出てくる未来都市の建物を連想させる風景ですが、人影は全く見えません。なにか浮世離れしたと言うか、異様な感じがしました。

夕方になると例年の如く、所帯道具一式積み込んだバイク、集結始めましたが計約30台、年々減少している感じです。最近目立つのは、中年の御夫婦2台で来られる方(今年は二組)とカブやらスクーターの方、背中にはリユックまでのスタイルで3台。御夫婦でタンデム・羨ましいですね。

埠頭で乗船までバイクの大小・年齢?関係なく話しに花が咲くのはバイクの事ばかりです。
今年のハーレーは青森ナンバーの1台と計2台のみ・・・
ちょつと寂しかったですね。

7・1 04.00

濃い霧のため濡れているブリッジを、スリップに注意しながら降立った小樽の街はすっぽりと霧に包まれて視界はあまり好くありません。でも雨は降ってません。

「また来たよ」とフェリーの広告塔に挨拶して、予定の納沙布方面と通い慣れたR5で札幌市内を走り抜けてR274に入りました。早朝の街中はガラガラです、曇天と霧は続きますが快走です、このコースは信号も余りありません。 ところが・・・

北広島市のGSで給油、さて始動???ボタン押しても無言です。快調だったのにと思いながら、リレーかな?と外して見たらクラック生じ焼けてました。
ヤレヤレと時計を見ると未だ6時半です。一人では押しか゛けも出来ずレスキューコールも10時までは不可。
性根をすえてGSに頼み片隅で時間待ちと、立ち往生です。

ショベルヘッドのFLTでは積み込んでいた部品の一つでしたがエボリューションに乗り換えてからは安心してしまい、いつの間にか積み込んでませんでした。「災いは忘れた頃にやってくる」とはこの事ですね。ハーレー乗りの鉄則を忘れてた様でした。
曇天ながら時折走り去って行くバイク・・・リアシートに荷物積上げているのは渡道組でしょう。お気をつけてと見送っている内になんとか10時になり、札幌のレッドバロンまでレスキューコール、早速10時半頃には引揚げにとの事でほっとした次第でした。ショツプから約30キロ、小一時間で到着、引揚げ点検。やはりスターターリレーの焼損?です、当店には在庫なく発注しておくから帰りに寄ってください、と絶縁剤浸透させての応急処置でしたがどうも不安なのでテストしてみますと、2〜3キロ走った所で急にエンジンに躍動音発生です。

スイッチ切っても止らずオーバーラン・クラッチが切れません。取敢えずスターター・リレー引き抜き、セルを止めて引き返しましたが今度はセル・モーター連続負荷の為、バツテリー過放電・・・急速充電しても復旧しません。

結局リレーとバッテリー探しにタクシーで正規販売店巡りです、部品はあったのですが充電に時間かかる為、当日の事にはなりません。

初日からヤレヤレです。札幌泊となり走れたのは約60キロのみ、今年はどうなるのやら・・・閉口した初日でした。

7・2 札幌発

正規店は9時からなのでホテルを早めに出てタクシー拾って部品受取、レッドバロンまで直行。早速取付けテストOK!! 11時過ぎになりましたが早速予定の道東向け、またR274に出ました。北広島より地方道R3(札幌夕張線)に入ると、ダンプの姿も見えず延々と続く田園地です。車も時折擦違う程度です。

この辺は青々とした水田が目立ち、時折黄色の壱区画が見えます、バイク止めて眺めたら麦畑でした。
青い水田と黄色の麦畑の続く田園・内地では見れませんね。

時々小さな村落を抜けながら走りR234に出て約5キロ北上して、またR3に入ります。途端です。あの懐かしい?牛舎の匂い・枯れた牧草と糞のミックスしたような独特の匂いです。やっと来たぜ!!!北の大地の感でした。まあ初日みたいなものです。

