バナー2008年3月25日
本文へジャンプ 富山県小矢部市議会議員
日本共産党 砂田喜昭
2008年3月議会、討論
2008年度予算他10議案に反対討論
道路特定財源維持の意見書に反対討論
米価安定の請願に賛成討論

2008年度予算他10議案に反対討論

 私は、新年度の予算について、国の三位一体の改革による地方財源削減の嵐が吹き荒れるもとで、水道料金の値下げや、小学6年生までの医療費無料化の実現、市内循環バスの運行を大幅に改善されたことなどについて、その努力を高く評価するものです。また、各会計にわたって高金利の政府資金、公的資金の低金利への借り換えを行い、大幅に利子負担を軽減した努力も評価するものです。
 しかし、せっかくのそうした努力も、今後、小矢部市が市民生活支援という本来の役割を果たしていく上で、足かせとなることが懸念される問題点があるため、提出された48本の議案のうち、次の10議案に反対するものです。予算関係では議案第1号一般会計、第3号国民健康保険特別会計、第4号老人保健医療特別会計、第5号後期高齢者医療特別会計と議案第9号の2007年度一般会計補正予算に反対し、条例関係では、第16号後期高齢者医療に関するもの、第27号ひとり親家庭の医療費助成に所得制限を持ち込むもの、第28号市指定ごみ袋の値上げに関するもの、第29号国保条例では健康診断の範囲を狭めるおそれがあるもの、第31号稲葉山牧野の使用料値上げに関するものに反対するものです。
 その理由について、5点申し述べます。

後期高齢者医療制度に反対

 第一に、後期高齢者医療制度についてです。一般質問でも取り上げましたが、75歳よりも長生きしたら、姥捨山のように別立ての医療保険制度に移し、差別することは許されません。年金から保険料を天引きされ、受けられる医療も差別されます。長生きを罪のように扱うひどい制度に対して、野党4党は4月からの実施を中止し、制度の撤廃を求めているところです。

保健事業の範囲を狭めるな

 第二に、国民健康保険条例で保健事業の範囲を狭めることです。保健事業の中から、成人病その他の疾病の予防、健康づくり運動、栄養改善、母子保健と明記されていたものをわざわざ削除し、その他健康の保持増進のために必要な事業に統合したことです。当局は「従来のものをなくすことではない」と答えられましたが、その保障が実は危ういと思われる事態が進行しているのです。国は法律を改定して、腹回り85センチ以上とか、95センチ以上というようなメタボリックシンドロームに関する特定健康診査のみに特化する健康診査を行おうとしています。その際、これまで行ってきた健診項目を削減します。これについては、国保運営協議会で専門家からも疑問と批判の声が出されていました。このような事情がある以上、わたしは保健事業のこれらの項目は削除すべきではないと考えます。

ひとり親家庭に厳しすぎる所得制限の改善を

 第三は、ひとり親家庭医療費助成に対する所得制限が厳しすぎるという問題です。百歩譲って所得制限を導入するとしても、せめて子供医療費並みにあらためることです。子ども医療費無料制度の場合は、父か母のどちらか収入の多い方1人の年収がサラリーマンで850万円以上が対象外となるのに対して、ひとり親家庭では、360万円で無料制度が打ち切りというのは、あまりにも過酷ではありませんか。これを是正するために必要な財源は150万円です。議員の海外視察に79万円、特別委員会の行政視察に90万円というのを削れば、必要な財源は確保できます。

上水道高料金対策補助金をルール通りに

 第四は、水道事業に対する高料金対策補助金をルール通り出さず、3分2に減額したことです。削減幅は2366万円にもなります。県企業局が10円値下げしたのに、家庭用水道料金値下げで5円しか市民に還元できなかった最大の要因がこれです。

駅南土地区画整理事業の見直しを

 第五に、市民には財政が厳しいと、各種負担を押しつけながら、石動駅南土地区画整理事業を聖域扱いし、今後40億円もつぎ込もうとしていることです。綾子河川公園についても、5億5千万円かけるという当初の計画の全面的見直しをしないまま、2007年度予算にさらに2千万円も上積みし、ずるずると工事を進めていることが問題です。
 今市民はガソリン代をはじめ諸物価の値上げに襲われています。収入面では、米価の値下がりで農業所得が大幅に減少し、労働者も、パートや派遣、請負など非正規雇用が増やされ、生活の苦しい人が増えています。このようなときに、行財政改革だと言って、市民に負担を押しつけることが許されるでしょうか。その一方で、賛同者が組合設立のボーダーラインしか集まらないような石動駅南土地区画整理事業には40億円もつぎ込もうなどと言うことは許されません。
 石動駅南土地区画整理事業では、34.1%の用地を地権者から無償で提出させ、道路や駅南広場をつくろうという計画です。土地を無償で提供しても、便利になり地価が値上がりするから、地権者には損をさせないというのがその理屈です。そのためには地価が1.5倍に値上がりしなければつじつまが合いません。この10年間、市内の地価が値下がりを続けている時代に、1.5倍の地価になるのでしょうか。仮になったとして、果たして売れるものでしょうか。
 計画では、1uあたり55200円で保留地を売却し、7億1千4百万円の収入を見込んでいますが、これだけの収入を確保できなかったら、組合設立に同意しなかった人からも、新たに賦課金を徴収しなければならなくなります。
 このような将来の見通しが立たないような計画は全面的に見直す必要があります。

