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Part13   10月の独り言



11/10/31 (月)  今月も良かった・・・


金田一博士が明治39年に来道され・・・翌40年に樺太の踏査をされ・・・
明治45年(大正元年)まで悶々とした日々を過され・・・
アイヌ民族研究の道を開かせた拓殖博覧会
そこで出会ったコポアヌという・・・生粋のアイヌカッケマッ

嘘の無い代々受け継がれた伝説・伝承が今将に・・・消えようとしている危機感
でも、それを受け継ぐ若者が居ない・・・居ても紛い物(*^_^*)
矢張り、文字で残すしか無いだろうと感づいていた・・・

そこで余りにも熱心にアイヌ語を聞く人が居るので・・・果たして信用出来るか?
アイヌの秘密を話す以上・・・曲げられては拙い
そこで・・・彼女は、根ほり葉ほり窺ったと思う・・・そこでトンナイチャの酋長の名を出した。
それなら・・・信用しようと云うことになったかも・・・アイヌの酋長の信頼は絶大

今回、お粗末ながら解読した・・・オチョポッカの日記・・・
クサエと云う人物から何かを筆録している?・・・ラマンテは方便?
そこを知りたくて・・・今回コピーしてきたんです(*^_^*)
でも、博士を責める気は全く無く・・・アイヌ社会では情報が酋長レベルで通じていた。
蝦夷の都・・・沙流の人の信用を得る為の方便だったと思う。

ユーカラと云うのは、男がやるもので・・・決して女はやらない
その代り・・・メノコユーカラと云う語彙を解放した分野で女は納得していた。
紫雲古津のコポアヌは、それを徹底していた。
ユーカラと云うのは、奇跡的に残ったワカルパ翁の11曲・・・
樺太アイヌの間では、ツナレの方が有名であったらしい。

虎杖丸を超える・・・鹿の皮衣・・・何となく胡散臭い(*^_^*)
長ければイイと言うものではない・・・伝説

虎杖丸の曲でメヨイとケチャウと云う・・・不思議な言葉をアイヌも知らない
それをそのまま伝えたのがワカルパ翁・・・
アイヌの儀式で出来ないかも知れないが・・・百回忌をやって上げたい
 


11/10/30 ()  さぁーて今日は・・・


朝ご飯食べて・・・道立図書館に行って明治40年の樺太筆録と・・・
Wakarpa/Forkroreのカムイユーカラなどを除いて全部コピーして来よう
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今月のスパムを記録しておこう・・・
今月は、大猟で韓国6個 アメリカ1個 中国1個 日本2個・・・計10個  累計168個
今年中に200個行かないな〜(*^_^*)
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9時〜11時45分・・・207枚A3版でコピー
樺太関係125枚  ワカルパ関係82枚・・・コポアヌのHemnoyeもついでに(*^_^*)
ユキのHennoyeとコポアヌを較べてみようと思って・・・
博士は徹底的に紫雲古津に力を注いでいたこと分る
何と言ったって30歳代の尤も仕事が出来る時で頭も冴えている時ですもんネ〜
でも、コポアヌと云う人は、凄い女性だと思う・・・アイヌの女を見事に表現している。
そして、アイヌということに誇りを持っている・・・毅然としていてイイな〜(^o^)
博士がイムーバッコ(イムーをする婆さん)と親しみを込めて呼んでいる。

博士は、オチョポッカで子供達とサキを画いているがその中で一番美しさが分かるのを
ご披露いたしますか・・・明眸皓歯(めいぼうこうし) 柳眉(りゅうび)(*^_^*)
 


11/10/29 (土)  明日は休み


明日は、道立図書館に行ってWakarpa/Forkroreをコピーして来よう

アイヌ文化の概要を教えてくれたワカルパ翁・・・アイヌのデータベース
ここまで辿り着けたこと・・・何か不思議な気持ちがする。
 


11/10/28 (金)  検索CGI・・・


先日、インデックス式のものをインストールしてみたが・・・サーバでは許可してないようで
今のもので当分凌ぐしかないみたいだ(*^_^*)
ローカルのサーバをLinuxで起動したときに使えそうだ・・・
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先月と今月で金田一博士の踏査が見えてきて・・・アイヌ文化曼陀羅も
イメージが固まりつつある・・・来月は、シヌタプカを全国に発信する作戦の
準備段階に入ろうと思っている。
 


11/10/27 (木)  金田一博士の筆録ノート・・・


これを全て公開すると・・・今までのアイヌ文化に対して云われてきたこと・・・
全くリセットして・・・一から出直すことになるのでしょう(*^_^*)

金田一博士のものは、訳す人居ないだろうと思われていた・・・私もそう思った。
しかし、生きてる間にSamputunkukuだけでも読んでみたいと云う・・・強い決心
目標が決まれば・・・案外、全神経を集めて突進するものなんですネ(*^_^*)

その前にする準備・・・淵に挑むに網を持たずに行くと頓死する教訓あるから・・・
その淵が分らないのに・・・先ず準備をした。
そうしないとチャンスの前髪を捉えられないから・・・(*^_^*)
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今度休み30日に道立図書館に行ってWakarpa/Forkl\rore1〜3の
気になっている所コピーしてこようと思っている。

筆録ノートのワカルパ翁が博士に伝えたことは、アイヌ文化を俯瞰的に説明している。
真のユーカラ・Hau・サコロペ・カムイユーカラ・アイヌの家系図
カムイノミ・・・概括的に網羅していて・・・コポアヌ媼がメノコユーカラを伝えた
これは、ワカルパ翁立ち会いで行われたと推測する。

ワカルパ翁と云う人は、本当に賢者だったんだと思う・・・
博士は、アイヌのホメロスと表現しているけど・・・私は同時に哲学者だと思う。
矢張り、其れだけの人物が一人も居なかったんでしょうネ
でも、それが残ったってことが・・・日本の宝だと誰も気が付かない。
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今、テレビで話題になっている南極探検・・・
最初の白瀬中尉の探検に樺太犬の係で行ったのが山辺安之助
100年前・・・オチョポッカの日記に出てくる大男・・・
 


11/10/26 (水)  覆舟変化物語・・・


昨日、4時半頃・・・道立図書館から電話が入ったが・・・寝ていて女房が受けたらしい。
夜勤なものだから・・・この時間に起きたら睡魔に襲われるので・・・起こさなかった。
今朝、9時過ぎに電話する・・・

もう少し調べてみないと解らないそう・・・来月の中旬までかかるかも知れないと・・・(*^_^*)
全然構わない・・・在ればそれで良い(^_^)v
短篇の方であるから・・・後回しに成ったと思われます。博士は長い順に訳されたみたいだから(*^_^*)

平取町からも・・・一切メールの返事こないので・・・来年、自分で捜そうと思う。
何回か足運ぶと・・・ワカルパ翁が逢わしてくれそうな気がする・・・(*^_^*)
そうしたら11曲全部、血縁の方に訳文渡すことできる・・・
それが一番イイ形なのかも知れない。
蘇りを信じて和人に託したワカルパ翁の遺志に報いることに成るのかも知れない。
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国立図書館に無くてトンデモない所に在ったら笑っちゃうネ(*^_^*)
ユーカラノートの原本が何処にあるのか?・・・解るかも知れないと思うと・・・
何かワクワクしてきますネ

金成マツさんの原本が二風谷の某アイヌ博物館に収蔵されたこと・・・
何方かの本で知っていたので・・・恐らく平取町からは、メールの返事が来ないだろうと
穿った考えが見事に的中してしまったのは・・・複雑な気持ちがする。(*^_^*)

博士の筆録ノートの中で昭和43年10月14日に或る人とWen darap yukaraを読み
その人が " anu ushke an ! "と云って絶賛したとメモしている・・・
その他は何も書いて居ない・・・(*^_^*)
普通は、確か誰から聞いた話だと・・・云う筈、アイヌだったら(*^_^*)
 


11/10/25 (火)  筆録ノート


2008年6月6日、アイヌは先住民族として国会で決議された・・・

金田一博士のアイヌ研究には、人種的な問題も視野にあったこと・・・筆録ノートから解る
言語学だけでは無い・・・民族の歴史としての側面も知りたかったのだと思う。

それには、指導的立場の人達が受け継いでいる伝承にヒントが在ると考えておられた。
言語学上、日常の生活の言葉の他に・・・社会を統制するための雅語の存在に気付く
それを全部教えてくれたのが・・・ワカルパ翁であった。
ワカルパ翁の筆録の中にHauが一曲紛れているが・・・
ワカルパ翁は、Hauとは使っている言葉は、同じでもOtashutunkurのものを云うと
丁寧に説明しているんです。・・・それは、ユーカラでないと

でもその時は、未だ博士は科学者だから疑念を懐いていたと思う・・・性
大正3年の春から足りない部分をコポアヌのメノコユーカラ・タイアノシのウゥエペケレ
大正4年踏査費用がどうやら道庁から出たので敢行して
もう一度樺太と紫雲古津に採集を求めたんだと思う。

それも筆録という・・・苦行に近い方法で・・・
筆録を見ると・・・ワカルパ翁とコポアヌ媼のは、比較的綺麗な筆跡です。
本来は、四拍子でリズミカルに演じられるものだから・・・筆録の方が大変
それを、筆録のスピードに合わせるだけの特技を持っていたと云うこと
それと、ハッキリ発音してくれたと云うこと・・・

アイヌの人達は、沙流の言葉のユーカラ・メノコユーカラ・オイナ・カムイユーカラの
民族の原典を知らねば・・・迷うばかりだと思う。
 


11/10/24 (月)  頑張った〜・・・(*^_^*)


昨夜のPM9:00から南極大陸がテレビで放映されること忘れていて・・・見た

樺太犬が出てくるので・・・丁度、オチョポッカの日記を書いていて見逃せないもの・・・
あの大きな真っ黒のワンコ・・・子供の頃、触らせてくれた大人しいワンコ
大男の安之助でも吠えられて戻ってきたと云う・・・力の強いワンコ
オチョポッカの日記に出てくるワンコは、その大きな犬として想像して欲しい(*^_^*)

それで、10時から今朝の7時15分を以て・・・9月一日まで
書き終えた・・・(*^_^*)
ファイルサイズ・・・45.5KB 思ったより軽かった(^_^)v
この後にラマンテが来るのか?・・・
金田一博士の踏査は、色々な修羅場を潜り抜けた記録でもあるので・・・
子供達には、想像力を鍛える格好のものだと思う・・・冒険心
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生きるって競争ではなくて・・・戦いの連続だと教えている博士・・・

ユーカラも同じ事を教えている・・・自分で限界を云ったら負けで・・・
自然界では、それがルール・・・負けたら食べられてしまう

タイでも水害・・・信じられない自然現象が牙を剥くと・・・悪魔的な力を出す
自然界に無い核物質を作り出した人間・・・その毒で自ら滅ぶのかも知れない。
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この明治40年のオチョポッカの日記・・・大正4年の紫雲古津の日記
それを明らかに出来たのは、本当に良かったと思う。

金田一博士の筆録には、時の酋長クラスから直接、筆録出来た重みがある。
社会構造が見えてくるものだとも思える。
曼陀羅を構成する金剛界(男しか出来ない部分)が網羅されているから・・・
カムイユーカラ(神謡)だけでは、曼陀羅の極一部であって・・・
アイヌの世界を覗くことは出来ないと思う

その男のユーカラがワカルパ翁の11曲のユーカラだけだと解った今
未訳の覆舟変化物語の翻訳は、必須要件だとも思う
金田一博士は、そのことに気が付いてオイナとユーカラに全力で当たった
そして、奇跡的に救われた・・・これが真相だと思う

オチョポッカの日記で解ったことは、酋長は、絶対的な権力を持っているのでは
なくて・・・その秩序を守る知恵(ratchi irenka=穏やかなる裁量)の持ち主
ポイヤウンペと同じ力を持っていたポンケマラッキ・・・
戦うと両方が倒れ・・・アイヌ全体の為にならないと逃げた・・・
ユーカラは、少年英雄が戦って敵の姫と仲良くなって凱旋するなんて・・・
そんな安っぽいものでは無いことハッキリしている(*^_^*)
 


11/10/23 ()  さぁーーー頑張るぞ !! (*^_^*)


オチョポッカの日記は、アイヌの信頼を得て・・・筆録出来ることがどれだけ大変か
そして、真剣勝負か・・・と云うことを骨の髄まで染み込んだ体験であったこと

大正2年のワカルパ翁の筆録に生かされている・・・博士は、矢張り凄い人だ。
ただ、一つだけ気になっているのは、八月十一日のクサエから筆録したもの
トンナイチャのラマンテから筆録したとされるハウキ・・・そこいら辺が???(*^_^*)

金田一博士って・・・憎めない所あるんですよネ〜
サキと云うピリカメノコに心が行っていたのを正直に日記に書いている・・・(*^_^*)
偶々、クサエと云う人から筆録出来たので・・・帰ってから隣村の酋長から
筆録したんだと・・・箔を付けた?・・・資金を出して呉れた人の手前?(*^_^*)
そこいら辺が怪しいから・・・ずっと尾を引いて・・・知里博士が作り話と云ったかも・・・(*^_^*)

でも、そうだとしても許せる・・・負け犬ではない弱点をさらけ出している
博士は、ワカルパ翁を迎えたのは、31歳、片やアイヌの天才50歳・・・
その出会いの辞と云うのは、本当のことだと思う・・・
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PM9:00八月廿四日・・・スタート!
 