其れからは広大な夕張平野の横断コースです、左右見渡す限りの丘陵地が続きますが遠方は霧で霞んで見えません。
樹海に突っ込み峠で霧雨が小雨と変わってきました。カッパ着込みR38に着いた頃、東の空は真っ黒です。山頂には雲の如く霧が罹ってます、此れ以上の東行きは諦め近くの夕張泊として向かいました。R38を北上し夕張駅前のホテルに予約して置いて、山道へと向かったのですが白樺とブナ林の続く樹海また樹海の連続です。

夕張平野を横断してる頃より気が付いたのですが、なにか今までの北の大地の空気・匂いとは異なる空気の味を感じます。特に山間部では周囲の山頂より静かに軽い森林の香りが溜まるよう漂って来る、と言った感じで新鮮な匂いでしたが、有名な夕張メロンの産地だから・・・とは思い過ごしですか・・・。

小雨はあがりましたがキャンプ場手前で気にしていた霧が濃くなってきました。
行くての山道は霞んでます。怯みましたね。どうも昨年の日勝峠濃霧越えの後遺症が残っている様です。
幌向ダムに行って見る予定でしたが、またもや諦めの連続で引き返しホテル着です。

ホテルでのテレビは上川地方・大雨洪水警報です。
当日の日記には、どうなってるんだ・今年は・・・エンジントラブル・・・雨・霧。先が思いやられる。と有りました。  走行距離たったの約90キロでした。

7・3 夕張発

朝目を覚ましホテルの窓より渓谷の谷間に、並ぶ街並みを見下ろすと微かに漂う霧に覆われ、道路は雨後の如く濡れてます。周囲の山頂は霧に隠されて、渓谷の街は何か幻想的なものすら感じます。が・・・走るのには???でした。

バイクもスタンバイOKとなり、さて空の明るい方はと見上げると西方向のみです。

同じ西なら昨日の、夕張平野再横断とR3に向ったのですが暫くして霧雨です、やりきれんな!!と呟きながらノロノロ走ってたら「あれぇー」と眼に飛込んだのは「ヤリキレナイ川」の標識です。思わずストップして戻り確認したら、やはりです。
霧雨の中一人笑ってました。タイミングよすぎますよね。場所はR3の夕張寄りの地点でした。

曇天ですが霧雨も止み、また起伏の樹海・丘陵地・田園と雲の切れ間を追うように走ります。雨の所為か空気は新鮮と感じるものの、特有の匂いは感じません。 

ともかく西に行けばと札幌市内(同じ処ばかり走ってるな、と思いながらでした)に入りまた空模様おかしくなり、高速道沿いに着いた途端、本降りです。カッパをと止めたのですがその叢にビニールシート広げて転がっての雨宿りです。
早朝発ったのでお腹もグーグー鳴いてます、ちょうど近くにラーメン屋有ったのですが早いので開いてません、惨めです。

小一時間位で雨もポツポツに為りました。雨宿りの間、各地の天気予報携帯で聞いてみても何処も雨模様、ただ積丹方面が降ってない様で通い慣れた???R5を積丹向け走り出します。
このコースはバス停の名前まで覚えたな、の感で走りました。

小樽の朝里に着いてここから定山渓に出る定山渓レークラインもアップダウン・カーブの連続で特に、中程の朝里峠で眺める石狩湾が素晴らしかったのを思い出したのですが、峠濃霧注意の標識です。こうなったら積丹で美味しい寿司とばかり、そのままR229海岸線を奇岩・奇石横目に走り、海中よりニョキッと立った、ろうそく岩も霧に霞み、ぼぅーとして異様な眺めです。途中で積丹原野に突っ込んだ付近でまた霧が濃くなって来ました。霧中走行は疲れます、大事を採って小樽まで引き返しました。

今年は同じ処ばかり走ってるな、と思いながらの小樽泊です。
それでも今日は約190キロ、渡道して始めての二桁走行でした。うち止むだろ、と高架下の叢で雨宿りと為りました。