税金の使い方の見直しで、より市民生活支援の予算を

 新年度予算案で、市民負担増による増収がすべて合わせても1374万円、高料金対策補助金の削減2366万円、合わせて3740万円の財源を、厳しい財政状況の中で、本当に市は生み出すことができなかったとでも言うのでしょうか。先に申し上げたとおり、石動駅南土地区画整理事業に4590万円を予算化していますが、これを見直せば、市民に負担をかけることなく予算編成が十分に可能でした。新幹線が上空を通過するだけの所に40億円をつぎ込んで、小矢部市の人口増につながるとは、私にはとても考えられません。今年度はせっかく市民が生活しやすくなる予算を組もうと努力されたのですから、このような効果の望めない事業はきっぱり中止し、よりいっそうの市民生活への応援を求めて、私の反対討論とします。

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道路特定財源維持の意見書に反対討論

 先日私の所へ、自民党の道路特定財源の新聞折り込みチラシを見て、怒りの電話がかかりました。
 「今朝のチラシを見たのですか。道路特定財源がなくなったら、歩道ができない、除雪ができないなどと、脅すようなチラシが新聞折り込みされたが、こんなひどい話しはない。暫定税率ができて、何十年たったと思っているのか。一体これまで何をしていたのか」。というのですが、全く以てもっともな話です。
 歩道ができない、歩道除雪がされないというのには、理由があります。道路特定財源が、生活関連道路に回っていなかったし、これからもまわす計画がないからです。これから使う59兆円について、踏切対策に6.9%、歩道対策に4.7%しか見込んでいません。それでは何に使うのか、高規格幹線道路です。高規格幹線道路に23兆円、4割も使おうというのです。今関係住民から反対の声が起き、テレビで全国放送された富山市豊田の8号線高架化の計画がその一つです。総額230億円をつぎ込んで、魚津の松下電器工場への物流の時間短縮などを目的としています。もう一つ全国ニュースにもなったものに、伏木富山港から小杉インターまで15分かかるのをわずか5分間短縮するために640億円もつぎ込むという。この2ヵ所に、小矢部市の道路橋梁予算5億3千万円の160年分もつぎ込むから、生活道路の整備が遅れるのです。
 このような無謀な道路計画をあらためれば、道路特定財源を一般財源化しても、必要な道路整備は十分にできるのです。このような意見書を出せば、無駄な高規格道路を途中でやめることはできないとして、生活関連道路予算が削られることは火を見るより明らかです。
 暫定税率が廃止になると小矢部市の税収に2億3千万円の減収になるといいますが、これは決まってもいない暫定税率を前提に地方財政計画を組んだ政府の責任であります。無駄な道路建設をやめ一般財源化して、地方交付税などの交付金で補填する補正予算を組めばよいのです。
 したがってこのような意見書は出すべきでないと訴えて、私の反対討論とします。

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米価安定の請願に賛成討論

 昨年産米の米価が1万3千円と、生産費1万7千円を四千円も割り込み、規模拡大に協力してきた担い手農家、集落営農組織、そして個人農家に深刻な打撃を与えています。農業従事者の45%が70歳以上という高齢化が進行しています。農家の時間給が256円です。これでどうして農業後継者をつくることができるでしょうか。日本の食糧と農業は、新たな深刻な危機に直面しています。
 このままでは食料自給率39%に落ち込んだ日本農業を再生することはかないません。中国の餃子事件に見られるように、輸入に頼っていては日本の食の安全を守れません。世界は地球温暖化やバイオエネルギーの問題で食糧危機が深刻になっており、フィリピンの大統領がベトナムの首相に米の緊急輸入を申し入れる事態となっております。日本では米の、期末在庫が24万トンも不足しているのに、米が余っているというのは、ミニマムアクセス米の輸入残高が189万トンもあるからです。世界中で米が不足しているときに、日本が輸入を中止すれば、世界の食糧危機解消にたいへん大きな貢献となるでしょう。
 昨年、米価が下落した原因は何でしょうか。政府が米価安定の責任を放棄し、市場任せにしたばかりか、あろうことか備蓄米を安値で放出し、米価下落の引き金を引いたからです。米価の安定のためには、政府備蓄米の放出を許さないことは最低限の条件であることはあきらかです。政府は今年3月末までは放出しないと言っているようですが、4月以降その保障がありません。事態は緊急を要するのです。
 ところが先の委員会審議の中で、「備蓄米を飼料用にまわして欲しいから、この請願に反対」などという発言があり、この請願を不採択にしました。しかし、畜産農家から出された陳情を受けてこのあと提出される「畜産経営の安定強化に関する意見書」でも、「備蓄米の放出」を求めてはいないのです。しかもこんどの請願には「備蓄米を主食用に放出するな」と明記してあるではありませんか。農家のみなさんは、古々米を飼料として、超安値で放出することには全く問題がないのです。しかし、絶対に主食用に混ぜないで欲しいのです。そういうときに、小矢部市議会が「へりくつ」をこねて、この請願を不採択にするとは、米価の安定を願う強く願う農家のみなさん、担い手農家や集落営農、個人農家の願いを踏みにじることに他なりません。また、食糧の安全、安定供給を願う消費者の期待にも背くものであります。
 議員各位が良識を発揮され、この請願に賛成されることを訴えて私の賛成討論とします。


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