11/10/22 (土)  ようやく分った・・・(*^_^*)


覆舟変化物語(Sampshipupshi)がWakarpa/Yukara-2に入っていたこと分った・・・
第2冊目のノートは、道立図書館のマイクロフィルムには入っておらず・・・
捜しても無い筈だわ ! (^_^;)

Wakarpa/Forkrore-3に筆録した目録を見つけ・・・今日図書館に行ってきた・・・
國學院などから取り寄せ出来るか?・・・お願いして帰ってきた。
ワカルパ翁のユーカラは、全部訳して読んでみたいですからネ
百年目にしてようやく・・・ワカルパ翁の残されたものの全容が解ると思うと
何かしら感無量と言った感じで・・・心が嬉しい(^O^)

Wakarpa/Forkroreを読むと、アイヌ文化とは?・・・が解るような気がする。
そして、金田一博士の研究の目的も見えてくるような気がする。

連休の明日・明後日でオチョポッカの日記に全力投球をしよう・・・
随筆では解らない・・・イメージが展開されるので・・・これ又、楽しいです。
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でも、ワカルパ翁とか紫雲古津の人達が残されたものって・・・
余りにも凄くて・・・現代のアイヌの人達が理解出来るだろうか?
そして、受け入れるだけのキャパシティあるのだろうか?

金田一博士が自ら傾倒したと言わしめるワカルパ翁の凄さを解るか?
黒川ツナレも樺太アイヌには、有名だったようであります。
そう言った・・・アイヌの世界を網羅している金田一博士の踏査記録
 


11/10/21 (金)  サイト内検索・・・


現在使っているサイト内検索CGIの精度が少し悪いので・・・捜してみると幾つか見つかった
アイヌ語雅語辞典なるものが無いので・・・何とか使用に耐えうるものをと考えたから(*^_^*)

これを使い易くしておけば・・・何方でも沙流のユーカラ群を読めるようになる。
画期的なことなんだけど・・・アイヌ文化に興味ある方、利用してくれるか?

アイヌ文化・・・ユーカラ群の体系化の最重要部分(バックボーン)がワカルパ翁のユーカラ
その曼陀羅図が固まりつつある・・・(*^_^*)
そうすると思考が一気に拡がりをみせて、展開していくと思われる
一人でこつこつ研究されている方いらっしゃると思われるので・・・
情報交換をして助け合うと、楽しさが増すと思う

そして、アイヌ文化の蘇りの知恵が生まれると思う・・・
 


11/10/20 (木)  アイヌ文化の体系化・・・


ワカルパ翁が金田一博士に伝えたものが基本になり・・・その周辺を
紫雲古津の人達が埋めて・・・曼陀羅が浮かび上がる・・・

引くこともない・・・足すこともない・・・そのままの姿・・・
チャランケ(論争・裁判)にまで影響しているカムイオイナ・ユーカラ(男の)・・・
それらがまるで密教の胎蔵界と金剛界のように有機的な曼陀羅を構成しているのを
表現してみたいと思っている

路半ばにして完成に至らなかった金田一博士の情熱を受け継ぎ・・・
稚拙でも研究の道筋をつけるだけでも・・・役に立てると思っている
何しろ・・・膨大なので一人では無理なお話・・・(*^_^*)

オチョポッカの日記は、今度の連休に一気に行こうと思っている
 


11/10/19 (水)  オチョポッカの日記


オチョポッカの日記・・・今日は休み(*^_^*)

今月一日から始まったオチョポッカの日記の解読・・・
今月の連休23・24日に終えることが出来るでしょう。
言語学者の文章だから・・・凄く興味があって続いているが・・・博士が東北人というのもある

先月、筆録ユーカラノートを整理してみて・・・全体像が見えてきたのは大収穫だった。
いつのまにかカムイユーカラがアイヌの思想を代表しているかのようになってしまった。
そうではなくて・・・アイヌ文化の曼陀羅の一部であって・・・子供の情操用

その曼陀羅を三年目に明らかに出来ると良いのだが・・・(*^_^*)
その為には、樺太のハウキとワカルパの伝承が鍵に成ると思っている。
 


11/10/18 (火)  オチョポッカの日記


今朝のAM4:00までやって八月二十三日まで進んだ。
これからがクライマックスで長いんです・・・(^_^;)

今まで中で、博士は子供達からyayan itak(日常語)を採集していたこと分ります。
樺太のユーカラ(ハウキ)はatomte itak(雅語)を使っている為に訳せなかった。
大正元年の上野で開かれた拓殖博覧会で樺太アイヌに逢えて訳せた。
全体は解っていたけれど・・・一語でも分らない場合、プロは公開出来ない。

ワカルパ翁の「虎杖丸の曲」の筆録は、それを防ごうとして筆記した跡が生々しい
それで無ければ・・・精確に残らないと云うことでしょうネ

久保寺博士は、コタンピラから長いものを筆録して手に豆が出来て・・・潰れ
酷い目に逢ってから専ら録音機を利用するように成って・・・
106扁のカムイユーカラを残した・・・エテノアのが多い(*^_^*)

筆録をすると云うのは、その発音を聞き取れる聴覚の鋭さを示していること・・・
録音技術が優れていれば再生時に間違いは無いと思うけれど
果たして・・・その当時のものは、どうなんだろう?

金田一博士の筆録は、樺太のハウキに始まって・・・紫雲古津のユーカラ・メノコユーカラ
カムイオイナ・カムイユーカラ・カムイウパシクマ・・・シノッチャ・・・
殆ど網羅しているということなんですネ

考えてみたら分るんですが・・・金成マツさんのユーカラと云われているもの・・・
知里幸恵のカムイユーカラって自分の創作であって作品なんです。(*^_^*)

アイヌの伝承(Ainu Forkrore)は、アイヌ全体の伝承であって・・・ワカルパ翁が残した。
伝承と云うのは、創作ではない・・・民族の宝 準拠枠(アイデンティティ)

それがいつの間にか・・・アイヌは、和人に差別を受けて苦しみ・・・土地を返せと成った。
戦争に負けたが為・・・ロシアに不当に占拠された北方領土って同じか?
Googleの地図を見たら・・・決してロシアの領土では無いこと明白です。

人間は昔、自然の力を畏怖していた・・・それを科学の力でねじ伏せると勘違いした
近代の人間・・・笑うことを忘れた人間・・・可笑しさというのは、人間の愚かさ
その愚かさを一寸昔は、愛して笑い飛ばしていた・・・
愚かなのに・・・利口ぶる人間・・・それが現代の行き詰まりを招いている

ヨーロッパ・アメリカ・中国・中東・・・世界中何処でも危機である・・・
何故かと云えば・・・人間は本当は馬鹿なのに利口な振りをする動物だから
素直になれば良い・・・働ける体力とか知識があるのに・・・働けない時代

仕事の分化が進みすぎるとそうなのかも知れない・・・
それと品質管理とかが云われて・・・物を造るのに規制がしかれて・・・
100円ライターは今や腹が立つほど使い辛くなり・・・物を扱うのは自己責任
日本刀を振り回すには、鍛錬が必要でイキナリ振り回すと自分を傷つける
品質管理なんて馬鹿げた妄想で・・・天災に襲われた時
生き抜く物を造るのが本当の品質管理・・・(*^_^*)

アイヌの場合は、何をやるにも自己責任・・・狩猟民族だから・・・
刃物は、使い慣れないと自分を傷つける・・・火も同じ危険性がある
核物質でない限り・・・使用者の自己責任だと思う・・・生きるために必要なもの
包丁とか刃物・・・火を扱う知恵・・・それを身につける必要がある

子供が悪戯して痛い目に逢う・・・それで良いのだと思う・・・(*^_^*)
順風満帆・・・とは人生ナカナカ行かない・・・
 


11/10/17 (月)  ユーカラの勉強・・・3年目


パソコンの時と同じように一心不乱に2年過ぎてみると・・・何か見えてくる
パソコンの時は、Linuxに嵌り込んだ(*^_^*)

3年目は、徹底的にワカルパ翁が金田一博士に伝えたものを調べてみようと思う。
Wakarpa/ainu Forkrore「ワカルパ/アイヌ民俗伝承」のノート3冊を全部コピーしよう。
紫雲古津の筆録を体系化してみようと思う・・・

擂鉢山の由来もワカルパ翁が教えていて・・・そこがシヌタプカだと断言している
アイヌでシヌタプカの位置を誰も知らなかったのに・・・紫雲古津の一部の男は知っていた。
アイヌの超機密情報だったことが推測される。
アイヌ伝承の曼陀羅を構成する・・・男のユーカラ 女のメノコユーカラ
カムイオイナ カムイユーカラ カムイウパシクマ カムイノミ

それが大正2年の時点で揃っている・・・それを補強している大正4年のワカルパの法要
その時点でアイヌ文化の曼陀羅が完成している・・・
それを何とかアイヌの人達に分って欲しいと思う・・・
日本人だって古事記とか日本書紀を知らない人沢山いるからネ(*^_^*)

私は、Ponkemaratkiを読んで・・・アイヌの男の勇気は、日本の武士道に似て
憧れてしまう・・・樺太の筆録は、殆どが男のもの・・・ハウキ
女の歌は、鈴虫が鳴くような響きだと博士は表現している・・・
北海道では、男がメノコユーカラばりをやったり・・・女がユーカラをやったり
メチャクチャだったのを・・・博士は、チャント捉えている・・・

しかし、周りには、ユーカラモドキが横行していて・・・頼みの弟子たちも其の餌食
知里博士が影響を受けた違星北斗・・・金田一博士を訪ねていて・・・諭されている

25歳で樺太に渡って・・・45日間人間を見てきた博士
yayanitakは、何とか意味が通じたが・・・atomteitakのハウキは、手強かった。
同じく独りの天才詩人に45日間北海道アイヌの全てを教えて貰った
虎杖丸の曲の筆録を見ると・・・筆記した後で読み直して・・・ワカルパ翁が直しているのが
分る・・・金成マツさん・知里幸恵のものは、一切そのままで世に出している。
それは、何か意図したことが在るとすれば・・・後世質される

アイヌ文化って・・・美しい形而上学なんだと思う・・・
高度過ぎて・・・理解を出来ない人達が・・・色々曰っていて・・・尚更混迷した
アイヌ自身が分らなかったのが・・・ユーカラ(*^_^*)
 


11/10/16 ()  虎杖丸の曲・・・


虎杖丸の曲と云うのは、金田一博士のネーミングなんですが・・・正しい訳だと確信した。

記念にと思って・・・Kutune shirikaをコピーしてきたのが正解だった・・・
今日、本の通りの筋書きか読んでみた・・・そのままで・・・博士の真剣さが解った。

筆録の前にワカルパ翁から・・・ikokuttara oro mun=ホントハkutu とメモが在った
昔は、kutuと云うと虎杖のことを云っていて・・・広義には中空と云う意味らしい
それを喇叭にして遊んだらしい・・・

幌別の知里真志保博士には解らない・・・アイヌの都の言葉だったらしい・・・(*^_^*)
新興の部落では、沙流から仕入れたものを面白可笑しく変造したことが解る
アイヌの偉大な詩人を侮辱した知里博士を叱ったのは正しいと思う

知里幸恵の神謡集を読むと・・・それが良く解る・・・
神謡(カムイユーカラ)・・・森鴎外の寒山拾得に似て形而上学のお伽噺
紫雲古津のカムイユーカラと較べると良く解る・・・
ユキの
Hanchikiki (鳥の集会)は寒山拾得と同じレベルの凄さを感じる
知里幸恵には感じられない・・・確かに巧みさとか説明的だとかは解るけど
詩は、言葉を味わう教養が要求される・・・
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今回のオチョポッカの日記で打ちのめされたのは・・・漢詩
昔の東大の秀才は、25歳にして・・・言語、外国語も含めて堪能だったんですネ

アイヌ語って世界中に一つしか無い構造をもっているらしくて・・・謎
今回の金田一博士の日記で分かったのは・・・yayanitakをやっていたと云う事
サキと云うピリカメノコのことを書いているのが日記の中身・・・
だから帰る寸前にトンナイチャのラマンテからハウキを筆録しても訳せなかった(*^_^*)
でも、若い博士が自分を晒け出すのは、人として可愛いと思う
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今日は、八月十六・十七日と終わらせた。
明日は休みなので二十四日まで行けるかナ〜

 


11/10/15 (土)  オチョポッカの日記


博士は、日記に出てくる子供とかを絵にしているんです・・・その一部が
コレ
子供が寄りつくと云うのは・・・弱い立場の子供の自己防衛本能に抵触しないと云う
誠に・・・幸せな子供時代を過した博士の徳に依ると思う・・・(*^_^*)

貧しくても母親が側に居て・・・子供を食べさせたりするのに一所懸命だったら
子供は、育つ・・・実の母親がずっと一緒だというのが子供にとって一番幸せ

知里幸恵は、可哀想だと思う・・・伯母の金成マツさんの都合で養女にされて・・・
祖母のモナシノウクも付いてきて・・・(*^_^*)
日記を見ると・・・実の母親に気を遣って・・・キリスト教をやる羽目になる・・・

アイヌのシキタリで生きていた・・・樺太のサキでさえ・・・村長と堂々と対峙している
紫雲古津のユキは、博士に・・・家の位置が悪いと云っている・・・(*^_^*)
しかし、ユキは大切なお守りを忘れて紫雲古津に帰って・・・伯父さんに
こっぴどく叱られた・・・女性は、強かです・・・
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今日は、八月十五日を、完成させた。