7・4 小樽発

天気予報の晴れマークは留萌方面の日本海側と、道南の函館付近の2箇所位です。今日も目的の納沙布岬は断念、何度諦めたらよいのかと思いつつ、仕方なく北へハンドル向けます。

何度走ったら気がすむのか、とばかりR5札幌向け暫く行ったら、道路拡張工事で渋滞・・・鉄板敷いてあったり、土砂はこぼれてます。朝からどうも付いてないな!!!とスリップだけは勘弁な!! 札樽道の650円節約した訳でも無かったのですが・・・。のろのろと10キロ位冷や汗のコースです。

結局はR337抜けてR231→R232と海岸線北上、何の事は無い昨年の4日目と同じコースと為りました。
石狩市をあとに海岸線に出ると、海水浴場キャンプ場が次々と現れますが何れも受入れ準備OKの、旗やのぼりが林立してました。でも人影は見えません。

天候も次第に回復し渡道して、やっと快走につぐ快走です。
今年初めて感じたのは、R231の海岸線は強烈な磯の香りが立ち込めてましたが、留萌の街を抜けてR232に入り右手に原生花園状の砂丘望みながらの海岸線では、殆ど磯の香りは無くなりました。
同じ日本海側の海岸線で在りながら、何故留萌を起点として南北磯の香りが、極端に異なるのか不思議でした。
群生海藻の種類が、と岸辺に降りて見たのでしたが判りません。同じ様に見えるだけです。同じ海岸線でも留萌までは、時折山道へ入り峠道となり左右の森林が、目を楽しませてくれます。

ただ途中トンネルが多く工事中の個所多々あり、トンネル内部は段差あり照明も悪く、どうも北海道の道路工事は荒っぽい様ですね。留萌を過ぎると例の淡淡としたオロロンラインを北上ですが、右手の丘陵頂きに風車発電機がずらりと、プロペラのような羽根がゆっくり廻ってました。昨年より相当増えて居る様です。オランダの風車より高く、ほっそりとしてスマートな感じがします。

青空も見え出しました。昨日までの元取るぞ!!!と快走です。
今年は余り花が見当たりません、あっても少ないですね。
お天気が良くなって来たのでまた???道東への蟲がわき苫前よりR239に右折、すぐ牧場の匂いです。懐かしいような、やはり北の大地の実感です。今までの磯の香りから一変して樹海の空気に変わりました。
このR239も昨年突っ走ったコースですが、山間部の森林を縫うようにしてアップダウン繰り返し、GSもないR275に当るまでの50キロ余。特に霧立峠よりの樹海展望は格別です。ただ次々と視界から去ってゆく、白樺林は幹の小ぶりなのが目立ちました。

R275より直ぐ、またR239に入り士別峠を越えR40まで約23キロ、このような延々と続く樹海の中を、ときには渓谷をと、走っていると何度通っても「イイナァー・・・」の連続でした。 同じ森でも内地に比べ、何故か緑色が鮮やかに見える気がします。

途中調子に乗って道道(林道?)に入り、温根川ダムへと向かったのですが10キロ程でダートです。こうなるとオフロードが羨ましくなりますね、気だけは若いです。でも無理の様です、引き返しでした。しかし地方道・道道・農道を走るのは素晴らしいもので、幹線国道より北の大地の実感は倍増です。

R40の士別市内ホテル(昨年と同個所、フロントで覚えて呉れてました)に予約すまし、ふうれん展望台自然公園まで足を伸ばし又叢で一休み・・・少しウトウトとした様です。
夕暮れ近くにホテル着。本日はやっと快走です、約360キロ。

7・5 士別発

渡道して早や5日目・昨夜来どうしても今年の目標納沙布岬走破の夢は捨てきれません。発時は霧雨でも富良野方面は晴の予報です、確かに南の空は明るいようなので南下して道東とR40・名寄国道をひた走りです。夜霧の国道ではないですが、早朝の田園を薄い霧の中、一面の水田を抜けると塩狩峠です。ここの山中パーキングで一服、この白樺いやに幹が黒いなと良く見ればブナらしいです。

