【三日目 T】

 今朝は6時に起きて早速朝風呂へ。まだ朝早いせいか、広い浴場の中に
はほとんど誰もいませんでした。そんな中湯船に飛び込みましたが、昨日み
たいにものすごく熱いなんてことは無くて一安心。ただ、少しぬるかったの
が残念かな…。でもやっぱり熱いよりはマシですよね…。
 今日は時間に余裕があるので、風呂から上がったら食堂へ行ってゆっく
り朝食を食べます。洋食と和食がありましたが、自分は和食を選択。そして
しばらくしたら食事が運ばれてきました。定番のご飯にみそ汁は勿論、玉子
焼き・鮭・豆腐など、和食ならではの多彩なメニューでした。美味しかったの
は言うまでもありません。そんな中、何故に完全に浮いた存在になっている
サラダも入ってたのか…。

 そんなわけで朝食を平らげたらホテルを出て別府駅へ。本当に目と鼻の
先でした。
 別府での滞在時間もあとわずか。最後に訪れたのはまたもや駅前の手
湯。適度な温かさもあってか、ここのお湯は結構気に入りました。ここで手
だけでも入浴したところで別府駅の構内に入りました。かくして、別府での
時間は手湯で始まって手湯で終わる事に…。
【日豊本線 にちりん101号】(大分行き) 別府[7:41]⇒大分[7:53]
 予定よりかなり早く別府駅に着いてしまいました。8時32分のソニック1号
に乗って大分入りする予定でしたが、まだ1時間もある…。というわけで、
にちりん101号に乗車することにします。ソニックに押されて大分〜宮崎間
の運転となってしまったにちりん号ですが、この列車は中津発大分行きと、
大分県内で完結する運転区間となっています。したがって、宮崎県に入ら
ないというにちりん号では極めて異例の列車となっています。
 時間帯からして、大分への通勤客を運ぶための列車だと推測できます
が、今日は日曜日。一部の区画は部活の遠征に向かうと思われる学生達
が陣取ってましたが、それ以外は本当にガラガラ…。しかもこの列車は別府
を出ると次は終点の大分に停車するため、途中から乗客が乗ってくることは
一切無し!なので、座席を回転して4人分を独り占めしました。
 昨日この区間で別府湾の眺めを見たばかりですが、朝の別府湾も見たい
ということで左側に座ります。そして列車から見えた別府湾の眺めは………
昨日とほとんど何も変わってませんでした…。天候も昨日と同じだし…。
 こうして列車は大分に到着。車内の写真で気付かれた方も多いでしょう
が、この列車は485系が充当されています。予定変更で乗車できたので、
かなり運がいい………というより、実際はこの列車に乗りたいがために予
定を変更したわけですが。ちなみに485系の乗車予定は旅行前ににちりん
5号で組んでいたんですが、その列車がダイヤ改正で見事に大分始発にな
ってしまったがために乗れなかったわけです。
 予定より1本早い列車に乗車したため、大分駅での滞在時間が長くなって
しまいました。というわけでここは列車の撮影や駅の中をうろついたりして時
間を潰します。よく考えればもうすぐゆふDX2号が発車する時間なので高架
ホームへ。すると程無くして列車が入線………ってまだ発車まで20分もあり
ます。それにホームも違うし…と思ってましたが、実は回送列車だったよう
です。ちなみに実際の列車はその10分あまり後に入線しました。回送列車
は6番のりばに停車したので、編成写真も頂いちゃいました〜。
 ゆふDX2号の発車を見送ったところで改札を出ました。駅前にはターミナ
ル駅らしく駅前広場がありました。そしてその奥にはヤシの木が…。ヤシの
木は南国にあるというイメージが強いので、これを見ただけで随分遠くに来
たような気がしてきました。もっと南にいけばヤシの木がわんさか見られそ
うですけどね。
 何もすることが無いのでとりあえず駅のコンコースへ。そこでは大分駅高
架フォトコンテストという催し物をやってました。ちょうど暇を持て余していた
のでいい暇潰しになります。幾つも展示してある写真を見てみると、やはり
高架化を記念した写真展とあってか、高架化関連の写真ばかりでした。しか
し鉄道の写真も数多くあり、なかなか楽しめました。その中には勿論寝台特
急「富士」の写真もありました。ちなみに最優秀賞の写真も寝台特急「富
士」の写真だったり…。
 再び駅のホームに戻りました。ふと列車案内を見てみるとソニック16号の
案内がありました。「特急白いソニック16号」と表示されてあるってことは、こ
の列車には885系が充当されるということが証明されています。なるほど、
同じソニックでも883系と885系は編成両数とかが違うので、利用客に分か
り易いように…といった配慮なんですね。ちなみに883系の場合は「青いソ
ニック」と表示される………なんてことはありません。
 そういえば白いソニックはこの旅で3回乗車予定を組んでいたんですが、
相次ぐ予定変更により、結局乗らずじまいになっちゃったんだよな…。。。
 まだもう少し時間はあるので残りの時間は列車撮影に一石を投じることに
しましょう。大分地区のローカル列車は815系が中心なんですが、こちらの
ホームには811系の佐伯行きが停車していました。この辺では珍しいと思っ
たのでとりあえず撮影したんですが…。大分地区での811系運用が先日の
ダイヤ改正で新しく誕生したことを知ったのはそれから数日後のことであり
ました。
 この時間帯は9時9分ににちりん2号が入線し、その1分後ににちりん5号
が宮崎方面へ出発と485系がまとまって撮れる時間となっています。しかも
2号に関しては昨日宮崎へ下っていく国鉄色編成を見たので期待できるか