今日は不思議な現象が起きた・・・私の基本的なメーラーは秀丸メールで
朝、メールをサーバに取りに行っても、エラーに成り繋がらない???
MSのOutlook expressでも繋がらない・・・(*^_^*)

ひょっとして・・・私のメールサーバmvi.biglobe.ne.jpが攻撃を受けたか?
と思って・・・夕方まで待ってみると復旧していた・・・
biglobeのメールサーバの受信拒否は、個人レベルでは、強力な威力を発揮する。
メールアドレスを公開していても・・・ヘッチャラなんです(*^_^*)

スパムメールは、メールボックスに届くことを目的にしている・・・
スパムは、中国・韓国などセキュリティの弱い所を乗っ取っているらしい
最近、そのサーバ群を殆ど叩き潰したらしく思える
それを出来るのがBiglobeだけだから・・・攻撃はあり得ること(*^_^*)

普通は、メールボックスに届いたのをフィルターを使って隔離するだけ
それだと、スパムは目的を達成しているので痛くも痒くもない。
しかし、受信拒否されると・・・成り立たなくなる
私の理論は、300個の設定で凌げるという仮説・・・(*^_^*)
現在160個で半分を超えた段階・・・

ドメインだとそれこそ無限に等しい・・・IPアドレスも無限に近いと錯覚すると負ける。
IPアドレスは、約40億あるけれど有限です。・・・そこがミソ(*^_^*)
日本語以外のメールは、たった7個の文字で無くなる・・・
そうすると・・・激減する・・・外国経由の日本語スパムを叩き潰せば良い
計算すると・・・300で凌げる計算が成り立つ(^_^)v
それとLinuxを勉強していないと計算が成り立たない(*^_^*)
 


11/10/14 (金)  オチョポッカの日記


完成度を高める為に・・・何度も何度も検討すると分かる場合ある・・・
それで、何とか私のイメージが固まってきた・・・
博士は、漢詩も持ち出すから・・・大変だ(*^_^*)

アイヌのシキタリ・掟など色濃く残っていた樺太アイヌの強かさをこの時、博士は
実感し、アイヌ文化の何たるかを嗅ぎ取ったように思える・・・

アイヌの世界にズカズカと入り込んで慣れすぎて色々トラブルを起こす博士
まるでユーカラのイメージとかアバターを見ている錯覚に陥る(*^_^*)
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今日は、八月十五日途中までで終了・・・でも事件が起る
 


11/10/13 (木)  オチョポッカの日記


昨日は、早く起こされたので・・・夜中眠くて仕様が無かった
今日は、日記を書かずに・・・ぐっすり眠ることにしよう・・・(*^_^*)

金田一博士の明治40年の樺太踏査と大正4年の紫雲古津の日記を読めて・・・
皆さんに公開出来るのは、本当にラッキーだったと思う。
オチョポッカの踏査が在ったから・・・紫雲古津の真のユーカラ伝承者ワカルパ翁が
全てを打ち明けたと思う・・・

ラマンテのハウキは、正調のものだったし、帰る直前に筆録したので・・・
五年間、訳せなかったと云うのは、本当のことだと思う。
私みたいな素人なら・・・チト間違っても大目に見られるかも知れないが
言語学、それもアイヌ語を正しく伝えようとする学者には、許されない(*^_^*)

一語分からなくても・・・訳したことに成らないプロの世界・・・
 


11/10/12 (水)  オチョポッカの日記


11日のものに足して行くことにしようと思う・・・この方法が分り易いみたいだ(^_^)v

今日は、一頁分どのくらいの時間で書けるものか追加してみよう
途中までやったが・・・雷が酷くてPOSシステムに支障が出たと電話入ったので
早め出勤となり・・・そのまま(*^_^*)
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そして又電話入り復旧したから・・・通常の時間で良いと・・・
続きをやって・・・14日迄進んだ。
 


11/10/11 (火)  オチョポッカの日記・・・8月9日〜   解らない文字○です(*^_^*)

 
 今日は休みなので・・・何日目までいけるかナ〜・・・(*^_^*)
日記の中でのクライマックスは、24日と25日なんですが・・・その前も面白いです。
百年前の樺太アイヌのこととか・・・山辺安之助との関係がこの時から密接であったとか・・・
樺太アイヌの誇りと勇気は、輝いていたとか・・・北海道アイヌのこととか・・・(*^_^*)
 アイヌ文化が甦るヒントが秘められている日記なんです。

  八月九日    
 
   顔洗ヒニ例ノ如ク川端ノ川原。 少女共アマタ居ナラ         原 文 P1
 ビテ 凝脂ヲナガシテ 髪ケズッテ居ル。 サキモ見エタガ モー
 済ンダラシイ。朝飯中ニ又来ル。 甲斐甲斐シク ハタラク
 
   昼近ク昼飯ノ菜ニト 魚釣リニユク。小田原氏ノ釣道        原 文 P2
 具ニ余ハマヅ発ス。桟橋ノ所デ アイヌ数多居テ鱒ヲ船
 カラ上ゲテ居ル スズコ ハ無数ニ投ゲチラサレテアル チオカイ
 ポン チ アンコイキクス アリキ ト云ッテ立チヨルト ソノ通 口
 マ子テ アーハート 夷歌 シタリ 笑ッタリシテ 口々ニトナヘ
 テ居ル キタナラシクコハゴハニ スズコ 二粒ヲハリニ
 付ケテ投ゲテミル ナカナカツカナイ 一人ノ aha
 側ヨリ 手モ シトドニヌレタルモテ来テ アマスノ子ヲ
 タクサン 針ニククリツケテ呉レタ ヤイライケレ ト イフト又
 笑ッテ口々ニ 口マ子シテ居ル ソレデモ ツカヌ 小田原
 氏 ○ タカラカニ 装ヲシテ バケツナドマデモッテ 田口ヲ連
 レテヤッテ来タ ヤハリ ツカナイ 移○ト○シ川上ニ
 赴ク 田口ハ 昼ノ支度ニカヘル
    大シ釣レタ ヤマベ アメ鱒ノ子。 田口
 ヤブノ中ニ オトシ タクサンニナル小田原ハ 場所嫌
 ヒヲ シテ遠クヘ行ッタ マス ガ七つカカッテ トラ
 レタトテ ヘル
 小田原氏帰リ又 ヤス ヲレステ ヤッテ来タ川上
 ノ方ヘ青草ノカゲヘ 白イ洋服デキエテユク
 清流白波 水ノオト 風ノ色
   田口昼飯ノシタク出来タトテ 迎ヒニ来
 小田原ハ ナカナカカエラヌ ヤット返ル
 キケバ アマリ ワケルノデ流水デ6ヘン切ッタ
 
 トテ十四五ヲ配タトイフ                           原 文 P3
    サキ ハヤクモ入リ来ル。 端ニ掛ケテ ニコニコ
 シテル 柳ノ眉 メジリ 口モト 可愛ラシイ子ダ。 飯タベ
 ナガラ 色々聞ク。
   手島氏来ル。 晩餐ハ四人デニギハフ。 食ヒナガラ
 又 サキニ アイヌ語ヲ問ヒ試ミ 声ニ応ジテ タメラハズ サハヤカニ
 問フ。
   アイヌノ若者モ 年寄リモ ニ氏ヲ遠慮シテ今日ハ来ヌ。
 
 八月十日
 
 朝の河岸ニ冷水摩擦ス 花子 ユキ リヨ ガキ等来ル。
 ススヤ岳 黛色 濃ク 対岸ノ青蔭 緑影 アザヤカナリ。 四人
 朝飯 サキガ又端ニカケテ ツツマシク控テ居ル。今日ハ少シ
 シャレテ居タヤウダ髪ハ梳ッテアル 抑ハ○色ノ新シイノヲ 〆テ
 ミエル。
   昼飯ヨリ小田原氏ハ マズサキニ、 手島氏川上ニ行ク
 ヒトリニナル サキ ト語ル 色々アイヌ語ヲキク。
 手島氏帰リ来テ 立発ス。 晩餐ハ二人ニナル ビール一本ヲ
 カタムク サキ来ズ 大漁デ イソガハシイカラダロー。其後ニ
 出テ見ル。 燈火ヲツケテ鱒ヲ造ッテ居ル 小雨 アイノ風ニ
 吹カレテ サムキ中ヲイタイケニ サキモ モッコヲ 背負ウテ
 キタナクヌレテ カセイデ居ル。 御膳ハスミマシタカ? ト寄リ
 問フタノハ上出来ダ アア済ンダヨ ト云ヘバ ハマ大漁デ
 ト小家ギシワキヘ去ル。 家ヘ帰ルト 又キレイニナッテ ヤッテ
 来タ。 「イベ ヘマカ?」「イベ アン ヘマカ」トホホエム
 
 小田原氏遂ニ帰ラズ色々ノアイヌ 遊ビニ来 最後マデ サキ止    原 文 P4
 ル。 十時スギテ クサエ来ル色々ノ事曰フ 笑ッテ之セズ 一所ニ
 遂ニ去ル。 色々ナ美シイ マボロシノカタミヲ印シテ置イタ。
 
 八月十一日
 
 大雨。  内ニテ盥水ヲツカフ サキ ガ 朝ハヤク
 来テ水ヲ汲ンデ呉レタカラ。
 横山君次ニ カボチャ ヲ揚ゲテ。 雨ノ中。
 昨日 ○太子ノ昼一子ヲ挙タノチ○○ニ行ッテミル。
 産婦人ト手伝ニ。 サキ話ニ来テクレテ大我ナシ。
 小○○本ヲ アイヌニ鱗○シテミル ウマシ。 フーレ
 口ビワヲモッテ来ル。 竹製ノモノ。ナラシテ笑ツ
 テ居ル。
 横山君昼飯タベテ スグ立ツ。 明日又来ラント  ノ方へ行ク。
 フーレ サキ 遊んで居ル チャチャコトル。 口ビワナラス。無邪気
 ニアラソフテ居ル。
 帰ッテ行ク サビシイ 雨尚ヤマズ 文典ヲカク。 詩ヲ思フ。又来ル。
 座間ノ アラマルモノニ目ヲソソイデ子供等 ミント欲ス フーレハ
 別シテル。小雨サビシクナル。
 サキ来 赤イ布ト糸トヲ持ッテ。 尚桃色ノ糸ヲ買ッテ行ク。退屈
 ダカラ 遊ンデ行ケ 曰フ ヨーキ来ル髪未肩ヲコエズ 豊顔○客蓮
 花ノ如ク ナツカシゲナル 百モチナガラ 慣レガタキ光ガアル マダ十二ノ子
 端ニ腰カケテ ナカナカハイラヌ サキ糸ヲ手ニカケサセテ糸巻
 ニマク 二人近ク来テル。 ーーー済んンダ・・ ココデコシラヘロト云ヘド
 モヂモヂシテ ヨーキ ト 共ニ去ル。
 
 子供等数多来。 安之助来。 雨中 鱒ヲトッテ今日ハアマリ働     原 文 P5
 カズ 安之助 不平ラシイ 鬱々トシテ 喜色ナシ。 黙考シテ居ル。
 夕飯出来タカラ田口ト二人デ食フ。 安之助ニ物イフト ツカヌ返事ヲ
 一言 二言。 又二人デ食フ。 サヨナラ ト立ッテ辞シテ行ク。又
 来ラズ。 夕暮戸ニタチテ アイヌノ歌ヲ○○ フーレキカス。
   サキ食器ヲアラヒ、 門太郎。栄吉来。孝太郎 手紙ヲ書
 イテクレトテ来ル。田口氏 日文デ、 自分ハアイヌ文デ書イテヤル。
 クサエ来ル。 ドーダ今夜ハ。 ユカラ キカセロヤ ! トイヘ
 バ「マタ何時カヨ」 トテ ヒトリデ唸リ出シテ出ル。 ヤリ
 タクテ仕様ガナイガ 促サレルト逃ゲルノダ 大キナ カラダシ
 テ子供ト仝ジダ。  コチラデ何カヤッテイル。 先生又 ウナル。
 「ソコハ先頃ヤッタ所カ?」 「フム ソダ」 「先頃ココマデヤ
 タゾ」 トテ 終リヲヨム 「ソシテ ソノ次ハ何ダ?」 ト催シ出ス。
 先生果シテ乗ッテシマッタ。「ソノ次ハ カ? エーー ウーー
 アーー」トートーヤリ出シタ 書イテ 書イテ 書イテ 十時ニ至り
 チリチリニ皆去ル サキバカリ最後マデノコッテ十時ニカヘッタ。
 トートークサエ一人ニナル帳場モ寝タ。 大将モオレモ眠クナル
 十時二十分 帰ル。 ユカラ 末 オハラス。
 
 八月十二日
 
 フーレニ聞イタ歌ヲ食後 サキニ歌ハシム 鈴ノ様ナ声
 ヘ哀韻切々蕗ノ露ノチル如キ
 安之助来リテヤメル。 警部他一党来ル昼飯シテ去ル。
 昼飯タベタガ 洗イニ来ヌ。サビシイ。 可笑シイモンダ坂ノ辺マデ
 行ッテソノ辺ミチ何モスル事ナク 室ニ返った ヒトリデ考ヘルト 何
 