今年は天候の故か行き交うライダーの姿は少なく、少し寂しい思いでしたね。旭川市内位で天候も回復、幸先よいぞ・・と市街パス道路R90へ突っ込んだのは失敗でした。通勤時刻だったのです、5キロ程渋滞クラッチ操作の連続で手が痺れる有様でした。
R237に入ってから青空も覗いてますし、白と灰色の褐色??の花をつけたジャガイモ畑を横目に快走です。上富良野の深山峠パーキングに着きメロンでも家内にと送り、バイクを見れば雨中走行の為ドロドロです。少しは手入れと拭き取り注油してましたら、中富良野方面よりドッドッと特有の俳気音です。
数台のウルトラ軍団、昨年の10月に伊勢の浜島ミーティングでお会いした伊勢湾ハーレー会の方々の様でした。伊勢湾の方々、同時期に渡道ツーリングの由は聞いてました。もしかしたら・・・と淡い期待は持っていたのですが・・・。

この峠にもラベンダー畑在りましたが、余りあの匂いは感じません、其れより真下に広がる上富良野平野の方が絶景でした。
また南下、中富良野に入りラベンダー畑の横を通った際でも矢張り以前より香りは感じません。時期的に少し早いのかも知れません。
富良野の街並みも、典型的な北の大地・・を感じさせられます。数年前ですが大阪の友人とタンデムの時でした。友人の言です。
「道は広いし、歩道も広いのに、家と歩道までの空き地??が広い、もったいな!!!」 大阪の人らしい表現でした。

R38に出る前位からだったと思うのですが、ジャガイモ畑が目立ちました、毎年同じ時期に渡道するのですが、どうも今年は少し季節がずれている様に感じます。空知川沿いより離れてから樹海峠の前後は、その名の通り白樺林の断続です。ここの白樺は幹も太く高く、大きな木が揃って、精霊?を感じます。

大リゾート地・スキー場で知られる「トマム」の標識付近で又空模様おかしく為りました、振りかえって見ると西方面は明るいのですが・・・。行くての狩勝峠は霧で霞み見えません。とにかく状況はと峠の麓に着いて・・・また道路は濃霧に包まれた山中に消えてます。霧雨状でも在りました。ボャーと思案中に若いライダー2台霧の中へと走り去って行きます。

初日のトラブル後遺症・懸念は有ったのですが・オーバーラン.クラッチの空転(始動時)もあり、霧雨の峠で立ち往生は「ヤリキレナイ川」。又もやの引き返しです。
今年はどうしても日高山脈は越えられないのかと、ぼやきながらの引き返しです。毎度ながら昨年の日高越えの後遺症もありましたね。

霧中の白樺林を後にして、ものの5キロも走ると青空覗いてます。連続して、こんなに急変する天候は始めてでした。
コースを変え、金山湖の湖岸沿いに涼風を受けながら走ります、広大なキャンプ場2箇所ありましたが北海道ではどこ走ってもキャンプ場は眼に留まります。

南下とも思ったのですが、天候芳しく無いようです。富良野抜けて芦別まで北上、ホテル着です。ここはホテル2軒しか無いですが、富良野のホテルは結構なお値段ですので・・・。

結局走れたのは 約290キロ。オーバーラン.クラッチは内地までは持ちそうです。

7・6 芦別発

昨夜の宿で予定したコースは、すっかり頓挫して道央を右往左往してます。と白老、稚内等の知人宅まで電話し申し訳無しの連発でした。四国、九州の方々は都合で中旬に渡道との事です。

