Summer Touring in the Rain


湯郷ハーレーフェスティバルで苦汁を舐めた(ここを参照)伊勢湾ハーレークラブの面々より、スカッとストレスを晴らすためにも夏にはツーリングに行こうではないかと提言もあり、ツーリングコースの設定を依頼されていた。それぞれの仕事の都合もあって、泊りがけのツーリングは計画できなかったが、8月20日の日曜日に懸案の日帰りツーリングを行うこととなった。

このHPのリンクにもあるが、三重県は南島町のペンション”さらくわ”のマスターが最近大型免許を取りついにハーレーオーナーとなったということも聞いていたので、目的地をこのペンションにすることにした。ここに昼頃到着予定として、海の幸を中心とした昼食を作っていただいて舌鼓を打とうというわけである。

参加メンバーは伊勢湾ハーレークラブより10台、ハーレーではないがXJR1300に乗ってとにかく走ることが好きな友人H氏に加えて、今回は名張に移ってからハーレーを通じて知り合った3方のハーレー、計14台である。
集合場所を我が家からバイクで10分の近鉄桔梗が丘駅前とした。ハーレークラブのメンバーは四日市市、津市などからのため、集合時刻の午前6時に間に合うためには午前4時半頃に出発しなければならなかったという。(ご苦労様でした) 
友人のH氏や女性ライダーのUさんも茨木市や大阪市内からのため早朝から走ってきてくれた。
桔梗が丘で集合したのは、南島町へのコース設定を考慮した結果である。約6時間ほどかけて目的地に到着するようなコースを考えたのである。途中での朝食や休憩などをはさみ、かなりゆっくり目のペース配分で設定した。

自宅を午前5時半ごろに出発して桔梗が丘駅に40分頃到着。既に一台ハーレーが見えた。天理市からのライダーだ。
駅前の広い道の端にハーレーを停めた。まもなく大阪からのUさんが到着。続くように茨木市からのH氏もXJRで到着した。
お天気も悪くない。天気予報では午後から所によっては雨の降る確率が60%などと報じてはいたが、この空模様だと心配なさそうだ。。
6時前に伊勢湾ハーレークラブのメンバーが次々と到着した。名張市のI氏、T氏も到着。ズラリとハーレーが並び、壮観だ。道行く人は日曜の早朝ということもあって少ないが、ずらりと並んだハーレーを見て足を止める人もいる。

883のUさん到着 XJR1300のH氏到着 ハーレーの面々もぞくぞく到着

次々に集合場所の駅前に到着

雨でなくてよかったねぇ・・・ 久しぶりのツーリングでみんなウキウキしている

午前6時過ぎ、予定通りに桔梗が丘駅前を出発した。コース設定をしたのが私のため、先頭を走ることになった。
後ろに12台のハーレーと1台のXJR1300が千鳥隊形で追随する。ミラーを見るとかなりの長蛇の列である。早朝の名張市内を排気音を轟かせながら先ずは西へと走った。
国道165号線は、がら空きだ。テンポ良く榛原町に入り、ここから370号線へと乗り換え南下。大宇陀町を抜け、桜で有名な吉野町へ。
やがて国道169号線に合流。鮎つりの漁師を見下ろしながら国道をしばらく吉野川沿いに走った。少しずつ高度が上がっていく。
予定より早く、午前7時半頃には朝食予定の道の駅「杉の湯川上」に到着。しかし開店していない。よく見るとなんと午前10時から開店と書いてあるではないか・・・。仕方なく次の道の駅まで30キロほど走って朝食をとろうと決定。
しばらく走った頃、ポツッポツッと雨が降り始めた。おいおい、雨だけは勘弁してくれよ・・・と空を見上げるとどんよりとして山の上の方は霧で霞んでいる。路面も濡れだした。こりゃ、カッパを着たほうがいいかなぁ・・・と考えながら走っていると道の駅が見えてきた。
駐車場にハーレーを停め、建物に行ってみた。上北山村の道の駅駐車場しかしこの道の駅もまだ開店していなかった。ここ上北山村は大台ケ原で有名な日出ヶ岳(1695m)と釈迦ヶ岳(1800m)に挟まれた山間にある。山は霧がかかっている。空も曇り、先ほどまで射していた陽も陰っている。そのためか気温も低目でこの時期のツーリングとしては快適だが、雨は遠慮願いたいものだ。カッパを着るほどではないのですぐにこの道の駅から出発した。