 シニ今出テ、 アッチヘ 行ッタカ 外ニ何ノ原因モナイノダ。 妙ダ   原 文 P6
 ト自分デ○○トシタ。 火鉢デ灰ヲカキナラシナガラ偶然 雨ノ
 旅 山路ニ小田島サンガ花ノ上ニ倒レテ 高屋君ガ薬ヲ ノマセナド
 シテ○○カガンデル 皆ハズンズン去ル 吾ハオクレ至ッテ コノサマヲ
 ミタガ オクレルノガ 恐シイヤウデ 見ステテ追行シタ事ヲ思出シタ。
 介抱シタ高屋サンハ今ヤ片無シダ。 イヤ小田島君ーーーソノ後
 丈夫ニナッターーーマデモー コノ世ニナイ人ナノデアッタ。 コー思ッテ
 クルト世ノ中ガ実ニサビシクナル イヤ何ゼ今コンナ事ヲ思ヒ出
 シタノダロート 実然ナノニオドロク。 丁度室ニ入ッタトキ 机ノ上
 ニ○震丹ノアッタノガ 一寸 目ニ入ッタカラナノデ 高屋サンガ
 アノ時 小田島君ニ懐中カラ出シテ 勧メテ居タノデアッタノダ
   釣ニ 川岸ニ行ッテミル 大キナ ウグヒ 二尾 トアメマスノ
 子ヤ カヂカ ヲトル。
   横山君小田原サン見エル。 田口氏ト皆川上ヘ
 鱒突クニ赴ク。 サキ 息セキト カエリ 返り山ニ 実ヲトル
 ニ昼前ヨリ行ッテタ。 御膳洗ヒテ返ソウトテ ソコソコニ
 アラッテ又スグ行ク。
 四人の晩餐ニギハシク ビールヲ○ム。

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12日のAM 3時までやってここまで・・・
金田一博士の日記なので難しいです・・・それに古い漢字とかかな使いだから・・・(*^_^*)
日記を読んでいると・・・丁度ユーカラを読んでいるようで・・・第一人称の記述は
事実をそのまま伝えることを目的としているのが良く解る。
ユーカラは、雅語を用いて・・・一般・女子などに解らなくする工夫がされている。

日記を読むと分るのは・・・山辺安之助もハウキは、知らないようであったと云うこと。
トンナイチャの酋長ラマンテが受け継いでいると云うこと。
これは、本当のハウキであったと云うこと・・・一族を統率する人に必須のこと
それが法律で・・・裁かれるから・・・
腕力でねじ伏せるだけで無く・・・チャランケで負けない雄弁さも要求された。
そして皆、納得して従った。
樺太と紫雲古津には、アイヌの愛すべき人達が残っていたと云うことだと思う。

でも、樺太のラマンテのハウキは、原典に近く・・・
北海道のユーカラは、ワカルパが原典だと云うことを博士は嗅ぎ取っていたと思う。
以上の日記に出てくるクサエと云う人物・・・と同じだったのが北海道に
沢山居たということだと思う・・・

ユーカラを訳すこともさることながら・・・言語学者の日記を解読するのは、もっと難しい
日本語とアイヌ語は、大事にして勉強しなければ成らないと思った。
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 八月十三日
 
   居ナイシ何ダカサビシイ。 河原ニ盥水ツカフニテ ソチコチ立       
原 文 P7
 テミル。 アチラノ汀ニ出タ影ガウツル。 遂ニ見ターー見ヌヤウシテル
 ソヨ ヨシ子ナド居ル 杓ヲ貸シテクレル 冷水ヨリ。 向カラキタ
 コチラデ笑フト ヨソ見ヲサケテ 笑ハズ目ヲハナシタ。 語ヘド一時ニ汀ヲ立
 ツ。 アラヌヤウニシテ カヘル 何ダカ自分デ変テコ
   トンナイチャヨリ人来ル 森氏、ソノ為入リカハリニ 横山君
 カヘル。 オクル。 サキハ見エナカッタ。 ヤヤアッテ忘レ物シタトテモド
 ッテ来タ。 又行ク。 サビシイ出テミル ハルカニ湾口ヲミテ砂地
 ヲ アチラニ横山君タドッテユク。
   入札ノ為 田口氏 ロレーニ行ク。昼ノ飯ノシタクハ大ヘンダ
 森氏ハ一向カマワナイカラ。 魚ヲ釣リテクル。 火ワタク 飯ガタリ
 ナイ米ヲ精ゲ子バナラヌ。 隣リノピシタク方ニ来テル日本ノ女ヲヨンデ
 カシガシタ サキモ来ル 水クマセニヤル ヨシ子ヲヨブ 来ル 鱒
 キリ シタクスル。 御膳ヲナラベシム。
   ミンナデ三人 御膳ニツク サキ 御給仕ス。 サキハイベ
 ヘマカダトテ ソノママ止ッテ 洗仕舞ヲスル。 横山サンハドーシタベ
 ト問イ出シタ。 アアモー返シタトイヘバ デモ シヤリガアルモノト
 言ッテ 昼飯ヲ共ニシタカッタヲ イブカルラシイ。
   魚ヲモッテ ハコブシテ行ッタ
   晩餐ニ又ヤッテ来ル ヒトリデ来テ カシギ汁ヲ煮 ハタラク。 コン
 ドハ晩餐ヲ コチデ 食ヘヨトススメル タベナイ ドーシテモタベナイ。
 安之助等来タカラ去ル。 横ヲフク 四日ノ月美シ 花ヲフマシテ
 海ニ向イテヲイフ 後ニソッコリ来テ ダマッテキイテ居タ。 ヂキ後ニコゴ
 ンデ ワット立ッタ。 ビックリシタ。
 
 安之助○口上ニ 小田原ヨリ 論戒アリ出テテハ河岸ニ行           
原 文 P8
 カウト 横ニイル犬吠エテモドル。 晩 門太郎来リ
 黒イ大蟹ノ湯出テ以テクル。 一足食フ。
 アチラデ歌ッテルト聞キ 行ッテミル 女ノ子ドモ 数多
 居 サキモ見ユ。 門太郎居テ オドリヨシタガ行コカ ト云フ
 イガクススメテ ドヤドヤト ハイリ来ル ヨシ子 ソノ他ノ女ノ子モ来 夷人
 ソロッテ 歌舞胡琴ヲヒク 夜オソク カヘル 月○チテ 浪ノ音
 タカシ。 犬トホク 吠ユ
 
 八月十四日
 
   朝ハヤクオキタラシガ マダハヤイト思フテルト ポンポンノ火ノ
 ハ子ル音ガスル モシモ ハヤ来テ居タカト 頭ヲアゲルト 鍋ヲ掛
 ケテ火ヲ焼イテ居ル エオート呼ンダ エオートマ子ル ウワー
 ト笑フ ウワート笑ッタ。
   今日ハ朝カラ採集シタ。 一相天気ハイイシ 写真トロ
 カトイフト アシタト曰ッテ フシギニコバム 朝飯スマシテ 器
 械ヲ出ス 人々ヨリ来 遂ニ逃ゲテ立タヌ髪ヲ前カラ撫
 デ撫デ気ニシテ居ル。 腹ガイタムト曰テルカラ ソンナラ○ソーシトシテモ
 二○からトテ笑イマギラシテ止ンダガ 妙ダト思フ
   居ナクナル 退屈ダ。 魚ツリニ行ッテミル。 大太郎ガ ツイテ来
 スズコヲツケ 魚ヲハヅス タクサントレル。 ポロノホリ黛色ナシ
 テ上流ノ高台ノ上ニ濃イ姿アザヤカダ。
   帰ッテミルト 横山サン逢フ。 又トンナイチャカラ来タトカ イヤ
 サキガ逢ハズニ別レテ ○ニテ居タトイヘバ イヤ今帰リ来○○ノ
 魚場デ アッテ来タト云フ サテハダマッテ行ッテシマッタ ソレトモ腹痛

 クテカ、 又ハニゲテ居タカ 昼来ナイスレバ 晩ハ来ルカナド 色々    
原 文 P9
 思フ。
   留守中ニ 小田原 森氏ノ両氏ハ此処ヘ、田口氏ハ帰ッテ居タ 
 カヘリニアルカラトテ 横山氏亦北ニユク。 サキガ見エタ。 驚イテ
 ヨク見ルト 髪ヲキレーニ 庇ニ結ッテル。 ワカッタ 写真ヲトルニ ワ
 ザワザ結ッテモライニ 内地婦人ノ所ヘ行ッテ来タノダ。
 帳場ハ警察ノ人来テ ココデ昼ヲツカフ 筈ダカラトテ 一生
 懸命ニカセグ 果シテ至ル。 久保田警部ト 高○○○○
 ○ 矢浅昌○氏見エラルル サキノ写真トル トリリ 入ラヘト乞
 フ サキ ユルサズ アトニセヨト 拒ム。 一枚トッタガ 甘ク 蓋
 ガ デキヌ。 シマッタ。 今一枚ヲ ソノママトル。 スンデ去ラウト
 スルト トリリ 己ヲ写シテトセマル。 ケレドモ モー種板ハナイノダ
 帳然トシテ怒ルヤウナ目ツキシタ。 失敗シタ。 矢津氏等 網引
 ヲ見終ッテ帰ラル。 サキ水汲ミニ行ケトイハレテ 遠イト悩ム
 帳場スケナイカナド云ッテ オレノ顔ミテルカラ ドレ己ガ助ケテヤラウ
 カツゴヂヤ ナイカト 棒ヲトル 欣々トシテ ハ小オドッテ キヤッキヤッ
 云ッテ出タ 砂濱ニ下リ 白波ノ来タイル 磯ヲ ウ小リ ウ小ル。
 空 久シ振ニハレテ ソワクシュノ岬ノ高崖ニアザヤカナ事 トド
 松林一等ソバ出ヘラレソーダ。 流木 流○ 貝ガラ コンブ
 行ク行ク 白波ヲ指シテ hemata? 「kai an」 ナド語リ
 合フ 約三町程モ アル処 崖ヲ流ルル 真瀧ノ指ノ太サナ
 ルニ 筧シタル許、 水ダ 手桶ニアラヌ アブラカン ノ桶ヲ ソコ
 ヘオキ 水ノタマル中 流木ノ大キイノニ 腰カケタ ナランデ。

 

 花ヲミツケテ立ツ。 蝶ヲミツケテ遂フ。 コンドハ 向フカラ        原 文 P10
 hemata ト 白イ蝶ヲトラヘテ曰ッタ。 ウワー
 ト云ヘバ ハハト笑ッテ    ト自答シテ居ル。 撫子ヲ見
 ツケタ。 名モシラヌ ハチ生ノ花 少女ハ ハセアルイテトル。 手ニモ
 チアマッテ 帰リ亦 棒シテ水ヲ ニナフ ヤヤ十歩ユクト又
 崖ノ所ニ花ヲミツケル 又下ス。 又トル。
   色々ナ バコ チャチャニ 逢フ 少シ キマリガワルイ。
 砂濱アガレバ アチコチ maherek utaru ガ 見テ居ル サキハ少シモカマ
 ハヌ 野口サンモ見テ 笑ッテ居タ。 自分ハ大声デヒトリデ サワイデ酒
 々然トアソボウテ見ル。 トッタ花ヲ ビンニサス。 皆サキガシタ。
   クサエヲカリ立テテ、女ノ子ヲアツメサス 夕景別舎ノ所ニ アツマッ
 テ チウセハカムイラン イワノトイサム オーレーホイ イワノトイナレム
 カシヤウシチヌヤ ヲオドル ヨシ子ハ音頭取 踊ハサキガイイ。 内地ノ盆踊ノ
 ヤヤ カンタンナモノダ 八人円形ニナッテ マワル 音頭取リ一人デ一マヅ歌
 ヒ了ルト ○員一致シテヤル 声ハ大声ヲアゲナイ 糸ノ如キ ○ノ如
 キ 凄艶ナ哀音コモル ト イッタヤウナ 秋ノ時ニ子テ 虫ヲキクヤウダ
 
 八月十五日
 
   川側ニ顔ヲアラフ。 ミエタ。
 朝サソハレテ水汲ミニ。 カガヤカナル日影 ノドカナル磯 砥沙
 踏ンデ二人。 ウレシイ。 ウレシソウ。 白い石ヲ拾ッテ 波ニナゲテ
 ミル。 カモメガタツ。 白波ノ花ガ散ル。 見ル影シロク 汽船ノ影ガ
 縞ノ如キ煙ヲハイテユクノカ 来ルノカワカラナイ。 ダマッテ居ルト瞳ノ
 中ニ花ガサキ 火 ガチリ 清水湧キ 靄ガナガレテ紫ニナッテ 我ヲ
 ワスレル。 清水ノ筧ニ 桶ヲオイテ丘ヲ上ッタ。 撫子ヲ見ツケテ 折ッテ
 
