バナー2007年12月19日
本文へジャンプ 富山県小矢部市議会議員
日本共産党 砂田喜昭
市議会最終日、4本の討論をしました。
目次
拉致問題の解決へ 意見書に反対
道路特定財源に反対討論
米価安定対策の請願に賛成討論
「非核日本宣言」の請願に賛成討論


拉致問題で討論
2007年12月19日(水)
 私はこの意見書案では、拉致問題の解決につながらないばかりか、現在進んでいる6カ国協議の中で核問題、拉致問題、過去の清算問題の包括的解決への前進の足を引っ張るものであり、かえって有害であると考えるものです。
これまでも日本は「北朝鮮に対する圧力」とか、「一歩も引かないという不抜の姿勢」を盛んに口にしてきましたが、拉致問題に関しては少しも前進させることができませんでした。6カ国協議参加国の一つであるアメリカでさえ、日本政府に「拉致問題の解決」とはどういう中身なのか、その定義を明確にしなさいと注文を付けたのです。
 日本共産党は、北朝鮮に対して圧力一辺倒ではなく道理をふまえた交渉による解決を一貫して主張してきました。日本政府に「北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚」と初めて認めさせたのが、日本共産党でした。それは、1988年3月26日、参議院予算委員会で、日本共産党の橋本敦議員が北朝鮮工作員辛光洙(シン・グァンス)の名前を挙げて追及した質問でした。
 その後、事態の進展がないときに、さらにその打開の方向を示したのが、1999年に日本共産党の不破哲三委員長が2回にわたって行った国会質問でした。当時、日本政府のとっていた軍事的対応ではミサイルや拉致問題を解決できないとして、北朝鮮と正式の対話と交渉のルートを確立せよと要求したのでした。北朝鮮と対立するアメリカですら、交渉のチャンネルを持っているのに、日本政府にその用意がないことをきびしく批判しました。
 この提案を受けて国会の超党派代表団の北朝鮮訪問が99年12月に実現し、その後2002年9月の小泉首相と北朝鮮との首脳会談実現へとつながったのです。そこで、日朝平壌宣言において、金正日が拉致を認め、謝罪するところまで事態を動かすことができました。この宣言においては、核問題、拉致問題、日本の朝鮮侵略問題を包括的に話し合いで解決するという合意がなされました。これが6カ国協議でも共通の課題とされ、ご承知のように、核問題では北朝鮮に核兵器の完全な放棄へ向けて事態が進み始めています。核問題が道理あるかたちで解決されていけば、拉致問題の解決をうながすことになるでしょう。核問題をいま前進させることが拉致問題の解決にも一番の近道になります。
6カ国協議での話し合いがここまですすんでいるときに、その枠組みを離れて日本政府だけが「圧力」をいくら叫んでいても、拉致問題の解決にはつながりません。かえって有害です。
 したがってこの意見書では、次のことを明確に述べるべきです。
@、日朝平壌宣言の精神にたって、核問題、拉致問題、過去の清算問題などの包括的解決をはかる立場が重要であること、
A、拉致問題の早期解決のうえでも、六カ国協議の合意にそくして核問題の解決のための積極的な役割を発揮し行動することが、日本政府に強く求められていること、
 意見書ではこの二つの点を強調し、政府に働きかけるべきです。
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道路特定財源に反対討論
2007年12月19日(水)
 私は「中期計画の策定、道路特定財源諸税の暫定税率の延長等に関する意見書」に反対します。
 ガソリンにかかる揮発油税や自動車重量税など道路特定財源は、国の分だけでも3兆四千億円、地方の分も含めると5兆六千億円にも上ります。
 そもそも道路特定財源は、1953年、今から半世紀以上前に、国道・県道の舗装率が5%以下しかなかった時期に「整備が急務だ」との理由で臨時措置法としてつくられた制度です。舗装率が97%を超えた現在もこれらの莫大な諸税を道路建設だけに使い続ける理由は全くありません。
 意見書では道路利用者などの納税者の理解が必要だと述べていますが、増え続ける自動車やガソリンなどの使用は、地球温暖化問題をはじめ、環境や健康など社会にさまざまな問題を引き起こしています。これらの諸税はこうした問題の解決にも利用すべきです。
 これら特定財源を一般財源にしたところで、道路建設ができなくなるというものではありません。本当に必要な道路は、一般財源で建設すればよいのです。
 しかし、これらの諸税が道路にだけしか使えないために、必要性も採算性も疑問である無駄な道路建設が無理やり強行されているのが現実です。