も。…と思ってましたが、来たのはカラフルなきりしま&ひゅうが編成…。こ
りゃあ国鉄色編成は今日は車庫で休んでるか「きりしま」運用で鹿児島方
面へ行ってるかのどっちかだなぁ〜…。
【久大本線 トロッコ列車】(由布院行き) 大分[9:23]⇒由布院[10:52]
 そろそろ列車の時間なので気持ちを切り替えて高架ホームへ。これから
久大本線に乗るわけですが、この時間帯は由布院へ向かう列車は鈍行列
車ばかり。でも、ごく普通の鈍行列車でのんびり由布院へ…。というのは面
白味はないです。次に乗車する列車はご覧の通り。
 というわけでここからはトロッコ列車での旅路となります。この列車は全車
指定席なんですが、1つ疑問が。両端の車両は指定席なんですが、トロッコ
の方はどうなんだろう。もしかしたら指定券を持っていればどこでも座れるか
も…。と思って聞いてみたんですが、トロッコの方も指定された座席番号が
あるんだとか…。ちなみに自分の席は右側で、乗車率は座席の半分が埋ま
るといった程度。
 そんなわけでガクンと大きく揺れたら発車。しばらくは住宅地をコトコトと走
りますが、トロッコ列車が住宅地を堂々と走るのは何だか面白いです。てい
うか、その前に新しくできたばかりの高架線を走る光景の方が違和感全開
なんですが…。
 最初の停車駅は南大分。反対側のホームでは大分の中心部へ遊びに行
くと思われる人達が列車を待ってました。そして列車が到着してから30秒く
らい後にキハ125がやって来ました。窓の無いトロッコ列車で対向列車とす
れ違うとなると不思議と対向列車を近くに感じる。
 それから向之原でも列車交換。さっきの列車は真っ黄色だったんですが、
今度は真っ赤なキハ220…。しかもJR九州で最近流行っているドデカい前
面方向幕を装備した車両でした。さっきの列車と同じく大分へ遊びに行くと
思われる人達が結構乗ってきて、しかも列車は1両なのでかなり混んでる
んじゃないかと思われます。
 やっぱトロッコに乗っていると風が直に当たって気持ちいい〜!うむ、トロ
ッコ列車の醍醐味は肌で味わわないとな。ただ、ずっと乗っていると吹いて
くる風が気持ちいいを通り越して冷たくなってきたのが気になる。あまりに気
になったら待機車両であるキハ58に移動するのも手ですが、さっき行ったと
ころ自分の席は進行方向の反対側という事実を知ったんで…。結局この後
待機車両に移動することはありませんでした。
 言うほど混んでるという様子でもないんでちょっと車窓左側にもお邪魔す
ることに。なんかこっちの方が格段に眺めがいい…。まぁ座席番号の振り分
け方が全く分からないまま指定を取った自分が悪いんですがね…。でも分
かんなくて通路側や進行方向の反対側を取らなかっただけでも良しとしまし
ょう。乗るだけで満足してるんですから…。
 小野屋に停車。しかし時刻表を見るとこの列車は小野屋を通過していると
いうことになってるため、列車交換のための運転停車でしょう。そして対向
列車のゆふ1号はそのまま通過していきました。こっちは快速列車、向こう
は特急列車なのでこっちが待つのは優先順位からして至極当然のこと。
 そしてこのゆふ号ですが、列車ごとに隔日でゆふDXと入れ替わりで運用
されています。これはゆふDXの車両が1編成しか存在しないための措置
で、そのためややこしくなってます。両列車で設備があまりにも違いすぎる
ため時刻表にゆふDXの運転日がちゃんと記載されてるんですが…。つま
り、さっき大分駅で見た2号がゆふDXだったため、この1号は「ゆふ」である
ことが容易に分かるわけです。そういえば昨日の1号は確かゆふDXだった
し。それにしても、ゆふいんの森といった観光列車が台頭している中でこの
ゆふ号は地味な存在ですね…。
 真っ暗で全く見えなくて申し訳ないんですが、トンネルの中を走行中に撮
った写真です。列車はさらに山深いところをコトコト走り、しばしばトンネルに
も入るように。で、窓を開けて車窓を味わっている時はトンネルでは窓を閉
めるというのが原則ですが、当然こういった列車に限ってはそんなこと全く
通用せず。普通にトンネルの強い風圧を満喫しました。
 そんな感じで列車は南由布に到着。ここまで来ると由布院はもうすぐで
す。そういえばこのトロッコ列車は由布院とこの南由布で折り返すピストン
運用が大多数です。その場合は待機車両もトロッコ車両も自由席になるの
で指定料金を払わずに乗れるんですが、片道10分以下は満喫するには物
足りない…。なのでこの大分〜由布院を走る直通便を選んで1時間以上も
トロッコの乗り心地を堪能させてもらっているわけです。
 南由布を過ぎると車窓に飛び込んでくるのは由布岳。曇って霞んでいるの
が少し残念ですが、いや〜壮大ですね。こういった車窓をじっくり、そしてク
リアに味わえるのもトロッコ列車の強みだと思います。
 こうして列車は由布院に到着。大分〜由布院は鈍行列車なら1時間くらい
ですが、トロッコ列車の宿命なのか1時間半で走破しました。まぁこういう列
車は乗ること自体が楽しみなので時間なんて全く気にならない。というより
もっと乗っていたいと思うほど満喫しちゃいました。それにしてももうすぐ4月
だというのに何だこの寒さは…。この1時間半ずっと風に当たり続けたので
手が思いっきりかじかんじゃいました。。。というわけで、トロッコ列車への乗
車は暖かい日にすることを強くオススメします。。

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