 クル。 花草ノ枝ニ蕾ヲツツマシク 一度毎ニ手ヲツイテ腰ヲ下シテ一足ニノバ  原 文 P11
 ス。 紅ノ花染衣ガ下カラ脛ニモツレル。 サスガニ アチラヲミルト 顔ヲ
 アカラメルカラ 別ノ方ミテ立ッテマツ。 ウケトッテ棒ヲ 負ッテカヘル。
 我ヲマヘニ立タス。 アンマリ今日ハカロイト思ッタ。 フリ返ッテミルト
 桶ヲ自分ノ方ヘヒキヨセテ居ル。 ソシテ急イデ ハナシハシタガ 手デ
 蔓ヲ モチアゲテ居タッタヤウダ。 ソレデハ イケナイト マン中ニ
 ツルスレド カツクマエハ ソット直ス フリ振ルト ハハハハト他
 愛モナク笑フ。
   帰リ道マダ 午前ノ事トテ人ニ タクサン逢フ。 上ヲノボテ
 ピシタクノ家ノ前ヘ出タラ ワワーワワートミンナ立ッタ。 ピシタク
 途ヲ横ギッテ サキノ前ニ立チフサガリ ヨーヨーヨート 指デ頭等
 ヲナブリ ツツキマワス 小田原 野中田口美奈戸ニ立ッテ居、 方々ノ戸
 口ニアイヌ皆ミテル ヤットコサト下シテ サキヲシテ 水ヲ アケ
 サセ水ヲササウト思イ。 戸ニ出ズルト トリリ 村長来リ 何カ   ↓ドーモワカナイ
 云フ emach turu  ナドイフ事キコヘエタ。 サキハ サケンデニゲタ
 己ハ シカタカク イサマ 位ヲ 苦シクサケンダガ 中心ハヲカシイ。
 ヤヤ心ガヤマシクナッタ。 ナーント又曰テ見ル」 午後 野中サンガ ★
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口ヲ横取リシテ 己ガ行コウト云フカラ オレハヨシタ tara nishpa tura oman トイヘバ
 ヒトリデ行クトイフ ズンズン駈ケテ 崕ヲ下リタ。氏ハ側ノ棒ヲ手ニシテ アトカラ行ク。
 オレハソノママ止ッテ フーレヤ トンクマト ソノママ話ヲシテ居ル 事ニカコツケテ立ッテ見ヌ
 振シテ アトヲ眺メヤルト ヤハリ サキハズンズン一人行ク。 氏ハ連立タセヲシナイノカワザト
 オクレテ 石ナド拾ッテ行ク。 驚イタ。 モドッテ話ヲシテ居ルケレド 心持ガ変ニナル。
 ヤヤアッテミルト 一人デ水ヲ汲ンデ居ル。 ヤヤ立ッテミルト重ソウニ ニナッテ来ル。 トートー
 独リニナッテ帰ッテキタ。 ナゼ一所ニセヌカト叱ルト ダッテアノ人ト カツグト エズイモノト
 シヤシヤシテルニ アキレタ。 棒ハトイヘバ オイテ来タトイウ 又花ツムニ行クカラト。
 花ツムニ行ク フタリガトッタ花ヲ ヒトツ二本ニハサンデカヘル 返ッテドッサリ瓶ニサス
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   サキハ踊ガ得意デヨク踊ル 今日モシモリ ト 皆アツメ
 ルナラ ヨシ子モ踊ルトソウ云ッテ居タトイウ。 晩餐 二三人
 ヲツレテ来テ カヨ ワソセマ ヲヨンデ呉レト云フ。 ソンナラ何カラト手ヲ
 トレバ 喜ビ勇ンデ駈ケ出ス。 マズ ワソセマ ヲヒッパリ出シ次イデ
 カヨヲ説服シテツレテ来ル 室内ニ入ッテ 皆オドル老幼 皆来ヨテ見
 ル。 ソソタル風姿サキノ 手振ガ目立ツ。 歌ハヤハリ ヨシ子カ美
 
 シイ。 小田原サン 湯ヲ ワカシテ砂糖湯ヲ供ス。 オソク皆カヘル。 一バン  原 文 P12
 アトニ カヘル。 何ダカ アトカラ追イツイタケレド夕ベ肩ニトリツイタカゲヲ
 ヒッカエス 笑ッテイテタ。
 
 八月十六日
 
   例ノ河原デ 昨日ハオモシロカッタ eyairaikere ヲ云フ。 フリ
 カヘルト サキガ戸ニ立ッテ居タ。 ヤガテ 川原ヘ下リテ来ル。 ○○
 ク多クハ物ハ イワナイ、
   飯ヲタイテ 家デ サキモスマス ソノ辺洗フ イロイロノ アイ
 ヌ来ルカラ 座リ ツカナイ。 アア ソレデハ皆ト一所ニ トンナイチャ
 ニ クラシノサツトン トルニ行カウカト モ ツブヤイテ居ル。 オレモ行
 キタイガ 洋服キテミタ。 野口サンドコヘ行クカト聞ク。 アト
 追ッテトモイハンナイカラ マカ マカニテル中ニ 窓ノ障子カラ
 ミワタスト 渡場コエテハヤ云々出々 オタカタ ヲ行ク見ユ
 大屈 ドーカスルト足オタカタニ向ヒ トンナイチャノ方ヲミル
   佐藤サン付馬デ来ル。 写真ヲ オミヤゲニ。 尚 余ヲ入レテ
 余ノ写真器デ 余ノ代リニ 技師トナリヲ余ヲ撮影セント。 野
 中サン 亦対面ノ辞カラ来遊ノ日時 希望 依頼ナドヲノベテ 長々
 ト 挨拶アリ
   ドーヤラ今日ハ帰ッテ来ソーニモナイ 誰ヤラガ トマッテクルノダト
 報ズ モシヤ ソレデモトモ思ッタガ 日モクレテクル ソレデモ 若シヤト
 思ッタガ ヤハリ ダメダ。  佐藤サンカヘル。 鱒ヲツンダ付馬デ。
 
 八月十七日
 
   チペーカノ家デ トンコリノ 事 ドーダト タヅ子ル ヨシ子承知シタ
 由答フ。
      今日モカヘラヌ
 
 十八日
 
   小田原氏 出張。 トヲイブニ ヲツレテ馬デ。 北方ヘ。 砂     原 文 P13
 濱ヲ。
   メノコノ群ガヤット昼近ク 南北 タエペンルン埼ノ 砂湾ニミエタ
 泊場ニ近ヅイテクル白イ夏服ノ巡査ガ ヒトリ送ッテクルラシイ 一人
 ソノ姿モサダカニワカッタ トンデ出テ立ツ。 干場ノ方ヘ下リ
 テユク。 キセルヲモッテイタ。 近クヘミエル トマヅ大声デ ヤア!シバラク
 ナドト 酒々ト呼ンデミタガ 警官ガ居ル 初メテノ人デ住宿
 ハトイフカラ 導イテカエル 笹谷トイフ人ダ
   ヤッテクル。 サビシカッタト云ッタ。
   水汲ニ行ッテ来ル。 ワビシカリシ心 ツゲモセズ語リモシナイデ
 シマッタ。
 
 十九日
 
   野中氏 今日アタリ トンナイチャ ニ行クバカリ シテ行カデシママ。
 無聊ニゴロゴロシテル。 雨フリ浪アラシ
 
 廿日 墓参
 
 今日モ船タヘズ 雨フリテ野中君居ル。  釜ヘ火ヲタキ始メテ
 風呂ヲタテタ。 マヅハイル 晩景雨ハレテ対岸ノ風色 草木美シ。
 ホシガマバラニ出タ。 湯ガアツイ 裸体 岸ニ下リテ 大キナ桶ヘ
 水クンダ 一片ノ布 腰辺ヲマトフノミ 水波キレイ 活夫 颯
 丘、 隣家若キ猟人ノ妻来リ フーレ来リ トンクンマ来リ サキ来ル
 トカクシテ 三桶ウメテハイル。 皆去ル。 静ケサ。 タダ 鱒ガ
 時ニ尾ヲ以テ 水 払フ音スルノミ。 黒影 向カラ近ヅク。
 囲ノ蓆ニ トリツイテ e setum anfurui te ane konte kusu ?
 pirika ikonte ト云フト ヨツキテ 力 一パイ 手拭モテ痛
 
 快ナ程摩ル。 夕ハ風 人モ居ヌニ 襟カキ合セタキ心馳ス ソヨ    原 文 P14
 風ニ毛髪 一々 梳サルルヤウ。 衣裳ヲマトフ 苟モセズ
 一語ノタワムレモ交ヘナイ 夕露 踏ンデカヘル。 晩餐タケナワ。裳
 何トモイハレナイ心持ダ サキ ニモラセテタベタ
 サキモタベタ。
 
 廿一日
 
   トンナイチャ ニ行ウト皆イフ 野中君モ荷物ハ船ニマワサ
 セタ 徒歩ニテ行ク ソーナ。 サキ ハ朝カラ ワカラナイ 不機嫌
 デ居ル。
   立つ。 pirikano okaeanimonashino anhosipian
 Kusu ! saraba < saramba デ 立ツ。 otakata ニ
 見送ッテ出タ 人ニカクレ居リ 又出タリシテル。 物ワスレナドシテ 小田
 原氏 モドッタリ ナドスル中 オレモ立トマッテミテ居ル 又デテ
 来ル 子供等老幼 安之助 皆 見送ル 又立ッテルノニ サキ
 ミエナクナッタ 自分ノ家ノ 左方ノ砂ニヒトリ アラハレタ。 又
 ミエナクナッテ 振向イテ立ツ マルキリノ別レノヤウナ気
 ガスル。
   トアイブニ 十九日肩ニシテ従フ オコテンケノプルプルケ 歌フ 白波
 ノヨルヨル 長汀曲浦 十一前 番屋ニツク。 ○ハナシ日デ
 近郷ヨリ 漁人猟○皆アツマリテ角力ヲトル。 メノコノ一隊 河
 向ニアラハル 染ノ単物 蝙蝠ガサニ赤キ○結チラホラシテ ソロッテ
 来タ 渡船場ニ近ヅイテ 帯仕マヒ ヲ直シナドシテ居ルノガ
 見エタ。
   角力ヲミテル。 モー渡船場ヲコチヘ渡ッタハズダガ
 
 アノママ 又ト姿ガアラハレナイ。 ドーシタカ更ニワカラス ヨシ子   原 文 P15
 ガ タシカニ居タ サキハトートーシッカリ見エズニシマッタ。
   角力モ終ルハ  番屋ニハイッテミル。 ナニモソー面白イ事モナカ
 ッタ。 帰リタイガ ドーシヨウ モー四時ダ。 少シオソイ
 トアブニハ 帰ルト云ッテル ガ小田原サンハト思ッテ 警察ニ行
 ッテミル 横山君モアトカラ 追ッテ来ル舎縁隊ノ 一小分隊ニ合フ
 曰ハク ソヨ 曰カヨ 曰某五十位 吝ハ忘レタ。 ソノコト。
 ピリカノ オマン ナド曰ヒ交シテ行ク 又一小分隊ニ合フ。
 蝙蝠傘ハコレデアッタラウ ヨシ子 サダノ美形一所デアル
 ケレドモ大将ハミエナカッタ 盆ダニツイテ寺参リニ来タノデアッタゲナ。
   警察デハ例ノノ本池ガ居タ 小田原ノ代リデ来タ笹谷巡査モ
 見エタ 風呂ヲススメラレ ソーシテル中ニ本池氏手料理ノ テン
 プラ ノモトニ晩餐ヲススメラレテ トートー 晩オソクナッテ トマッ
 テシマッタ。
 
 八月廿二日
 
   朝露フンデ 鴨ヲ 子ラッテミタ。 湖上ニ鷹ガヤッテクル ソレヲモ
 トラウトオモッテダメダ。 英吉ヲヨンデ 美舟ヲコガセタ 朝露 苔ミドリ
 湖上ノ風光 櫂ノシズクハ サナガラ 銃ニシタタルル 玉露ノヤウダ
 扁舟オトナク島ヲメグッテ イザトイフ間一髪 数十ノ 鴨一時
 ニ対岸チカキ 草ノ ナギサヲ パットタツ 林端露ハレテ 絵
 ノヤウニ アケテ来ル。
 一曲ニ入ッテ 静カニ櫂ヲヤスメルト 一大魚尾ト鰭トヲアラ
 ハシテ 悠々トシテ泳イデル。 笹谷氏一発 アハヤ 右方ノ
 岸近ク 鴨ノ 一群マタ立ッタ。 シカシ 大魚ハ白腹ヲ
 
 カエシテ アパアパシテル 舟ヲススメテ ツカマヘルト溌        原 文 P16
 剌トシテ手衣ヲ脱シ水藻ヲクグッテ逃ゲル銀鱗 隠映
 余又一発ス 遂ニ英吉トラヘテ舟ニ入レル 鮮血
 紅 ノ如クナガレテ 四尺ニアマル 大鱒デアッタ。
 岸ニ舟ヲツケテ英吉 イタンカイ ヲトル赤キ木ノ実
 内地ノエチゴノヤウ。 ボートノ要領デ櫂ヲ自ラコイデ
 ミル ○○○マクナシダ。
   午前九時 警察ヲ辞シテ 湖濱徒歩 番屋ニカヘル。
 野中サンニ別レヲツゲ 十一時番屋ヲタツ 今日ハトアイブニノ代リニ
 英吉 銃ヲトッテ従フ。 船頭 横山君 自ラ舟ニ棹サシテ送ル舟ヨリ
 アガリ 手ヲトッテ砂頭ヲ歩ク 遂ニ オチョポッカニ ヒッパッテ来
 ル。 サキノ又横手ノバンヤニ○○ヲモラウ。 チエペンルンノ埼
 アア如何ニ心ニカカル ナツカシノ カナンノ岬ヨ ○○○トシテ
 林恋 ○色ヲ見テ震ヒ 煙○ 終日 ヨセテハ返ス チエペンルン
 路ハ ホノカニ砂地ヲ ワタッテ 海クレチカク 海藻ヲ ヒタス 一角々
 埼ヲメグルト オチョポッカノ 河口 ソノ砂上 第一ノ家 ソレハ
 ソレハ 彼ガ chise デアル
   チエペンルンノ埼ヲマガッタ。 暮霧モコトシテ 見馴レタ 見馴レタ
 侘村ノ家並ミ 左方ノ砂上 即クレガカル 中央一拠ニ高々 煙
 突ヲミセテ居ルハ、 我ガ家ダ。 歩々 人影モ 家並ノ開ニミエル。
 足ガ時々 ケツマゲル。 砂上ヲ上下スル ヘツカッタラ 川原ニ
 近ク○然 立ッテ小手ウチカザセル 白髪白髭ノ 老夷モ
 ミエル 海頭ニ近ヅクト 禿頭偉大ノ老夷 鱒ニタル 腹ヲダシ
 
