07047月4日日曜日
ザクセンのスイス、バスタイ橋の一部
今日はヤン巡礼とは無関係のドイツ日帰り旅行DAY。プラハから北へ2〜3時間の場所にあるエルベ川沿いの町ドレスデンまでの通り道で、ドイツとの国境を越えてすぐ「ザクセンのスイス」という景勝地がある。長年の浸食作用により、100メートルもの断崖絶壁の奇岩がいくつも連なる・・・ここまで聞いて(というか写真を見て)何かに似ていると思った人は、この紀行文をよく読んでくれております。ありがとう。そうです、プラコフスケ・スカリーのドイツ版なのです。日本でプラコフスケ・スカリーの事を調べている時、最初にこのザクセンのスイスの情報が見つかって、「あ!ファウストっぽい。ここをチェコではプラコフスケ・スカリーと呼んでいるのかな?でもドイツに入ってしまってるけど‥」なんて思って調べていた私、後に別ものだと判明したのですが、ある程度調べていたので行きたくなってしまい、行くことにした次第。続きものというには離れ過ぎているけど、チェコ北部・北東部にかけてはそういった荒涼とした景色が多い模様。

プラハからドレスデンの往復列車の料金は384kc/1460円・特急料金は別途で771kc/2930円
06:07...Praha hl.n. プラハ中央駅
07:44...Usti n.L. hl.n.
08:09...Decin hl.n.(チェコ側の国境の駅)
08:29...Bad Schandauバート・シャンダウ(ドイツ側の国境の駅)

プラハからドレスデンへ行く特急ECゲーテ号に乗り、バート・シャンダウで各駅列車に乗り換え。予想外に空いている。最初に来たパスポートコントロール官がパスポートの中身すら見ずに行ってしまい、ハンコを貰いそこねる。初日にオーストリアからチェコに入ったルートでは、何も言わなくてもぽーんと押されたのに。
08:39...Bad Schandauバート・シャンダウ
08:48...Kurort Rathenクーアオルト・ラーテン

到着した「各駅列車」が、2階建てのハイテク列車でびっくり。うわっ、クーラー効いてる!!車内の奇麗さに、切符の高さを納得したのだった。さすがドイツ。

クーアオルト・ラーテンに到着すると、まだ早いので土産店や飲食店は閉まっていたけどそこは完全に観光地で、人間が住んでいる感じのしない、何だか作り物のような町。いかにもヨーロッパ的なかわいい家は、基本的にはチェコも同じなんだけど、決定的な違いに私は気付いた。「ペンキが禿げていない」きっちり、まったりと塗ってあるのです。(その違いが、チェコに入った途端「ぼろい」という印象を受ける原因になるのでは。)
バスタイ橋からはエルベ川と線路も見える
ザクセンのスイスのメイン観光地点、奇岩と奇岩の頂上を繋ぐ「バスタイ橋Bastei brucke」は駅からエルベ川を渡って対岸になるので、渡し船に乗らないといけない。10〜15分間隔程度で往復運航していて、片道運賃は110円位。対岸にやっと小さいスーパーがあり、プラハで時間なくて買いそびれていた朝食を購入。パン×3、トマト、りんご、水で370円位。
少し行くと左側に橋へ登る山道がある。下から見ると「うへ〜あそこに登るわけ?」と思うような高さだけど、実際には緩やかなハイキングコースを2〜30分登る程度で到着する。高齢の観光客も余裕。

橋は、奇岩と奇岩の頂上を繋ぐように張り巡らされていて(一部有料)、どこからの眺めも最高。こう言ってはなんだけどプラコフスケ・スカリーとは規模が違う。杖をついたヨボヨボのおじいちゃんとすれちがい、まさか登ったの?と驚いていたら、逆方向から車で来ることも出来るようで、レストランまであった。来てよかった〜ここはお勧めだ!

駅に戻りまた各駅列車でドレスデンへ。
10:48...Kurort Rathenクーアオルト・ラーテン
11:25...Dresdenドレスデン


ドレスデン、ゼンパーオペラ
ドレスデンの駅から観光の中心地まではけっこう遠い上、日曜日なのでプラーガー通りのデパートが全て休業でつまらなかった。ドレスデンは第二次世界大戦で壊滅的な被害を受けた為、ゼンパーオペラなどの観光スポットは新たに建設されたものが多い。戦争の悲惨さを伝えるために廃虚のまま残されていたというフラウエン教会などはやっと再建が始まったばかり。他の場所も工事中が多く、これからだなあという印象。マイセン陶器のタイルを使用した巨大な壁画「君主の行列」はおもしろかった。

ドイツマルクを1000円分しか両替していなかったので露店のシャーベットしか食べられず、ドレスデンはさらっと流してプラハへ帰る。
12:53...Dresdenドレスデン
15:33...Praha Holesovize プラハ・ホレショビッツェ

ECコメニウス号(ブダペストいき)は、これまた快適なドイツ車両。まだドイツ国内での停車駅があるというのに、発車してすぐにドイツ・チェコ両方のパスポートコントロールが来るのは何故なんだろう?アリバイ造りが出来るんじゃないか?なんて考えてしまった‥

車両は「ドイツ」だけど運転は「チェコ」なのか、遅れまくって16時頃プラハ着。97年にも行った、プラハの南にあるヴィシェフラドVysehradへ地下鉄で行く。ヴルタヴァ川とトラム線路を眼下に眺めることができる丘があり、またもや見晴らしは最高。近くにある墓地にはチェコの有名人が多く葬られており(どこに誰の墓があるか示した地図が入り口に貼ってある。スメタナ、ドヴォジャーク、ムハ他)観光客が多い。写真はカレル・チャペックの墓で、墓石が本の形になっていてかわいい。合掌。夕方、のんびり過ごそうと思ったらヴィシェフラドはぴったり。
後日注:チャペックの墓のデザインは、カレルの最初の小説「受難像」にちなんで兄ヨゼフがデザインしたものらしい。

このところの歩き詰めで足の裏が痛くなってきて、暑いのに靴下2枚履き。プラハで夜人形劇に行くつもりだったけど、今は、97年に見た作品「ドン・ジョバンニ」しか上演してないので止め。もう一度国立マリオネット劇場に行きたかったけど‥。他にも人形劇場やブラックライトシアターがあるけど何だか行く気しないなあ。疲れてきたのかな。
(やっぱり行くべきだったと日本に帰ってから後悔。でも旅行中ってそういう事が多い。計画通りに行動するのが面倒臭くなってしまったり、すごく欲しかった物を何となく買わずに帰ってきてしまったり、逆に予想外の物を買い込んだり。「また来るし」なんてその時は思ってしまうのだ。いかんなあ。)次の日へ

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