さて何処に行ったものやらと、地図眺めて滝川を抜けてR451に入り途中よりR28(未走行線)で当別町に至る約80キロ余の山中コースを見つけました。天候も晴れの予報です。相変わらず曇天の中、だだっ広い芦別国道を清流沿いに走ります、流れは綺麗だしヤマメでも釣れそうな雰囲気で、ちょっと水浴び・・・早朝なので止めました。滝川市街を駆け抜け直ぐR451に入ると、もう山道で相変わらず白樺林が続き、切れ目には原生園が見られます。でも花は余り見られずタンポポと野生の蕗は、路肩に群生してます。 只只山道のみ、お天気は良くなり、樹木の香りいっぱいの空気を味わいながらの快走で、調子外れの鼻歌も出ます。誰も見てる人は居ませんので・・・。

R451を約30キロの雑貨屋のような一軒家の在る峠より、R28(地方道)に突っ込んで同じ様な山道ですが・・・ダートと変わらぬ、舗装の傷んだ道路が暫く続きました。
こうなると周囲の風景どころでは在りません。ハンドルのみに気を使う数キロでした。新十津川ダムより当別町までの約70キロ、地図ではGS一箇所在るのですが見当たりません。当別の手前で冷っとしたものです。とにかくこのコースで行き交う車は僅か数台、専用道路走ってるような感じです。コース半ば頃に大きな農場あり、また叢にひっくり返って、牧草の匂いを吸いながら暫く空を見上げてました。

当別町に入り早速のGSで給油の際、携帯覗いてみると札幌の友人より留守電です、「近くでウロウロしてるのなら何故寄らないのか」でした。札幌のショツプに発注のバーツ受け取りも兼ね、またもや札幌市街に入り友人宅の御世話に為りました。ご馳走になった茹でたて毛蟹の美味しかった事、やはり本場で食べる味は格別ですね。たっぷりの蟹味噌をまぶしながらの棒肉、堪えられません。

今年は何度札幌の街中走るのやら・・・札幌と小樽の道路すっかり詳しく為ったものです・・・。
札幌に着いたのが早かったので、定山渓まで足を伸ばしてと為りました。走行距離約210キロ、変わらずの鈍走です。

7・7 札幌発

真駒内の友人(船友)宅では久しぶりの再会に花が咲き尽きる事を知りません。結局、陸(オカ)の生活・仕事は合わん。船が懐かしいね。オカに上がった老カッパの愚痴で終わった01.00までの酒盛りでした。

ゆっくり寝て重い頭を抱えながら、テレビ見てると台風2〜3日後に北海道直撃しそうな天気図が映ってます。
加えてバイクのセルが、気に掛かり始めました。スフ゜ロケットギヤ、始動時少し滑ります。まあこの程度ならと判断し走ってましたが、台風それも全道暴風圏の予報。

予定は10日過ぎまでの滞在でしたが、諦めてフェリー8日に予約とり、残念ながらの引揚げ準備と為りました。
出鼻挫かれると、後まで足引っ張られるものですかね。

出航手続き早いので、小樽泊。重い頭抱え船友に礼言い走り出したのですが、なにか物足りず札樽道路抜けて海水浴場の並海岸線を走り余市に至ると、頭もすっきりし、御寿司屋さんに飛込みです。ここは寿司美味しいですよ。

数年前、近くの地方道R36に在った羊ケ丘牧場を思い出しハンドル向けました、冷水峠の当牧場では羊犬が羊を誘導管理の実宴が見られます。 私の目当ては・・・。牧羊犬では在りませんでした。ここの売店には道産全ての果実・花等より、手作りのジャムが所狭しと並んでます。
ラベンダーのジャム・・・・・・またアイスクリームではじゃがいも・とうもろこし等も有り、見るだけでも眼を愉しませてくれます。

R393に入り直ぐ山林地帯、暫くすると大きな牧場です。
なにか休憩所らしきもの眼に止まり、入ってみたら牛乳とアイスクリームが並んでます。早速牛乳を飲みましたが一杯100円で飲み放題です(200円?ちょつと忘れました)こくが有る、と言うのか濃いのです。堪能しました。牧草そして牛舎特有の香り? の中で飲むのも格別です。

また樹海,丘陵地と駆け抜けながら今年も終わりか、来年は来れるかな、どうも最近は雨男など思い浮かべながら走ってると、視界から去って行く白樺の樹にも感傷的なものすら感じました。