 実例を紹介しましょう。小矢部市でも、社内上野本線の拡幅事業、都市計画街路事業について、関係住民の間で十分な話し合いも合意もないまま、国、県の予算が付いたからということで、事業に着手しました。これは、1996年の時点では市当局もまったく予想すらしていなかった道路整備事業でした。当時、地元関係者が集まった集会で市の担当者が「道路拡幅の予定はない」と断言していたのです。住民も当局もどうしても必要と感じていなかったこの事業をしゃにむに行うことになった原因は、ガソリン税や自動車重量税などが道路特定財源として使い道が限定され、毎年5兆円以上使い続けなければならない仕組みだからです。
 しかも、道路をひろげた結果、そこに住む住民の一部が立ち退かざるを得ない状態となり、町に住む人口減少に拍車をかける結果となりました。約2割の家が立ち退きで町内から消えてしまいました。町の活性化にも逆行する事態を生み出しているのです。
 したがってこのような意見書を出すべきでないと申し上げて、私の反対討論とします。
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米価の安定対策を求める請願
2007年12月19日
 今年の米価下落は、個人農家はもとより、国策に協力して規模拡大をした担い手農家、集落営農組織の全体に、たいへん深刻な打撃となりました。このままでは米づくりを続けられなくなるおそれがあります。株式会社として農業の多角経営を展開しているところでも、後継者問題が大問題になっています。息子に跡を継いでくれといえないのです。
 この間の米価下落は、@政府が適正基準を満たす備蓄米の買い入れを行わなかったこと、A古米を安値で市場に放出してきたこと、B政府が「米改革」の名の下に米の流通責任を市場任せにしたことで、大手スーパーや大手外食産業、大手米卸が買いたたきと価格破壊を行ってきたことが原因です。これは政府・財界が意図的に引き起こしたものです。
 一方世界では、食糧危機が深刻になっています。農水省がまとめた世界の穀物等需給動向によると、二〇〇七年度から〇八年度にわたる世界の穀物期末在庫率は、前年度から3・8ポイント減少して15・2%と過去最低となる見通しです。在庫量も世界の人が必要とする五十五日分で、食料危機がいわれた一九七二―七三年度を下回ります。
 このようなときに、米価の安定対策、米以外の作物の価格保障により、日本の食料自給率を向上させる総合的な生産振興策をとることが何よりも必要な時期です。
 ところが委員会の審議の中では、「ペナルティを課して減反を強制するな」という請願項目のわずかな一部分を取り出して反対の口実とし、この請願を不採択としました。その請願項目は全部をきちんと読めば、生産調整には米以外の作物の価格保障が必要で、ペナルティをかけることで解決できないと言うことを言っているのです。百歩譲って減反の強制は必要だと認めたとしても、米価下落対策はすべての農家にとって、きわめて重要な課題であり、そのことを政府に要求することに反対する理由とはなりません。
 「角を矯めて牛を殺す」ような議論にくみすることなく、すべての農家と、そして消費者の食の安全確保のために、米価の安定対策を求める請願に賛成されることを訴えて、私の討論とします。
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「非核日本宣言」を求める請願に賛成討論
2007年12月19日(水)
 核兵器と人類の生存は両立しません。2000年に開かれた核不拡散条約再検討会議で、核保有国を含むすべての国が「自国の核兵器の完全廃絶」を「明確な約束」として確認し、核軍縮のための現実的措置をとると合意しました。
 しかし、その後今日まで、その約束の具体化は進んでいません。
 北朝鮮の核廃棄は6カ国協議の場で進展を見せていますが、核保有国の核兵器削減はいっこうに進まず、かえって核兵器拡散の危険も高まっています。
 このような状況を根本的に解決するためには、地球上からすべての核兵器を廃絶し、再び製造・配備・使用を禁止することです。日本政府は唯一の被爆国として、核兵器廃絶を世界に呼びかける崇高な義務があります。
 したがって、「核兵器廃絶の提唱・促進」と「非核三原則」を「非核日本宣言」として宣言し、国連の場や各国政府に働きかけるべきであります。
 この請願を審議した委員会の中で、「核兵器廃絶は本当によいことだ」といいながらも、「県議会でどんな審議結果になるかわからないから反対だ」との意見を述べて、私以外が反対されましたが、まったく理解に苦しみます。良いことなら、なぜ賛成できないのでしょうか。なぜ、県議会の顔色をうかがわなければならないのでしょうか、地方分権にも反するではありませんか。
 核兵器廃絶はよいことだ、被爆国日本はそのことを世界に向かっておおいに主張すべきだと考える議員のみなさんに、ぜひこの請願に賛成されることを訴えて、私の討論とします。

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