2007年4月1日 |
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2007年度予算案に反対討論 私は3月議会に提出された議案のうち、第3号2007年度一般会計予算、第5号国民健康保険事業特別会計予算、第10号水道事業会計予算と、第26号国民健康保険税条例の一部改正に反対します。 格差社会が問題になっていますが、小泉内閣、安倍内閣と続いた自民党・公明党政府が、財界・経団連の要求に従って人為的に持ち込んだ結果です。パート派遣の非正規労働の拡大、庶民への定率減税の廃止、老年者控除の廃止など、数え上げたらきりがありません。その一方、株でもうけた高額所得者や大企業への減税は継続したままです。 地方自治体にとっても、「三位一体の改革」のかけ声の下、小矢部市のような地方の自治体にとっては大規模な減収に見舞われました。税源移譲の結果、税収は逆に1億2600万円の減収です。加えて地方交付税も2億4千万円削減です。 国が弱いものいじめの政治を強行しているときにこそ、地方自治体は住民の福祉向上のために力をつくすべきです。これにてらしてこんどの予算案件を見ると、新しく実施するもので市営バスの日曜日運行テスト、学童保育の拡充、市長・議長交際費の削減など評価できる面があります。しかし同時に、今後に禍根を残す重大な問題をはらんでいますので、反対するものです。 問題点の第一は国民健康保険税の値上げです。ある家庭の実態をお聞きしました。2005年度の住民税が2万200円でしたが、2006年度には9万4700円へ、5倍近くになりました。国保税も28万3800円が、30万7000円になったそうです。この上今度の税率アップで、ほとんどの家庭で2割以上の負担増です。税金と社会保障の負担で庶民から所得が奪われているのです。しかも国保に加入している世帯には低所得者が大変多くなっています。所得があまりにも少ないために法律で国保税を減額しなければならないと決められている世帯が、49%も占めています。 小矢部市は当初国保運営協議会に諮問していた税率を若干引き下げました。このようなことはかつて前例がないことで、その英断を評価するものですが、それでも市民のくらしにとってどれほど大きな負担になるかを考えると、もっと努力すべきではないかと思います。たとえば、国が制度を変えて国保加入年齢を74歳にまで引き上げたための医療給付費の増大分とか、コンピュータシステムを回収するための費用などは、一般会計から入れて、少しでも市民の負担を軽くすべきでした。 問題点の第二は、水道事業会計への一般会計の繰入を3分の1削減したことです。本来水道事業は「清浄にして豊富、低廉」な水道用水の供給を目的にしているもので、小矢部市は自然や社会的状況で高い水道料金となるため、これまで通りのルールに従えば8820万円の繰入をする必要がありました。ところがこれを5880万円に削りました。2007年度限りの一時的な対応だとしていますが、今後の水道料金引き上げの布石になる懸念があります。 問題点の第三は、暮らしを支える予算については今見たように出し惜しみをしながら、効果があるかどうかよくわからないまま、38億円もかかる駅南土地区画整理事業に突き進もうとしていることです。新幹線の高架橋が斜めに横切っていく地区です。新幹線がスーパー特急として石動から在来線を走っていくというのであれば、まだ少し可能性はあったでしょうが、フル規格では、ただ通過するだけです。そのすぐそばに住宅がどんどん建ちますか。土地がどんどん売れて、地価が値上がりしますか。地価が下がり土地区画整理組合で見込んだ事業費が足りなくなったら、組合員には新たに賦課金が課せられることにもなります。 これには県が手を出さなかったのです。そのぶんを小矢部市が負担する形となり、これまで行ってきた3つの区画整理事業での市の負担割合24%が、2倍の47%にもなります。市の負担18億円は、1年間の負担に直すと1億8千万円になります。 これだけのお金があれば、学校教育で、非常勤職員の常勤化もできますし、小学生の医療費無料制度に取り組むことも可能でしょう。小矢部に住んだら子育てがしやすい、老後が安心だとなれば、小矢部市に住もうとなって、人口も増えるのではないですか。市の活性化につながり、都市間競争にも勝つことになるのではありませんか。現に長野県の下條村ではこういう努力で4000人の人口が4200人台へと増えている実績あります。 このまま駅南土地区画整理事業に突き進めば、効果が上がらないのに住民負担が増え、市も財政危機になる危険性をはらんでいます。もう一度市民全体で見直すことを求めて、私の反対討論とします。 国保の請願に賛成討論 国民健康保険税の値上げを抑えてくださいとの請願に、短期間でしたが、1210名の方々から署名が寄せられました。私はこの請願に賛成討論をします。 国民健康保険制度が今重大な曲がり角にさしかかっています。国保税の負担が重く、払いたくても払えない世帯が増え続けています。滞納世帯が全国では480万世帯といわれています。小矢部市でも毎年増えて、2005年度には502世帯が滞納です。1年間で32世帯も増えました。この大半は悪質ではなく、払いたくても払えないのが実態です。このまま漫然と国保税の値上げに頼っていたら、ますます滞納が増えて国保事業が破綻することが懸念されます。 憲法25条は国に「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する義務を課しています。国に憲法を守らせるためにも、この請願を採択するよう訴えるものです。国はせめて1984年水準まで国保に対する財政負担を50%に引き上げるべきです。 全国市長会も国保関係予算の所要額を確保することを国に要求しています。電算システム経費等についても十分な財政措置を講じることを求めています。市が医療費助成制度で市民のくらしを助けたら、国は国保会計への交付金をペナルティーとして削減しています。こんな理不尽なことは止めてくれと全国市長会も要求しています。 民生文教常任委員会ではこの請願を不採択としたようですが、小矢部市議会がこの請願を採択しないということは、小矢部市議会は全国市長会のこの要求に反対だということになるではありませんか。 憲法は第12条で、国民に対して、憲法が保障する自由と権利を、「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」という義務を課しています。小矢部市議会が国に対して何も言えないようでは、憲法のこの条文が泣きます。 1993年に小矢部市は国保担当職員7名分の人件費4600万円を、国保会計から外して一般会計で見るように変えて、国保税を下げたことがありました。民生部長は「国が制度を変えたからだ」と予算特別委員会でおっしゃいましたが、国に制度を変えさせるために、それまでに国民の間で大きな住民運動があったのです。小矢部市でも4762名の署名が集まりました。国民の声を結集して、悪政を変えていく取り組みが今ほど求められているときはありません。このときに小矢部市議会が国にものも言えないということでは、市民の信頼と期待の担い手になれないではありませんか。 以上、私の賛成討論とします。 |
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