ここから10キロも走らないところに下北山村があり、池原ダムサイドにドライブインがある。朝食はそこまでお預けだ。思惑に反して雨足が次第にきつくなってきた。 「え〜・・・!・・・。おいおい・・・。 しかしまぁ、このあたりは雨が多いからなぁ・・・」と考えながら走っていたが路面はすでに濡れぞぼり、滑りやすくなってきた。所々で後輪がスッと滑り、冷やりとした。
無線で家内が「滑るからスピードを上げないでゆっくり走ってね」と訴えた。自分も滑ったので、コーナーやトンネル内の視界の悪いところではスピードを落として慎重に走った。
雨も本降りとなってきた。レインコートが必要な状況となってきた。そうこうしているうちにドライブインに到着。幸いにもここは開店していた。
みんな早々にドライブインに駆け込む。口々に「怖かったなぁ・・・」、「ズルッと滑ってびっくりした」、「トンネルの中で滑ったぜ・・・」などと話しながらテーブルについた。既に時刻は午前9時半。お昼を先方に予約してあるので、ここでの食事は軽めに摂っておいて下さいねと皆に忠告して、私と家内は一人前のホットケーキを半分ずつ食べた。
池原ダムのレストランで 池原ダムのレストランで
外を見ると霧が山から下りてきていた。雨も依然としてしっかり降っている。雨降りに霧か・・・。なんという天気・・・。
まさかこんなに早く雨に会うとは予想していなかった。皆も同じ気持ちだ。
ぼやいても仕方がないので、ここからはレインウエアを装着して覚悟して走るしかない。目的地の”さらくわ”に電話して聞いたところ、現地は曇り空だが雨は降っていないとの情報だった。
食事を済ませたところで、早いこと山を下り、国道42号に出よう・・・と全員雨具を着て出発。折角決めてきたハーレーライダー御用達のウエアも雨具に隠れてカラフルなこと。
下北山村から国道309号に入り約30キロの道のりを走った。この間大雨であった。カーブの多い山間国道のためスピードは出せない。
時速50キロ前後で走るが、雨粒が顔を叩いて痛いくらいだ。めがねも水滴でびしょびしょである。ウィンドシールドもワイパーがないため水滴がついて視界が悪い。路面もあちこちに水溜りが出来ている。対向車が水しぶきをかけて走り抜けていく。
ようやく国道42号線に出た。この国道はアップダウンがそれほどなく、カーブもさほどないのでまだ走りやすい。しかし、交通量が多い。
空を見上げても一向に回復するような兆しはない。雨を呪いつつ、道の駅熊野で小休止することにした。駐車場にバイクを入れたところで少し小降りになる。