 タル伊八 駈ケテ来リ   イランカラブテ ト松ヲコイデワタス。    原 文 P17
 ○々タル 川原面ノ ainu utara 老幼 男女 皆 魚ヲコシ
 ラヘテドレカレレトモミエヌ。 一見目ヲ走ラシテソレトオボシイモノガ
 見アラナイ 色々ナ okkayoノ側ニムカラヘレテ 蓆ニ入ル ドー
 モ一人ハミエナイ。 時ニ曰時 空腹コラヘル事ガデキナイ。 ケレド
 モソレヨリモソレガ。 足ヲ洗ヒニ川原ヘ行ク。 百 ヲ数ヘル
 アマタノ メノコノ中 コナタラ向イテ一人  笑タノガアル ヨクミルト
 キモノガ チガッテ 居テ ワカラナンダ。 ヤッパリソレダ。二度
 トハ併シ乍ラ ミヌ。 余モ。 ケレドモ 安心シテ カヘル。
   早速飯ヲ用意シ 例ノ川原ニ湯ヲ立テテ横山君ト一所ニハイッタ。
 サキ首ニ出モノヲ出シテ居ル ○○○紙 ヲ貼リカヘテヤル 膝ニ面ヲフセテ アタ
 タカミ肌ニ ウツル 横山クン ハイッテ来テ ヒヤカス。
   夕景ヨリ 踊ヲハジメル 女群 家ノ内ニ入ッテヤルト 男群外ニ集テ
 ヤル。 横山君、 小田原サン 男群ニ入ッテヨクオドル 笑声歓呼ワクガ如シ。
 
 八月廿三日
 
   朝早く ヤッテ来テ居ル 音ニオコサレテ 顔アラヒニ行ク ヨシ子 ワヨ
 サキモ 見テ来タ。 慣レスギテ横山クント○○ケンクワヲシテ居ル目デニランデスグ側ニ
 向ク。 午前横山君馬ニ乗ジテ去ル。
   色々ノ事 キクケレド慣レスギテ速カニ 答ヘズ 少し困マリハジメタ
 フーレハ其ノ後遠ザカッタガ コレハ キキサヘスレバヨク教ヘル
 ガ ゴクオトナシク 内気ダ サキガ来ルト 黙シテシマヒガチダ フーレ
 ニキイテルト 彼ハヤッキトナッテ 答ヘル
   小田原サンノ令デ風呂ヲタテハジメタ 雨フリテ中止 サキ ホ
 ゴシテ居ル ソノ中ニ雨ガハレタノデ 晩餐かなモ オドリニ耳ハセ

 テ今ガハジマルト待テ居ル。 トートーハジマッテシマッタノデ先生ノ  原 文 P18
 顔ハ 不平ラシイ
 
 八月廿四日
 
   相変ラズ 朝ハヤク来ル 横田ノオドノ所デハ メノコ晩
 夜 皆帰ッタトテ サビシガッテタ。 朝飯スムト居ナクナッ
 テ 昼ニナッテモ カヘラヌ 隣リノ 女ニ助ケラレテ 昼ハスマス○
 カラトナクキクト イタブクスナイ ノ 内ヘ女ノ子ノ群ト交リテ行ッタソー
 ナ。 ソー聞クト 実ニサビシイ 昼ニナッテモ来ナイカッタ。 昼飯
 スンデモコナカッタ。 水桶 携ヘテ 日記ヲステ ブラブラ
 泉ヲ波ミニ眞砂子路ヲユク 白波ノヨルヨルイロイロナ
 事ヲ想フ 故郷ノ事 東都ノ事 俄然 我ト サメ イキ
 ドホリテ泉ニツク 砂上ノ足アト 誰ガソレトモワカヌニ ソゾ
 ロニ又 小サキ草花ツミテ 想ノ実ヲ萌シソム。 例ノ古
 木ノ流レヨルニ ヨリカカリテ 白雲○○ 天地ノ偲シタル
 大海ノE々 タルヲ ナガメツクシテ、 余日 少キヲ イタミ
 ツブサニ想ヲコラシテ 日記ヲ ススメテミル コノ頃ヲミテ
 日々許リヲ オクラセタリ。
   人来ル 豆ノ如ク。 ノ岬ニミユ 犬アリ走リテ水汀ニ
 下リ岬ヲ ノボリ ナカニ入リ 杜 ヲウガツ トキ事飛ブガ如
 シ 我度々 アイヌ人 住キ アラヌ人来リテ自モ暮
 シ ソナ心地ス 帰ラウカト思フ 帰リタクモナイ
   犬走リ白波立ツ 面 岬上へ四五ノ豆ノヤウナ人
 アラハル 女ラシイ。 ソソカス心オドル。
 
 心ヲ沈メテ ワキ目ヲフラズ 物書イテ居ル 大木ニ依然腰        原 文 P19
 カケテ 左方ニ花ヲオキナガラ。 一行ハ近ヅイテ来タ。 顔ヲアゲル。
 ヤアト呼ンデ nukene eoman te ech !  Sattre kara kusu
 馳セテ行ッテミル サキヲソラシテ フーレ前垂ヲ示ス 紅紫ノ木ノ葉一パイ。 一ツブ
 タベテミル ソレカラ サキヲミル。 ヨシ子 ソヨ子 カヨ サダ 四ケ村
 美人群ヲ アツメテ居タ anuka an wakkata kusu ariki
 ト云ッテ 泉ノ所ニ清水一パイニナッテル桶ヲトリニカヘル。 重イ。
 サキ 一行カラ ハグレテ一人ヤッテクル 途中ニヒヤカスモノ
 ガ キコエタ 少シ面テヲソメテ ハセテ来テ側ニ タタズン
 ダ 微風 髪ト手拭トヲ吹イテ帰リユク メノコノ群ノ方ニ向フ
 汝ノ迎ヒニ来テタンダヨ アァ 待タ 待タ 三時○○ 来ル
 カ 来ルカト アシアノ岬ヲ ナガメ クラシテ 立ッテ居タ」 指ス
 彼方ハ 潮風紫ニ 日カゲル埼ニ磯ノ花チル逞波ノケ
 ハヒ。
   無言デソノ前垂レカラ 二粒三粒拾ッテタベル。
 アアスッパイ 眉ヲヒソメテ アンマリ クフト又 腹ガイタク
 ナルヨ、 前垂ヲタタンデジッシ コチ見タ 紫ノ霞ナビク ト見ル両ツノ○
 静カサ 海ノオト 鴎ナイテ 飛ンデユク。
   皆ノ姿ハ オタカタ ハルカニ小サク ナッテユク 鱒ホス クマノ
 下ニ消エテシマフ 二人ハ腰ヲ上ゲテ 桶ヲ サゲテ立チアガル。 カヘル
 カタミニモツ
   ナレスギタ憾ミガアル 折ハマゼッカヘス。 発音ヲトヒカヘスト
 ウワナキレ ト クドイナトイフヤウナ 見ツキ ミセテ フリムイテミセル。
 
    ソウカ ト云ッテ吾ハ ソノママ 窓ニ向イタ 振シテフリムカヌ     原 文 P20
 ヒトリデ物カギ始メタ 少シハ 黙ッテ居ル 向フデモダマル。 マ
 ケジト ダマッテ 振リ フリムカヌ。 田口氏 小田原サン ハイッテ来テ イロイロ物
 言ヒ 可笑シナ事ナト゜言ッテ タダ 笑ヒヲ惹カウト試ミルラシイ 二人
 出タ。 己ガ 後近クニ来テ腰カケタ 何カツブヤク キカヌフリシテ動
 カヌ 夕餉ニナラントシテ英吉風呂ヲ報ジ来ル。 ソチミヌヤウニ立ッテ
 風呂ニユク 川原ノ側ノ風呂 人バナレ ○フカキ 岸ノ上 遠近
 ノ山 暮レントシテ 川波クラク 涼風ホノカニ草末ヲ渡ッテクル
 側ノ子供等 アタリニ物珍ラシゲニヨッテ来ル。 脱イダ衣類
 ヲ オクベク 例ノ○油カッパヲ モッテ来ヨト サキニ行ッテ言ヘトイヘ
 バ ヘブトンマ行ク。 ヤヤアッテ 向フノ坂ヲ下リテ ヤッテ来ル。
 片手ニ○油ヲ以テ静カニ。
   ○油ヲ オイテ尚立ッテ居ル an seturu kurai ト背ヲ
 ムク 流ス。 pirika ト云ッテ手拭ヲ渡ス 己ラ手ヲ拭
 ヒテ anramu wen(悲シイ) ト 一言曰ッタ。 「hemata kusu」
 ト曰ッタ 「aneramishikare」 ダガ タメイキシテ シバ
 タタク。 nata wante? ト云エバ  Eani pate 君コソ
 手拭ヲ己ガ手ニ オシテ置ク
   苟クモ肌ソヘ アラハスハ 大嫌ヒダ厳格ニ ○ダモアラハサズ
 ニ○密ニ衣ヲキテ下ル ○油ヲ以テ、 以テカヘラウトスル ピリカ
 ト云ッテ hauka eram wen uwa ト肩ヲオサヘテ 一歩 先立チテ
 家ニ帰ル。
 若キ心ハ 感ジ易キナ 微妙ノ器械ノヤウダ スベテハ無言ノ
 
 裏ニ語サレタ。 沈黙ノ雄弁ハ コノ一瞬ニ○○シ終ッタニ          原 文 P21
 テノ心ノモツレヲ 見事ニ解キ終ッタ。 慣れ安心スルト スグユルム
 慣レルトスグニ オソレヲ忘ル 夕景ヨリ オドリハジマラントシテイ
 ル所ニハイル。 ヨシ子 サキ ユキ サダ カヨ トッケシ フーレ皆
 居ル ヨシ子 サダトムックヲ弾くズ サキノ右側ニ座シ トンコリ ノ弾
 キ方ヲ知ラント ノゾイテル 左ヨリ 時々 身ニ触シ来ル 顔ガアル
 オドリヲヤルベシト サソー kehkeh、ト催イ出ス。 皆出タ
 ヲッカヨ ウタラ板ノ下デ ハシタテル マヘ子クウタラ タメラッ
 テル 又。 自分カラ催サ子バナカナカ ハジマラヌト見タ 己レ
 ハ heh heh hechin kane  ト マズサキ 肩ヲウツ
 モー元ノ慣レタル 家○ノヤウダ muheneku utaru
 tu  ト肩ヲ イヤニ フッタ ソーカ チヤカヘラウト アトヲモ
 ミズ駈足デ走リカヘル
 カヘッテバカ ダトヒトリデ 叱シテ寝ル。
 
 八月廿五日
 
   何ダカ オモシロクナイ。 シカシ モトヲ養ンデ虚心ニ忘レ
 去ッテモトニカヘリタイ。 朝飯スルトハヤク家ヘ行ッテシマッタ 人モ来タシソレニオレモ
 ソー物ガイヘナカッタシ 彼モイハナカッタカラ。
   タイクツニ 運動ダト云ッテ小桶サゲテ出タ。 手帳 日誌ヲ懐
 ニシテ。 例ノ流木ニ腰ウチカケ 花ヲツンデ 水ノタマルノヲ待ッテ
 居ル ドコノダカ メノコガヤッテクル 若シカト思ッタガ アラウ筈
 ガナイ イラヌメノコダ 水クンデ行ク 物モイハナカッタ 湾ヘ
 出テ 歌ヲ ウタフ。 三郎ガヤッテキタ 又水ヲクンデイテリ saki
 
 otta eomante to no wakkata ト ye kane ト云ッテヤル           原 文 P22
 波ウチギワヲ ブラト小サク 後影ガタダノテユク ヤヤアッテ
 ヲタカタニ 乙女 アラハレタ モシカトオモフ。 デハナカッタ 南
 ノ方 チヒペンル岬ヨリ山 ノ岬マデカスミカ キラコロカヤ
 ケル 豆ノ如キ人カゲ 時ニ 希ニ ミエル事ガアルバカリ長
 汀 曲 浦 一瞥ノ中ニトホク メグリメグリテ陸ヲ○○ナ我
 里 人カゲタヘテ 心 サビシ。
   ハルカニ ソークンノ 岬ヨリ小サキ子供ノ ムレガミエタ。 チカーマ
 ユーキ ソークン、ノ小サキメノコノムレダ 花ヲツムト ヨロ
 コンデキテ 花ヲツンデハ トノトノ ト皆モッテクル 手ニモチ
 アマル 名ヲトヘバ シラヌ花ぐさ 内地ノ 春 ヨリモオビ
 タダシ。 tono wakka tura koya kush an
 saki otta ye ka ト ○トリニ 云ヒ フクヌヲヤッテミル。
 シバラク タッタ。
   コンドコソ。 シカシ チガフ。 ワカラナイ格好ダ ヒトリノ
 男ノ児ヲツレテ居ル 明カニ 定三郎ダ イヨイヨ チカズイテクル
 ○一寸ワカラヌ 小手ウチカザシテヨクヨクミルト ヤハリ
 ソーダ ニッコリ笑ッテ居タ。 ヨクキテクレタ コナイカト思
 ッテ居タッタ ドーシタエ マルデ別ノ人ノヤウダッタ トイフト
 an che kara kusu ト ホホエンダ 眞砂子ヲシイテ 庄三郎
 ト長クナッテ居ル 日ガアツイ 虫ガ来ル 上ノキモノヲ一枚ヌイデ布ク
 虫ガ顔ニクル サキカブル 庄三 モ入ル。 an okana ahun rusui
 ト両方笑フ。 ハルカニ村屋ノノギハ カスミテ 犬ノタハムレデ オタカタ
 