峠を越して間もなく急カーブの連続です、路肩に笹が群生して合間に大きな蕗が窮屈そうに葉を広げてます。
カーブ抜けた途端、小樽の山手市街。いきなり道幅狭くなり参りました。土産でも覗くか、と早めの小樽泊でした。
     走行距離約140キロ   のんびりしたものです。


7・8 小樽港発

昨日はホテルこの時期では珍しく、満員で2軒断られ3軒目でやっと空室有りました。ほつとして土産探しに街中に出たのですが、家内の注文品は見つからず面倒くさくなり適当に送った結果は、帰宅してから「誠意が無いからでしょう」とお冠でした。

宿で地図広げメモと共に今回のコース見て、いろいろ有ったけど何か年々走行距離も少なくなり、雨男に為ってしまったな。道央・北海道のへそ廻りをぐるぐる走ってたのか、とつくづく回想してました。

小樽発8日10.00〜舞鶴着9日16.00 台風接近の予報あったのですが、皮肉なほど凪の続く平穏な航海でした。
帰航時のバイクは31台、ハーレーは壱台のみ・・・ちょつと寂しかった次第です。でも往復航共にユニークな方々との出会いも有り、晴れ間を追っかけてウロウロツーリングでしたが其れなりに、楽しいものでした。
土砂降りの高架下で雨宿りも、濃霧の山道・峠も思い出と残り、エンジン・トラブルもハーレー乗りの宿命か等と思いつつ、自宅から自宅まで約1.600キロのツーリングでした。

・・・北の大地での出会い・・・

☆往航でしたが飾磨の方で、花火を作り打ち上げる職業で「花火士」と言うのでしょうか。30歳位で休職して渡道ツーリング、予定は2〜3ヶ月。所持金が目減りしない程度にアルバイトして滞在との事でした。アルバイト先はライダーハゥスで紹介され、その殆どが牧場だそうです。
 
☆青森ナンバーのハーレーライダー・地元より海岸線南下舞鶴より渡道、暫くやはりアルバイトして懐温かくしてから帰られるとの話でしたが、若い方の経済観念に感心させられました。往復航でハーレーはこの方のみでした。

☆留萌から北上するオロロンラインの海水浴場付近で昼食と入ったラーメン店のおばさんに、何処からと聞かれ関西ですと話した途端、私は四国の愛媛出身で北海道に来て25年と話し出し、他にお客も無かった為、出るにも出られず・・・閉口しました。幸いお客さん来店、この際と出てきましたが冷たい麦茶2杯も大きなコップでお代わり、お腹のなかシャブシャブさせながら又走りだしたのですが、本当に人の良いおばさんでした。


・・・あとがき by harley80・・・

今回の鯨さんの北海道ツーリングは愛車ハーレーのトラブル、加えて天候不順というダブルパンチに見舞われ、当初の予定を二転三転とめまぐるしく余儀なく変更されたようである。
それでもこのレポートを読んでいるとやはりどんな状況の中であれ、我々から見た「憧れの北の大地」のツーリングは羨ましくもある。
納沙布岬までという鯨さんの今年の目標は来年以降へと持ち越されたが、今回で10回目となる北海道ツーリングはベテランの味がある。来年も再来年も、このツーリングは続くだろう。
今年は私の所属する伊勢湾ハーレークラブから数人が奇しくもほぼ同時期に北海道へツーリングを敢行した。残念ながら私たち夫婦は参加できなかった。レポートによると伊勢湾ハーレークラブの方たちとすれ違ったようである。あんな広い北海道で遭遇すること自体奇跡に近い。ハーレーが呼び寄せたのだろうか・・・。私が参加していれば鯨さんに気づいたと思うと残念だ。
私たちの夢である「家族全員で北海道ツーリング」はまだ数年は実現しそうにない。当分は鯨さんの北海道ツーリング紀行でしっかりと勉強しておこう。