カラフルな雨具 雨は止みそうにない・・・

雨が小降りになったのでみんな期待して空を見上げたが、とたんに再び雨足がきつくなってきた。どうやら雨と追っかけっこをしているようだ。この分だと、目的地にまで雨を連れて行くことになりそうだ。「誰が雨男だ?」と愚痴が聞こえる。
待っていても雨は小降りにならないので、小休止の後、気を引き締めて出発した。
雨で平均速度が遅くなり、予定時間内に着くかどうか危うい。しかし、事故は起こしてはならない。あせらずゆっくりと走ろうぜ・・・とハーレーを走らせた。水しぶきがあがり、対向車からも水をかけられ、雨は土砂降りだ。みんな既に居直っている。雨の中のツーリングは走ってしまえばこっちのもんだ。・・・と強がってみるがやはりもう少し小降りになってもらえないだろうか・・・。
国道42号線をしばらく走り、尾鷲市に入った。名張からのI氏がずぶ濡れになったので着替えを買いたいとスーパーマーケットに立ち寄った。スーパーをあとに紀伊長島町を抜け、休憩なしにどんどん走った。雨は相変わらず降り続いている。ようやく紀勢町に入り、ここから国道260号線につながる県道に入った。260号線に入れば7キロほどで目的地だ。ただ、この国道は「酷道」で狭い上にくねくねと曲がりくねりおまけに峠道なのだ。対向車も来るので気が抜けない。峠のトンネルを抜け、ようやく下りになった。もう少しだ。
やがて下から上がってくるバイクが一台見えた。「お・・・」と思って立ち止まったそのバイクは、目的地の”さらくわ”のマスターのハーレー(スポーツスター1200)であった。どうやらあまりに到着が遅いので心配して見にきてくれたらしい。軽く挨拶だけしてそのまま一気に峠道を下りていった。
ようやく”さらくわ”に到着。駐車場にバイクが次々と入った。雨は小降りだ。
カッパを脱いでいるうちに雨も上がった。みんなもホッとした表情でカッパを脱いでいた。最後に”さらくわ”のご主人がスポーツスターで到着。
「いやぁ、遅れて申し訳ないでした。雨がひどくて・・・」
「この雨の中ご苦労様でした。お疲れ様です・・・」とみんなを労う。「さぁ、どうぞお入りください」と案内された。

みんなの顔に多少の疲れが・・・ 大雨の中、ようやくたどり着いた”さらくわ”で遅い昼食となった

午後二時頃、ようやく昼食にありつけた。予定よりも二時間遅れだ。
刺身の船盛や魚を中心とした料理が次々と出てくる。みんなもお腹がすいていたと見え、ほとんどの方がご飯をお代わりした。
食事をしているとまたもや雨足がきつくなっていた。
食事が済み休憩を十分に取り、落ち着いたところで記念写真を撮った。

みんなで記念撮影

ツーリング参加の14名と、”さらくわ”のご主人(最前列緑のシャツ)

午後3時過ぎ、予定より1時間遅れて帰路についた。雨は小降りとなっているが、この先また本降りとなるかもしれないのでみんな再びカッパで身を固めている。
近くのガススタンドで満タンとし、南勢町へと東に進んだ。このあたりで雨が上がり、走りやすくなってきた。さらに走ると、まだ雨が降っていないのか、路面が完全に乾いている。しかも道はほとんど直線的で快走できる。これまでの憂さを晴らすかのようにアクセルをひねり、スピードを上げて走った。やはり雨がないと大変走りやすい。わずか30分ほどで伊勢自動車道の玉城ICだ。
しかし高速に入ったとたんに再び天気が悪くなり雨・・・。ICからすぐの多気PAに入る。大阪方面に帰る方、四日市方面に帰る方、そして我々名張方面に帰る組と帰路が違うため、ここで解散することとした。
ほとんどが雨に降られたツーリングであったが、それなりに楽しんだ。帰宅するまで慎重に走って事故を起こさないように帰りましょうと別れを告げ、それぞれハーレーに跨りPAを出て行った。

我々は名張からのI氏、T氏と共に4台で久居ICで下り、165号線を走った。久居から一時間で帰り着く。
青山峠を越え、名張市が近づいてきた。西の空に太陽が見え、夕焼けだ・・・。路面も濡れていない・・・。
コンビニの駐車場に入った。カッパを脱ぐ。どうやらこの辺りは雨が降らなかったようである。わざわざ雨のきつい地域をツーリングコースとして選んで走っていたようだ。
今年の湯郷で雨の中を走るのをためらい車で参加したため、今回のツーリングにつけが回ってきたのかもしれない・・・。
何はともあれ、あと10分ほど走れば我が家だ。I氏、T氏ともここで別れの挨拶をして「次回のツーリングを楽しみにしています」との温かいお言葉を頂き、今回のsummer touring in the rainは終了した。 めでたしめでたし。