【一日目 T】

【横浜線】(東神奈川行き) 片倉[4:56]⇒新横浜[5:38]
 朝4時に起きて、眠い目をこすりながら夜明け前の片倉駅にやってきました。
こんな時間なので、コンコースにはほとんど人がいません。改札口に周遊きっ
ぷを通した瞬間、4日間に及ぶ長い旅路がいよいよ始まりました。
 最初に乗車する列車は横浜線の朝一番の電車。予想通りの乗車率だった
ので、車端部の座席に腰掛けました。さすが首都圏、こんな早朝でも駅に到
着するごとに乗車率は高くなっていき、町田を出た頃には満席、立ち客もちら
ほら見えるほどに。
 新横浜に到着。ここで東海道新幹線に乗り換えるため下車します。やはり新
幹線に乗り継ぐ客は多いようで、たくさんの人が新幹線のりばへと向かってい
きました。

 改札に入る前にある売店で駅弁を買い、改札を通ってホームに上がります。
ちなみに混雑緩和のためか、1〜8号車と9〜16号車で改札が分かれていま
した。指定された号車は12号車だから右だな!
 ホームに上がるとひかり493号が停車していました。唯一の新横浜始発の
列車で、車両もひかり号にしては珍しくN700系が使用されています。通常の
場合、東海道新幹線における列車の優先順位は「のぞみ>ひかり>こだま」
となっているので、その真ん中にあたる「ひかり」運用に最新のN700系が入
ってるということは、「N700系も随分増えたな〜」という印象を抱いてしまいま
す。
 さてさて、次に乗る列車はのぞみ99号です。写真はひかり493号の発車後
に撮ったんですが、列車案内が見事に黄色の「のぞみ」に染まっています。そ
んな「のぞみ」運用ですが、急激に増えたのが品川駅開業前後なので、こち
らも最近になって随分増えました。
【東海道・山陽新幹線 のぞみ99号】(博多行き) 新横浜[6:11]⇒小倉[10:33]
 そして朝日に照らされながら、のぞみ99号がホームに滑り込んできました。
ちなみにこの列車、N700系が登場したのと同時に設定されたんだそうです。
 指定された12号車15番E席に着席。30〜40代くらいの女性と相席になりま
した。乗車率は通路側やB席にポツリポツリと空きが見られる程度。春休みの
旅行シーズン真っ只中ですが、平日で早朝だったのか、満席ではなかったよ
うです。
 落ち着いたところで朝食。売店には「チキン弁当」と書かれた札があったの
でチキン弁当にしようと思ったんですが、「10時からの積み込みなので…」と
言われたので、結局オーソドックスに幕の内と。。自分の性格上、幕の内弁当
はあまり食べないので慣れない…。ですがおかずが多く、味もなかなかでし
た。たまには幕の内もいいもんだな。
 三島を過ぎた辺りから車窓右手に富士山が見えるというのは有名な話。天
気もいいので期待していたんですが、よりによって頂上付近だけ雲に隠れる
とは…(涙 そのせいで正直言ってイマイチな写真になってしまいました。。。
 その後も西下するにつれて雲が多くなり、浜松通過時には完全に陽が差さ
なくなってしまいました…。そんな中、列車は浜名湖を渡ります。ここは海みた
いな湖で、特に車窓右側だったら「あれ?山側なのに……海!?」というちょ
っとしたネタが汲み取れます。
 三河安城を通過してしばらくしたところで名古屋駅の到着アナウンス。そして
列車は減速、名鉄電車とセントラルタワーが見えたところで名古屋に到着しま
した。ここで乗客が入れ替わりましたが、どうやら乗る人の方が多かったよう
で。僅かにあった空席も埋まり、車内はほぼ満席になりました。
 相変わらずの曇り空のまま、岐阜羽島を通過。それから程なくしてSANYO
のソーラーアークが見えました。何と言うか……非常に独特な形をしてますよ
ね。。周りの風景とのバランスがとれてません。
 やがて列車は関ヶ原越えに入ります。ここは冬場はかなりの積雪量なの
で、東北・上越新幹線とは違ってしっかりした寒冷地対策が施されていない東
海道新幹線はここで足止めを食らって遅延、というのがしばしばあります。