 ヲハシリマワルノガ小石位ニミエル。 ココハイイトテ 細ナガキ 崖ヲ   原 文 P23
 軒ノ如ク 葉カグレニ入ル teda eh ! 赤ルキ顔ニ 目ノミ仰デ
 コナタニヨブ ナランデ 葉カグレニ ヨリカカル。 ダマッテ立ッテル ○○
 ○ 腰ノオトモ相ウツル。 指頭ガアタルカラ 指端ニフレタ ウナジヲ
 マイテ 両ツノ ツムクハ下向イタ。 ナデシコノ花ガ足モトノマワリ
 ニタホレタママ。 紅ニサキ ナビク。
   ツト立ツ ソークンノ岬 船ガ小サクミエル 鴎ガトンデ白波
 手ノ如ク 岸ニアガッテミエル。 カエル。 カハルガハルニ桶ヲモツ
 崖ヲアガルト 田口サン戸ニ立ッテ居タ ツヅイテ サキガ上ルト変ナ
 顔シテハイッタ。 水桶ヤラヲ 堤ゲテ入ルト ワザト ○○労○ ヲ
 丁寧ニ曰ッテ ドーモ折角ノ御骨折ノ所 早速 御飯ヲ アゲタイノダ
 ガ マダナンニモ 支度ガオクレテ・・・一時モスギテルノニ トアテコト
 云ハレタ。 少シ マゴヅク。
   サット、 取リニ行キタイ 話ヲシテル。 「サッキ ユーキ 等ガトッ
 テ来タッケ」 「エー ユーキト チヤーマ ト・・・」 「ムム。 ソレカラ 私ガ水汲
 ンデルトイウ事ヲ 汝ニシラセテイテタノハ タレダ」 ト云ッタラ 「我ダ」
 コレデ 帳場ノ心ハ トケタラシイ
   今日カラ○ントス 全クモトニカエッタ。
   新客 夕ベ船ニ乗ッテ来ル イタツクス メイノ漁業主 金沢氏 一切ノ食物繕
 クック人足ヲ満載シタル ベンザイ オチョポッカ河岸ノ ミドリ シタヘル麓ニ
 着ス。 晩涼 ○ヲアゲ 川原ニ鳥ヲ射テ 七リニ焼ク 川ニ鱒ヲ
 ツイテ 岸上飯ヲ煮ル 水瓜ヲワッテ 晩風ニ○〆 酒杯
 ヲアゲテ 水月ヲミル。 豪遊コノ人ニシテコノ事アリ。 土人疑視
 
 セルモノアリ 鱒ヲヌスムニ来タノカト 云フモノガアッタト 俄ニ気色バミテ  原 文 P24
 鱒ヲトラフル事ヲ制シ声ヲ○マシテ居タリ。 日全ククレ涼気○
 ニミチ船ヲ上ル所ニ小田原サン帰ラル 更ニ室内ニ入ッテ大酒餐
 ニウツル サキヲヨンデ杓ヲサス 酔ッテ メノコヒトリヲ所望セントサ
 サヤク 酒ヲツイデ サキニ○シ甘言 揶揄 サキ次第ニヨッテ ○
 カガヤキ頃 赤丹ノ色シテ○丹人ニホツ○○○○ノ間風前ノ海藻ノ
 ヤウダ。 ドーモ不愉快デ 座シタハ タマラナクナッタ。 イクラモ イクラモ 主人ハ杯ヲ
 ヤル イクラモ 幾ラモ 杯ヲウケテ全ク 甘言ニツラレ終ラントス 自分モ大変
 酔ッタ朦朧タル瞳ヲミハッテ時ニ注意ヲ払レトモ チットモ気ガツカバ
 コソ苦シクナッテ小用ニ立チ面テヲ 暗風ニカセテ 海上ニ向
 フ崖ノ上。 足モトハルカニ磯ウツ 暗潮。 例ノ歌ヲ大声ニ吟ズ
 サキ 後ロニ来テ ホホトワラッテ振リムケバ サトニゲテ ハハト許リ
 ニ去ッタ irukae teita ト呼ンデミタガ モー居ラヌ 後ロ
 ニ康之助ト並太郎トガ 立ッテ 座敷ノ様子ヲ窺ヒツツ 立ッテ
 居ルラシイ。 康之助ニササヤイテ危イ気 今夜 サキヲタノムゾ
 抱イテモツレテ帰レヨト曰ヘバ 一寸頭ヲカシゲテ エエト ウナヅ
 イタ タノモシト 座敷ニ帰ラウトスレバ 主人ノ従僕 戸ノ中カラ
 吾等ノ会話ヲミテ居ルノガ二人アッタ。 ゴマカスタメ又 康之助ニ
 近ヅイテ 随分タカイ背ダ 僕ヨリ ドノ位タカイカト スリヨッテミ セ
 テ ヨッタ フリシテ ソシテ帰ル。 サキ アブナイ ガ モー十二
 時モ近イノニ マダ酒ヲヨンデ 我ラモ   ヤリハジメル 自分ハ
 飯ヲタベタガアトハ サキモ 隣家ノ女モタベズニ 酒席ニ
 アッ旋シテル。 康之助 トリリトハイッテクル 主人盃ヲ
 
 アゲテ トリリニサス。 フクム所アル如ク 受クルヲ 肯ゼヌ。 目デ○    原 文 P25
 ○シ 口ヲキワメテ スカシテ 受ケサセタ 康之助ニ サス 又受ケタ
 トカクシテ ススメタラ苦笑シテウケタ。 一寸ワキノ事 考ヘテル中
 ニ ナニヤラ トリリ物ヲ云ヒハジメテ 主人ガ弁解シ又諭シテ
 居ルケレドモ ナカナカキカヌ 康之助モ口ヲハサンデ ナダメタガ
 トリリ 承知シナイ。 揶揄度ニスギテ 都々ヨリ ソノマニサキハ
 ス子テ帰リ去ッタ。 主人ハトリリノ タメニ サラバ今夜 船ヲ臨
 検セシメテ カヘラセン自ラ 行カウト曰リテ提灯トモシテ二人出
 タ。 暫クアリテ 従者来ル 曰 主人  船ニ子テ上ラズト
 小田原サント二人 ハハア 腹立テタナト 思ッテ出テ行ク ○
 半論タイ ○○ノ夜○○涼。 主人辞フテ 舟ヲ上ラズ
 大声痛罵 船底ヲ オトス。 小田原巡査 ワザト声アララゲテ
 マア ドーシタトイフンダニ 君モ馬鹿ナ奴ダト ガタガタ船ニ入
 ッテ 連レ去ラウトスレド 主人キカズ 大声募リ合セテ 火ノ如キ
 主人 頑トシテキカナイ アキレテ小田原 モ 何度カ ヨシタガ尚イロ
 イロト 或ハ声ヲ和ゲ 或ハ 罵リ返シテ スカシダマシ 辛ジテ連
 レテ 陸ニ上ッタ。 主人怒 尚トケズ 却ッテ声ハ 順々トシテ オイ
 安之助 トリリ、 汝等ハ ナゼ船底ヲアラタメテ見ナイカ? 見ロ
 見ロ ドコニ鱒ヲトッタカ 又 ドコニ鱒ヲトル道具ヲ オイタカ サア
 見ロ 見ロ 船頭ドモ 見セテヤレ ソッチモ ソノフチモ サキ
 ノ板モ アゲテミセ コッチノ 隅モ 床ヲハナシテ 下見セロ
 ソレ ソレ ソレト ノコル隅ナク皆ミセ 最後ニ 一ツ アッタ網
 マデ示シテ サア コン度ハ網ヲミセテヤレ
 
 声ヲカラシテ呼ンデトートー全ク 疑念ヲ晴らラサシメテヘタリ ト思ヒテ    原 文 P26
 土人ノ謝辞ヲ期待スル所ニ ○図ランヤ  安之助辞ハ 愚カ 尚少シモ
 疑念ハ晴レヌラシイ 却ッテ当然ノ事ノヤウニ平然トシタ 顔 ツキダハン
 ナクモ 打カハサルル一語ノ間ニ 酔パライノ 悪機嫌ガ 殆ンド喧
 嘩腰ナルヤ安之助モ ナンダオマイ ゴロヅキニ来タノカト 言
 ヒハナッタ 而ト怒ッタ主人 ナッ ナッ ナンダ安之助 ト歯ガミヲ
 シテススミ 荒涼タル河岸ノ川原、月下 大男ノ大立舞 将ニ
 大活劇ヲ 意起セント シタガ ヤットノ事デ両方ヲヒキワケテ小
 田原氏ハ主人ヲ家ニツレテ来タ。 家ヘ入ッテ 子ルト思ヒノ外
 服ヲ着、 八人ノ従者眠リタケナハナルヲ ヨビ起シテ 半夜
 遂ニ舟ニ乗ジテ去ル。 マルデ 大番一時ニ黒キ雲ヲサキ
 天ヲ廻ッテ 割然トシテ大気ヒラケタヤウダ。 子ル。
 
 8.26
 
   子テル中ニ モー来テ居ル。 ユーベノ事デツカレテ ワレ等ハ
 ヤットオキタ。 昨夜ノ 急械ヲ ヲシケルト ナーニ 一々 床ニコボシ
 テ居タカラト。 心配スル目ニハ ヨウテミエルノ ニヤ
 
 8 27
 
   皆ガ山ヘ行クトテ 自分モ行キタサニ気モ気デナイ。 ケレドモ
 an oman kane rusui ト云ッテ居タ。
 
 8 28
 
 苺行ク 行キタガッテタ
 
 8 29
 
   大雨 歌 カンビ 書イテクレトイフ 子供等 サダ等 ヤソケシ等
 来テアソブ躊躇シテルト怒ル。 トートーミケテカイテヤッタ 又ナクスルノダ
 ラウト思フケレド ト あいぬ五デイフ 笑ッテ教ヘ直シテクレタ。
 
 8.30
 
 小田原         サキノ家ヘハイッテミル。 キモノ タクサンミセル。   原 文 P27

 ウタカイテクレトイフ 字ヲナラヒタイトイフ カイテ教ヘテヤル
 晩 船来ル。 雷電 石田君上ッテ来タ。 再会ノウレシサ。 晩餐ヲ共
 ニス 巡査部長 小泉氏トマリ 水産ノ小山内氏ト 石田氏ト舟
 ヘカヘル クライ潮 磯ニウツ 今夜トメテ話ハキキタイ
 ケレド 濱マデ オクッテヤル。
 
 9.1.
 
   空ハレテ気スミ 朝ノ○ヤラヲ 河濱ノ風色 己ニ争ハレヌ
 秋ダ 野外シハ之、 名モシラヌ中ニ○○犬 ウツクシク○リ
 開ク。 ソロソロ立タ子バナラヌ。
   小田原 田口 ニ氏共ニ トンナイチャニユク サキト二人
 ノ留守ダ 字ヲヲシフ ハズカシイ
-----------------------------------------------------------------------

以上でオチョポッカの日記は、終わっております・・・百年前の樺太の様子、想像頂けたでしょうか

ただ、解らない部分が在り・・・解読しきれなかった事をお詫び申し上げます。
ご存じの方、ご一報下さると、この上ない幸せに存じます。m(_ _)m
 


11/10/10 (月)  大分○を無くした・・・(*^_^*)


読む方は、解らなくても・・・自分で解れば良いとカタカナの古さそのままで書いている。
ユーカラも同じで原文の一音を大事にする直訳・・・雅語はニュアンスが在って
詩だと云うことを忘れた訳は・・・その奥に潜んでいる真意が消えると思う(*^_^*)

金田一博士の余り説明的に訳すと・・・元の意味が壊れると云う意味解るような気がする。
今まで何故?・・・ユーカラの中身を検討しなかったのか?・・・

虎杖丸の曲だけでも、ワカルパ・金成マツ・ヤヤシ・鍋沢元藏・・・を較べると
歴然としているのに・・・
金田一博士の日記を読むと・・・知里幸恵の神謡集の序の言葉が胡散臭く聞こえてくる。
樺太のサキ・・・紫雲古津のユキ・・・とは違ったアイヌの世界が紹介されている。
本当のアイヌの世界は、サキとユキで想像出来るようである。(*^_^*)
 


11/10/09 ()  オチョポッカの日記・・・○が多すぎる(*^_^*)


もう少し解読度を高めて・・・○を少なくしなければ駄目だと思って・・・今日は休み(*^_^*)
24日と25日は、クライマックスに成っているので・・・そこを何とかしようと思っている。

今度の休み11日に・・・頑張ってみようと思う
 


11/10/08 (土)  オチョポッカの日記・・・8月8日   解らない文字○です(*^_^*)


 
八月八日    原 文

    
晴、北風、日アカアカト窓ニ入リテ ヤット起キタ  
 

 アイヌ文典及び字彙ノ稿ヲ起ス。クサエ来テ ビールヲセビル争マケ 砂糖ゴトカエル

 

