都心の一角にあるビルが地震によって地下の空洞に落下する。その状況下で起こる奇怪な現象の数々。果たして主人公達は無事に地上に出られるのだろうか……というのがおおまかなストーリー。
ぱっと見の雰囲気としては、「かまいたちの夜」に近いものがあるように思えます。背景が実写っぽい(あくまで「ぽい」ですが)ところやシルエットを使っているところ、密閉された空間でストーリーが進行するところなどがそう思わせるのでしょうか。大きく違うところはやはりシナリオの内容でしょう。「かまいたち」がミステリ中心になっているのに対して、この「ざくろ」はホラー、しかもかなりスプラッタ色の強い味付けとなっているのが特徴です。人物が実写だったら絶対ゲームにできないようなエグい表現もあるので、結構好みは分かれるかもしれません。個人的にはもっと心理描写を深くやってほしかったなあという思いもあります。
1回目のプレイの時には、序盤の文中において登場人物の詳しい紹介がされます。これは2回目以降のプレイでは省略されるので、おそらく無駄に同じ文章を読まなくていいようにとの配慮なのでしょう。しかし、それなら何故「かまいたち」や「月面のアヌビス」のような章単位の読み返し機能を付けなかったのでしょうか? 正直な話、1回1回最初から読むのは辛いものがあります。アヌビスとは同社から同日に発売されているのだから必要性に気付かなかったわけでもないと思うのですが……。
システム的なところに関しての長所は、達成率がパーセンテージで表示される点でしょうか。これは分かりやすくていいです。自分の話をすると、ずっと60%台から動かなかった数値がちょっとしたはずみで90%台にまで到達したりもしました。もうすぐコンプリートです。頑張らねば……(とかなんとか言ってましたが、その後ようやく100%達成しました。最後の1%が遠かった……)。
この「ざくろ」に限ったことではないですが、この頃の作品には本家チュンソフトと比較するとやや見劣りするものが多いような気がします。だから、シナリオを増やしてグラフィック・演出・システムなどを強化してPSをはじめとする上位機種に移植してくれないでしょうか? ……無理ですかね、やっぱり……でもやってみたい。
土門 | このゲームの主人公で、浪人しながらSF小説「月面のアヌビス」を書いている。作家なのに肉体労働ばかりやらされているせいもあってか、いざという時の行動力と度胸はなかなかのもの。 | 裕子 | 主人公の先輩&憧れの人。率先して行動をする人には違いないのだが、残念ながら足手まといになることが多い。油断してると最後に噛み付いてくるので要注意(意味分かります?)。 |
朝藤 | 月刊サイファイ編集長。皆のまとめ役らしく普段は常に冷静沈着で感情がほとんど見えないが、柘榴編の裕子や子供に対する接し方を見るに、意外に優しい一面もあるようだ。 | 五味川 | 関西弁のオッサンなので大阪出身かと思ったら、実際は京都の生まれらしい。悪霊編ではそのせいでとんだとばっちりを食う。朝藤さんの次にエラいはずだが、全体的にやや影が薄い人物。 |
田代 | この八人の中で、ろくな目に会わない度ナンバーワンの人。柘榴編を筆頭に、とにかく被害に遭いやすい。少なくとも主人公よりは腕っ節が強そうだが、あまり役に立ってくれない。 | 多田 | 「小太りで、いかにもオタク」というのが主人公の評価だが、全シナリオを通じて勝又と互角の重要な活躍を見せる。この人がいなかったら主人公達はきっと生還できなかっただろう。 |
勝又 | 力仕事と格闘は「人間凶器」の異名をとるこの男におまかせ。空手歴15年は伊達ではなく、素手でゾンビを粉々に破壊できるという凄さ。彼がいなければ、編集部御一行に明日はない。 | 神田マチ | このゲームにおいて名前と名字が両方あるのは彼女ただ一人。なぜかは不明。悪霊編では一番の大活躍。勝又のことが好きだが、それが実るかどうかは無事に脱出できるかにかかっている。 |
シナリオ&ガイド | ざくろ漫才劇場 |