ミケ子へ 6ぴき目へ

7ひき目のおさかな


1999年9月9日

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  九月になったら今度は秋雨前線の影響で、また雨ばかり。 さわやかな高原の夏を期待していたおとうさん達は、がっかりです。近所の話題も 「トウモロコシがダメになった」 「梅干しにカビが生えた」 等々。こんな夏は、はじめてだそうです。普段は100円のスーパーのキャベツとレタスが、1玉298円になってしまいました。うちでも作っておけばよかったね。でもきっと失敗してただろうな。
  雨だと畑仕事はお休みです。おとうさんは読書とテレビ。おかあさんは趣味のお菓子とパン作り。お姉ちゃんと私は、プロレスごっこ。お兄ちゃんは……一日中寝てます。


1999年9月13日


  種まきのシーズンです。近所の小さな雑貨屋さんや、八百屋さんの店先に野菜の種や苗が並びます。おかあさんたちは、キャベツやブロッコリーの苗を少しずつ買い集めています。
  国分には専門の種苗店があります。種イモの入荷予定が黒板に書いてあって、なんとなくプロの農家になった気分。 photo/m035.jpg
  いろいろな野菜の種を選んだついでに、おかあさんは猫の食べる草の種もさがしました。私たちは時々、草も食べます。胃の調子がよくない時とか、悪いものを食べちゃって吐き出したい時。(これ、お姉ちゃんに教わったの。) ペットショップで売ってる「猫の草」はエン麦だけど、少量パックで割高なんだって。リストを見せてもらったら、エン麦だけで5、6種類もあって1キロ300円〜580円。店の人は「へえ……猫がエン麦をねえ」と感心してました。ついでにウサギ用に、牧草(粟・稗の類)の種も買ってみました。秋には干し草が作れるかもね。


1999年9月20日

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  おかあさんが、なまり節を買ってきました!
  東京のスーパーで売ってるのは、たいてい2、3切れのパックで、やわらかくホロホロしてますが、鹿児島のはカツオブシと同じような塊を、包丁で薄くスライスして食べます。生姜醤油やマヨネーズをつけるとおいしいそうです。
  夕食の時、私たちにもちょっぴりずつ、おすそわけがありました。ツンツンした感触なので、前足でチョイチョイとつついて遊んだら、「コドモには早い」 と、おかあさんに取り上げられちゃった。
  後でお兄ちゃんが 「バカだなあ、ミケ子は。メチャうまかったのに」 「噛みしめるといい味ね。お酒のおつまみにぴったりだわ」 とお姉ちゃん。残念。この次は、しっかり食べなきゃ。


1999年9月26日

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  下の畑で犬の鳴き声がします。「林さん、犬飼ってたっけ?」 おとうさんたちはさっそく見にいきました。農機具置き場の小屋の入口に、白い犬が繋がれています。「やたらに吠えないし、馴れ馴れしくもない。いい犬だね」 と、おとうさん。
  実は最近、イノシシが林さんの畑を荒らしているそうです。トウモロコシ畑が一区画ごっそり、やられてしまいました。トラクターの轍みたいな跡が残っていて、なんと、子連れの夫婦で来てるんだって。
  知り合いの人の猟犬を借りて、見張りをしてもらっているそうです。犬にも、人材派遣があるんだね。


1999年9月30日


  台風18号が去って、秋がやってきました。澄んだ空。ひんやりした風。外の作業が 楽しそうです。おかあさんは種まき。おとうさんは、エンジン式の草刈り機で土手の草刈り。あたりにウィーンという音が響きます。
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 「ウサギたちもずいぶん、なついたから、放し飼いにしても大丈夫」 と林さんが言うのでやってみました。
  Boys (由伸・萌・キナコ) と Girls (クロパン・クリームパン・ジャムパン1号・2号) を一日おきに交代で外に出すことにしました。ウサギたちは、昼間は草を食べたり木陰で休んだりして、夕方になると、ラビットフードが欲しくて自分から小屋に戻ってきます。でも萌だけは2、3日いなくなって、おなかが減ると戻ってくるようです。こういうの、今はやりの「プチ家出」かな。



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