 弥一郎 時次郎ト河口ニ鱒ヲトリ ソノスズ子デ ヤマベヲ釣ラウトイフ

  

 計画、鱒ヲトッテ来テミタラ 弥一郎 大切ノ針ヲナクシテ居タ。水少ク

 

 鱒ハ背ヲ水面ニ表ハシテナラビ登ル 岡岸ヨリ下駄ノママデツリ。

 

 帳場来テ 例ノ通リノ水デ料理

 

    トンナイチャヨリ使アリ 横
山君ヨリ アイヌ語ノ手続

 

 ツイテタ様 「官小用」

 

   巡査 小田原氏 当地赴任 イヨイヨ午後 夕景到着 晩

 

 酌ビールヲカタムケ微薫ヲ帯ビ酒々 夷郷ノ生活初メテ世

 

 間クサク活気ヲ帯ビテ来タ。メノコ中ノ美中 サキ子明眸

 

 皓歯 柳眉 画クガ如ク 睫毛 カゲコク 被リ ハエギハ美

 

 シイ 二七ノ少女菓子ヲトリニ来タノヘ 小田氏 今晩ヨリ

 

 膳部ノ洗イ方及水汲ヲ命ジサトス 丁度 夷長 安之助

 

 来リ食ス 好機会トシテ又之ニ云ヒフクム。丁度夕餉の時分

 

 ニ来ル。夕餉オソクシテ末スマズ 端ニ腰ヲカケテ済

 

 ムノヲマツ タベツツ色々ノ事ヲ キク

 

   済マリ ヤヒヤヒシク 洗ツテ 少シ物曰ハシ ウツムイテ答

 

 ヘテ 行ク。

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如何でしょうか?・・・独り言読んで下さっている方々・・・(*^_^*)
習字をとことん習っていたら・・・解る字も在るんですが・・・残念ながらスミマセン(-_-;)
只、北海道とか東北の人には解るかもしれません・・・

樺太に渡ってから数日経ってから書かれたように思います・・・
そこで・・・突然現れたピリカメノコ・・・博士は画家に成りたかったが手を怪我されて
諦めた経緯が在ります・・・ですから美人画を沢山観られていたと思います。

明眸皓歯(めいぼうこうし) 柳眉(りゅうび)と云えば・・・美女を表現する言葉・・・
矢張りユーカラに出てくる美しい媛たちは、そうなんだろうと思った。
 


11/10/07 (金)  オチョポッカの日記・・・6


金田一博士の特技として・・・どんな場合にでも寝られるというのがある・・・(*^_^*)
睡眠は、その情報を整理するのに絶対不可欠らしいが・・・

博士の表現は詩的で、面白い・・・余計なことを書かずに・・・寝タ ! と締め括るのがイイ
クヨクヨ考えたって・・・新しい気持ちで朝を迎えないと損だ !
踏査の旅先で色々な修羅場にも出会って・・・人間と云うものを学んだのでしょうネ

人種も違うし、習慣・言葉も違うアイヌ民俗が本当に好きで・・・
永遠に残って欲しいと思っていたんだと感じる・・・だから欠点も見えたんだと思う。
どうでも良かったら・・・欠点は、云わない筈
欠点こそ・・・転じれば利点(美点)になる・・・パラドックス(背理)

アイヌのオイナ・ユーカラ・カムイユーカラ・メノコユーカラは、各々の矛盾点を補って
一つの曼陀羅を形成しているように思っています。

男のユーカラと女の謡いもの・・・アイヌ(人間)に生活の知恵を教えたオイナカムイ
その他に生き物全部・・・カムイ・・・悪神も善神も・・・
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最近、安東氏が蝦夷の覇権を巡って内部紛争で敗走して蝦夷のホンの一部に
橋頭堡を築いた時期とポイヤウンペがイケスイした時期と一致する点が
気に掛かるように成ってきた。(*^_^*)

そして、コシャマインの蜂起・・・ポイヤウンペのように犬に集る蚤まで・・・
噂するものを殺し尽す鉄則を守りきれなかった
アイヌは、チャランケと云う賠償で解決する方法を併用する習慣がある。
ユーカラでも出てくるが・・・ポイヤウンペは、戦う以上捲土重来を許さない。

日本側からの文字による歴史は、安東氏の交易の記録から解るが・・・
その前は、アイヌ側の記録ユーカラでしか解らない。
近世・近代のものは、確かに娯楽用のものであるかも知れないが・・・
中世のものの紫雲古津に残っていたものとハッキリ区別しなければ・・・
誤解は解けない・・・

カムイユーカラがアイヌの世界を表現しているとして・・・表にでているが
単独では、不十分で古代・中世の葛藤の歴史を補強するものとして
捉える必要がある・・・カムイユーカラの一人歩きは、誤解を生む
カムイオイナ・ユーカラ・メノコユーカラ・カムイユーカラの四点セットを
基本に据えて・・・各地方のウゥエペケレが取り巻き、豊かさが
浮かび上がってくることを知って貰いたいと思っている(*^_^*)
 


11/10/06 (木)  オチョポッカの日記・・・5


昨日は休みだったので・・・日記の原文をスキャンし編集して
アップしておいた
これを解読しなければならないんです・・・(*^_^*)
如何に貴重な記録か・・・100年前の出来事が鮮明に浮かび上がる

ソー云えば・・・子供達の顔とかサキの横顔を描いたのが在ったナ〜
コピーして来ようかナ(*^_^*)
今月は、この独り言の欄を利用して・・・8日からHTMLにしていこうかナ?
書き終わったら・・・纏めてアップすると良いかも・・・(*^_^*)

それと平行してワカルパ翁の残っている1曲のユーカラの翻訳を進めようかナ
今月からパソコンに直接打ち込めない事情になったので・・・先ずノートに転記だな〜
覆舟変化物語だと良いのだがネ(*^_^*)
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驚いた!・・・何とスラスラと読み進める力が付いたのか?
ワカルパ翁のHauを1時間半で読み終えた
覆舟変化物語でなかった(*^_^*)
 


11/10/05 (水)  オチョポッカの日記・・・4


ようやく9月1日まで済んで・・・ページ数にして22頁に成った
なにせ明治時代の文章なので・・・現代っ子には、読めるだろうか?(*^_^*)
サキと云う少女(17歳?)は、本当にピリカメノコだったらしい・・・
美人を絵にしたようだと博士は表現している
眉は柳眉・・・目元明るく澄んで涼しげで口元歯並び美しく・・・睫毛影濃く、生え際美しいと
微笑むと心とろけそうな可愛らしい少女だったのでしょう・・・

それと山辺安之助は、トンナイチャの酋長ラマンテのNo2では無くて・・・
オチョポッカの酋長であったらしい・・・(*^_^*)
安之助も大男であったらしい・・・金田一博士にしてみると恩人だったんですネ
南極探検の犬を用意して・・・置いて来た安之助って・・・凄い人だと思う
私が子供の頃カラフト犬って大きな犬が行商のリヤカーとか橇とか引いていたの
覚えている・・・性質は大人しくて決して噛みついたりしないワンコ
吹雪でも外で円くなって寝ていたのを思い出す・・・

日記にもワンコが出てくるけど・・・恐らくカラフト犬だと思う・・・
樺太には、もう居なくなったのだろうか?
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今日、浜益に行こうと思っていたが・・・メガネのフレームポッキリ折れてしまい
取り替えて来たので・・・次の休みになってしまった(*^_^*)

金田一博士の踏査の中で・・・明治40年の樺太は、物凄い比重を占めていると思う
心のままに文章にするのは、チト勇気が要る・・・
でも、誤解されても平然としていられるのは、修羅場を経験しているから・・・
どんな場合でも平気で眠ることが出来た博士は、達観されていた?
生きると云うことは・・・衣食住を確保することに他ならない
その為には、働きと云うことが関係してくる・・・

非常に難しいが・・・収入が先か?・・・働きが先か?・・・
働きが先に決まっているのに・・・収入が気になる・・・
 


11/10/04 (火)  オチョポッカの日記・・・3


今日は、8月24日から25日の途中まで進んだ・・・24日は3頁、25日は5頁在って・・・
一番面白い場面を残している・・・(^m^)
今晩で一通り分る所を書き終えるが・・・私と同世代の人に国語辞典でお世話になった
金田一博士(名前を貸しただけらしいが・・)の若い時(25歳)の文章を
読んでみて頂きたいと云う気持ちが・・・強くなっている

自分の25歳の時と較べてみたりすると・・・人は同じようなことをしているものだと思ったりする。
金田一博士の踏査は、冒険そのもので・・・子供達に伝えたいと思う。
小学生の頃・・・キプリングのジャングルブックを40ワット電球の下、夢中で読んだ(*^_^*)
でも、それはフィクションでも現実のようにイメージされた・・・

現実の体験をそのまま・・・生々しく伝える度胸って金田一博士にしか出来ないかも?
それから7年経って・・・ワカルパ翁に逢えた奇蹟・・・
しかし、普段話しているyayanitakではどうしても分らないatomteitak・・・
本当に一音違っても・・・訳せなくなるアイヌの物語・・・
全体の粗筋は誰にも出来るんです・・・しかし、雅語は手強い・・・アイヌも解らない(*^_^*)


11/10/03 (月)  オチョポッカの日記・・・2


今日は8月14日から23日まで進んだ・・・後2日で終わるか?どうか?
現在、大学ノートに書き込んでいるのだが・・・それをHTMLに書き直さないといけないが
一頁に全部書くと60KBくらいならイイけどネ〜・・・たぶん大丈夫だと思う。(*^_^*)

只、原文は、スキャン画像を使おうと思っているので・・・どう編集するか?
恐らく原文は、何方も読めないと思う・・・金田一博士独特のものがあるので・・・
筆録を転記して訳を付けたことの無い方はそうだと思う・・・(*^_^*)
オチョポッカの日記は、北方領土にも関係している資料なので・・・
これは、日本人であれば・・・協力して明らかにしておくべきだと思う。

国でも道でも良いから取り組むべきだと思う・・・北海道各地の識者が力を寄せ集めて・・・
その種蒔きをしているような私の作業・・・
日本の頭脳・・・金田一博士25歳の若さそのものの日記・・・(^m^)

日本で初めてアイヌ文化の研究に取り組んだ博士・・・全くの冒険者だった
オチョポッカにサキと云うピリカメノコが居たんですネ〜
四尺超のマスノスケを鉄砲で捕ったり・・・安之助が早くから関わっていたこととか・・・
滞在45日の内の24日分だけれど・・・中身が濃い・・・
 


11/10/02 ()  オチョポッカの日記・・・


今日は、8月13日から15日まで進んだ・・・何か小説を読んでいるように面白い
でも、フィクションではない・・・
これは、どうしても分らない文字を○で表現して解読出来る所だけを書いても・・・
面白いと思う・・・そして、原文も公開すると解読して下さる方居るやも知れない。
お堅い言語学者では無い・・・一人の人間としての日記・・・
そして、その当時の樺太の生活ぶりが浮かんで来て・・・鮮やか
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今日は又、何気なく石狩の広報誌を手に取り読んでみると・・・
石狩では、大型データーセンターを造ると云うのは、以前から知っていたが
間もなく稼働するらしい・・・その関係もあってか?

ICT教育なるものが全国の小学校10校をモデルにしていて・・・石狩の小学校がその一つ
石狩市では、独自に浜益の小学校も4月からその一環に入れて運用してるらしい。
私が望んでいた体制が整ったと云うことですよネ〜(*^_^*)

今度の休みに浜益温泉のS氏とお話して来ようかな?
幌村の廃校ギャラリーの道が開けそうな気がしてきた・・・(*^_^*)
 


11/10/01 (土)  ユーカラの真義・・・


その遠い昔・・・文武両道に秀でていて、しかも美しい容姿の英雄がいて名を馳せていた
しかし、都の住人では無く・・・武人の総大将
ある時、余りにもその名声が高くなったので嫉妬して・・・都の軍勢が押し寄せた
やってられないわい !・・・として何処かに行ってしまった(*^_^*)

その時からアイヌは、滅びの道にどんどん進んで行った・・・これが真相
ユーカラでは、食べ物が無くなる飢饉というのを一番恐れている・・・
食べ物はその命を食べていることに感謝しなければ・・・罰が当たると説いている
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アイヌ文化の蘇りの問題点などを探って行きたいと思う・・・

オチョポッカの日記にざっと目を通してみたが・・・若い博士の心理がそのままで・・・
嘘を言う人では無いと思った・・・解読不明な所も沢山あるが・・・
金田一京助と云う優れた言語学者の一面を紹介出来ることに
全力を尽そうと思っている・・・博士はアイヌと云うのでは無くて人間が
好きだっただけなのだと・・・思った

その観点から・・・アイヌ文化の蘇りを検証し、実現する方法論を
展開してみようと思っている・・・
ワカルパ翁の11曲が揃ったら・・・アイヌ文化の見直しに入らないといけない
科学でやってきた生活は、便利だが・・・何分かの地震でみな無くなってしまう
それを復旧するには、膨大な費用が掛かる・・・
不便の利というものを考えないと・・・本当に人類滅ぶと思う
パラドックス(背理)・・・人間の手で造るものを尊重する北海道にしたいと思う
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オチョポッカの日記想像していたのと全然違う・・・(*^_^*)
大筋で8月8日〜8月12日まで進んだ・・・兎に角面白い !!
9月1日まで在るので・・・当分楽しめそうだ !!
何か8日以前に事件が在ったようだが・・・それは、分らない