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2012年度当初予算に反対討論 2012年3月23日 美術館問題 国民健康保険税 後期高齢者医療制度 下水道のやり方 私は市長提出議案20件のうち、2012年度の予算関連4件、一般会計、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、下水道事業特別会計に反対します。 小矢部市は県内の自治体の中でも、子ども医療費を中学3年生まで所得制限なしで無料にしたり、学校教育でも引き続き平和教育に力を入れ、少人数学級への前進を図るうえでも小学1年生で30人を超えるクラスに補助の先生を付けたり、学校図書館に専任の司書職員を配置するなど、力を入れております。学童保育についてもすべての小学校で行い、夏休み、冬休み、春休みも実施し、新年度はおおたに学童クラブで土曜日も開設することにしました。保育所についても、市が責任を持つ体制を維持し、一時持ちが上がっていた大谷校下4保育所の統合についても、見送りの方向のようであり、ほっとしているところです。 ただ、この予算に含まれている次の問題点を曖昧にしたままでは、市の将来、および財政に禍根を残すことになると心配しています。 第一は美術館の問題です。著名な芸術家からの寄付をあてに、新しく建設するかどうか、もう一度検証するということですが、小矢部市民の芸術の力を伸ばす、子どもらの成長に資するということであれば、既存の、クロスランドおやべや道の駅など市施設と近隣の美術館の活用ということを真剣に考えてもよいのではないでしょうか。 議会での議論の中には、市内に似たような施設がいくつもある、統廃合が必要ではないか、という声もあるようです。私はそれぞれの施設が多くの市民に広く利用され、市民の自主的な活動が活発に行われているのなら、これは市民の元気力の発揮であり、それぞれ存在意義が十分にあると考えるものですが、しかし、このような議論があるときに、新しい施設をつくる必要があるでしょうか。 こんどの予算では美術館等構想策定費30万円について、当初は美術館建設を前提にしたものとの説明がありましたが、議会の側の強い反発の声に押されて建設の是非を含めて検討すると修正されました。予算特別委員長報告にもありましたように、「子どもたちの美術に対する力を伸ばすことを第一に、市民の意見を真摯に受け止め、美術館建設の是非を含めその検討を行うこと」との指摘を、真摯に受け止められるよう要望します。 第二は、国民健康保険税の問題です。昨年の監査委員の指摘、決算特別委員会の指摘を受けて、当局は国民健康保険税の引き下げについて真剣に検討してきました。しかし、国の交付金の見込み違いというか、インフルエンザが1回も2回も大流行した場合に匹敵するような国の交付金の減額により、引き下げを断念せざるを得ませんでした。 しかし、国民健康保険税は市民に大変重い負担となっています。最近の国民健康保険加入者は、定年退職した人や、非正規労働者、失業者などが大変増えています。予算特別委員会での担当課の試算では、所得250万円の4人家族で約40万円の国民健康保険税だそうです。このほかに介護保険料や年金の掛け金を支払ったら、生活していくために必要なお金がぎりぎりで、大変な事態になっています。しかも年所得250万円というのは、小矢部市の国保加入者の中ではまだよい方ではないでしょうか。国保世帯4109世帯、7102人の平均の年間所得は一人あたり93万円程度であります。 国保には、共済組合とか、健康保険組合のように事業主負担がありません。それを補うものとして、国の負担が定められているのです。国が憲法25条、国民健康保険法第1条の社会保障を維持する責任をどんどん後退させてきています。1984年には保険から、医療機関などへ支払われた保険給付費の56%が国庫支出金でしたが、2010年にはわずか24%に半減させられました。 このような事態のもとで、小矢部市として、国がやらないから何もしないということでよいのでしょうか。私はこのことを訴えたいわけです。予算特別委員会でも取り上げましたように、国民健康保険税の医療費分の最高限度額を51万円に抑えています。これはこれで大事なことですが、国の政策として限度額を超える80世帯の方に国保税が青天井で取られるのを抑制しているわけです。この部分にかかる財源2648万円、つまり51万円に抑えたために、所得割を7.6%で計算通り国保税をもらわなかったために入ってこなくなった国保税相当分2648万円は、4109世帯の国保加入者全体で負担しています。1世帯に平均で約6400円その分を肩代わりしています。この分を一般会計で、法定外繰入をして、国保加入者の負担を少しでも軽くする努力、1世帯に6400円減額する道を開く必要がありませんか。 第三は後期高齢者医療制度の存続を前提としていることです。民主党政権は公約をどんどん後退させ、自公政権時代にすり寄っているだけに、このような予算には同意できません。 第四は、下水道事業のやり方が、市民全体を公平に扱うものとなっていないことです。いまのやり方では市内全域下水道化にこれから39年もかかります。 現在のやり方を続けるなら、市の財政負担は大変なことになります。下水道会計21億7800万円のうち赤字分を穴埋めするために、市は私たちの税金を7億3449万円もつぎ込んでいます。これは公立保育所11カ所の人件費、運営費7億2972万円より多いのです。このまま放置すれば、下水道会計の借金が莫大なものとなり、いまでさえ高いといわれている下水道使用料金を、将来大幅引き上げが避けられなくなります。 散居村にあるトイレだけしか浄化しない単独浄化槽を合併浄化槽へ切り替えるための促進策も不十分といわなければなりません。下水道行政の抜本的な見直しが必要であることを強調したいと思います。 以上、私の反対討論とします。 |
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