 その関ヶ原越えの辺りから車窓には雨粒が…。「山の天気は変わりやすい
からかなぁ〜」と思ってたんですが、峠を越えて米原を通過した頃になっても
雨は降ったまま。不思議に思って大阪の天気予報を見てみると曇り時々雨。
今回訪れる場所じゃないにしろ、少し不安になってきました。
 ですが京都に近づくにつれ雲が取れ、青空が広がるようになってきました。
岐阜と滋賀の県境にだけ雨雲が停滞していたようです。そんな感じで京都タ
ワーとバカでかい駅ビルが見えてくると京都に到着。京都駅ビルですが、デ
ザインはとても好きなんですが、それが古都である京都になると「う〜ん…」
という印象が先行してしまいます。どちらかと言うと、京都より人口が多い大都
市(例えば京都の近くだったら大阪)に近いような感じがします。
 京都を出てから程無くして新大阪に到着。新大阪は大都市である大阪の近
くにある新幹線駅なので、当然乗降客はかなりのもの。予想通りここで大量
下車&大量乗車があり、相席になっていた女性もここで降りました。
 新大阪からは山陽新幹線に入ります。従って、管轄もJR東海からJR西日
本に変わります。新大阪までは帰省とかで何度も訪れていますが、ここから
先の乗車はほとんど初めてです。赤ん坊の頃に乗った事自体はあるかもしれ
ませんが、そんなこと今まで覚えてるわけがないので…。

 新大阪を出てから、早速山陽新幹線でしか見れないひかりレールスターと
すれ違いました。
 新神戸に到着。のぞみ号を含め全列車が停車する駅ですが、シンプルな2
面2線構造となっています。そして、トンネルの間に位置しているため、トンネ
ルが多いという山陽新幹線の特徴をよく表している駅だと思っています。
 姫路付近で223系の新快速と並走しました。在来線で移動するときに新快
速に乗る、もしくはそれより遅い快速とかに乗るとやっぱり新快速は率直に
「速い」と感じます。しかし今回は新幹線から新快速を眺めているので、こっち
が速すぎると分かっておきながら逆に「遅い」と感じてしまったり…(笑
 岡山の市街地が見えてきました。岡山は2年前の旅行の時に訪れました
が、JR線の撮影に時間を使ってしまい、市電は未撮影といった今となっては
お粗末な結果に…。。だから今度訪れる時は路面電車を撮影したり、観光し
たり…。と、そんな事を考えてるうちに列車は岡山に到着。ここでも乗客が入
れ替わり、相席となった人も入れ替わりました。
 岡山の次の停車駅は広島。その広島に到着する直前に東区役所が見えま
した。区役所というのは、その市が政令指定都市であるという証拠です。ちな
みに広島には原爆ドームに宮島の厳島神社と、2つも世界遺産があるので、
観光客にとってはとてもおいしい場所でございます。
 長閑な風景の中を走ります。ここはのんびり写真を撮りたいところですが、こ
こは新幹線。相当速く通過するので、撮影にはかなりの神経が必要になりま
す。特にトンネル続きの山陽新幹線だったら、トンネルから出てもまたすぐにト
ンネルということがしばしばありますし…。そんな中、奇跡的に撮れた1枚で
す。
 ダイヤ改正から停車するようになった新山口に到着。やはりSLのお膝元で
あるせいか、到着直前には扇形庫が見えました。見た感じだとキハ40ばかり
で菜の花畑のような陣容ですが、真ん中に12系客車が1両だけポツンと…。
おそらくはSLの控車だと思いますが、気になります。
 本州最西端の新幹線駅の新下関を通過。そして通過直後に新関門トンネ
ルに入ります。このトンネルを抜ければ九州入り!ということでテンションが上
がってくるところなんですが、4時間も同じ列車に乗り続けたら疲れるわけ
で。。。とてもそんな気分にはなれませんでした(汗 いわばエコノミークラス症
候群になりかけている状態です。
 そして新関門トンネルを抜けました。これが九州での初カットとなります。九
州入りした感想ですが、「あっけない」でしたね。。それはやっぱり新幹線だっ
たからでしょうか。在来線の方が九州入りした実感が出るというのが結論で
す。
 九州入りした頃にはもう小倉到着のアナウンスが流れていました。僕も小倉
で降りる予定なので下車準備を始め、ドアが開くと同時に新幹線を後にしまし
た。こうして九州に上陸したわけですが、まだ新幹線のホームにいるので駅
名票はJR西日本のもの。まだまだ実感はあまり出てきません。
 新幹線の改札を出て、足早に在来線のホームに向かいます。ここからはJR
九州を利用するので、周遊きっぷのゾーン券で改札に入ります。実質的な九
州上陸はゾーン券で改札に入った瞬間と言ってもいいでしょう。ホームに着く
とJR九州の車両がお出迎え〜。僕としてはまさに「未知との遭遇」です。そう
いえばここらでようやく九州入りした実感が出てきました。

 さてさて、次に乗るのは列車案内の中段に表示されている門司港行き。ここ
から本格的な旅が始まるということで、ワクワクしてきます。

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