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「打楽器アンサンブル・センプリーチェ」の巻

浜名湖花博「のたねステージ」への道

 

 この2004年5月、無事に、浜名湖花博にて、公式なデビューを果たした、「センプリーチェ」ではあるが、最初から、それを目標としていたわけではなかった。

 昨年2003年、私にとって、ショスタコーヴィチが7番の交響曲を書いた年齢、これは凄い重みをもっている。彼は、その作品で世界的な大事業を一人でなし得た。私にそんなことはできるはずもない。が、何かすべき年、と感じた。私は、0で年齢を区切るのは好きじゃない。20歳、30歳、その時になって、次の20代、30代に成すことを考えても遅かろう。真ん中の5の年に、いろいろ動き出さなきゃ、間に合わないのではないか。そんな考えもある。
 また、ショスタコーヴィチの人生、69年、これが自分の想像しうる寿命と想定した。80代まで生きる、日本の今の平均寿命は、戦前戦後をタフに生き抜いた人々のもの。我々にそんな活力はありませんて。このままだと60歳代で死ぬのは、年金を受け取れず、政府の詐欺的な政策に見事にしてやられそうで、気分悪いが、ま、正直、寿命もこんなところでしょう。69と想定して、その折り返し地点。峠を登り、あとは、死に向かう下り坂。
 そんな気持ちのなか、残り、遣り残したことは、順次、片付けないと、・・・・ということでの、私含め3人をメンバーに、打楽器の練習会を始めたのが、2003年2月15日。
 その後、月1回程度の練習を続ける。既存のアンサンブル楽譜も練習しつつ、自前の、ヴィブラフォンを使って何かできないか?それもなるべく、自分の好きな作品を・・・・と考えるなか、Vib.を始め金属打楽器系で映えそうな印象派もので、ドビュッシー。リズムの面白さで、バルトーク。その他、打楽器の代名詞的な作品、やっぱ「剣の舞」は避けられん。あと、当初からの野心で、プロコフィエフ。「キージェ中尉」の「キージェ誕生」など、意外と曲の構造も単純で、なんとかなりそうだ。ショスタコーヴィチも野心ありなのだが、今のところ、この編成に適当な作品がまだアレンジできず。シベリウスのピアノ曲も野心ありだが、もう少し検討が必要。ニールセンも研究中。
 ・・・・・こんな試行錯誤を重ね、楽譜を書き換え、試演、書き換え、試演を繰り返すこと、半年あまり。
 そこへ、浜名湖花博の情報が入り、応募したら、見事に大当たり。なんとか、本番目指し、人様の前で演奏できるレベルには到達したか、と。お金をいただけるレベルにはないだろうが。

 その間に、私自身は、(財)音楽文化創造さんから、表彰を受けることともなり詳細はこちら。2003年11月)、地域社会への貢献やら、自分ならではの音楽上の新たな試み、といったものを強く感じるにいたってきた(田舎の出なので、都会偏重な文化への対抗心。打楽器という、マイノリティ楽器出身という対抗心。さらに、北欧、ロシアを主とする近現代音楽好きな、作曲家崩れなアマチュアが、打楽器を武器に、それも王道を行かず、自分の趣味に走って、かつてない、音楽が提供できそう、という、随分自分本意な野心・・・・、他人にはできない、いや、やらない、新たな、打楽器アンサンブルの提起を目指そう。)
 打楽器の腕を磨きたい、これは第一次的意義。とにかく、社会人として、音楽に携わる時間が少ない。その少ない時間をどう使うか?少数精鋭っぽく、みっちり打楽器を練習する時間は欲しい。アマオケの練習だけでは、感覚は研ぎ澄まされず、充実度もなかなか高まらず。
 練習する以上、発表の場も欲しい。でも、いわゆる打楽器アンサンブル、人も、楽器も沢山用意しなきゃ曲にならない・・・・でもそんな手間をかける余裕もない。ということで、今回の花博用に、3人の奏者という限定、さらにトラックを用意しないですむ、3台の自家用車で運搬可能な範囲、この楽器編成を条件に、アレンジをした。具体的に、鍵盤楽器は、ヴィブラフォンと、グロッケン(あと、クロマティック・カウベル、1オクターヴというのは変則的な楽器だけど重宝しました)。その他、ティンパニを使わぬ、ドラム系打楽器と小物。
 編成としては、ううん、やや淋しいか、でも花博用に自ら設定した条件では、可能な限りのことはしたつもり。


 本番1週間前は、公開リハーサルを以下のとおり予定・・・・・・

5/9(日)午前10時頃より正午前まで
 愛知県は、碧南市、碧南市芸術文化センターの「スタジオ」にて、「アンサンブル・センプリーチェ」の公開リハーサル
 ただし、雨天時は、外に向かっての扉の開放が出来ないので、「公開」はしません。また、隣の図書館さんからの申し出によっては、途中で中止になるかもしれません。まあ、碧南市民のみなさんが、本を読みにおいでのさい、偶然、珍しい打楽器のアンサンブルを発見するかも、といった程度の認識で考えています。翌週5/15(土)に、浜名湖花博での演奏を控え、野外でどれくらい音が飛ぶのかの確認をしたい、ということです。

・・・・・しかし、あいにくの雨天にて、公開は不可・・・・また、いつか、碧南の皆様の前にてご披露できる日を楽しみに。


  今後、センプリーチェ、どう展開するのか、尻つぼみか、まったく未定(「たぶん、だぶん」6/23付けのような個人的事情も不確定要素)。
  しかし、この貴重な体験をスタートに、我がHPにて、気軽な、少人数、少楽器で、効率的な、打楽器アンサンブルの形態を、提案、紹介できれば、と個人的には考えている(人数が多ければ多いほど、練習日程も組めず、細かな練習もできない。最小の人数、3ないし4で、可能なことを、実験しながら、この場でも伝えていけたら・・・。こんな形態が可ならいっちょやってみよ、と、他の同士諸君も、打楽器アンサンブルを気楽に楽しんでもらえたら幸い)。ただ、サポートして頂いているメンバーのこともあるし、自分自身のこともあるし、継続も、なかなか困難、生易しい試みではなかろう。
 ただ、今を逃して、この試みを実行に移す、人生上のタイミングはもう、・・・・。随分、自分も人生に追い込まれてきた、と感じているんです。人生、何事かをなすには、時間が足りなさ過ぎますよ。

(左は、普段の練習風景。私Msは、奥の方で、自前のVib.と戯れております。)

「たぶん・だぶん」「今月のトピックス」から再構成(2004.6.27 Ms)


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