【小川美潮・ディスコ・グラフィー・その5(平成再デビュー以後)】
○タイトル :4 to 3(EPIC/SONY RECORDS
ESCB1120)
○発売 :1991年
○プロデユース:板倉文,小川美潮&福岡知彦
○パーソナル :the BAND "EUROPA"
青山純(drums,percussions),Mecken(bass,sample),Ma*To(tabla,syn等),Ba
na na(syn),
近藤達郎(piano,syn等),板倉文(guitar等)
○曲目 :1.デンキ(W-工藤順子,Concept
by 美潮,M-美潮,arr-文&the BAND)
2.Four to Three(W-美潮,M-文,arr-文)
3.夜店の男(W-工藤,M-近藤達郎,arr-近藤&the
BAND)
4.野ばら(W-井上妙,M-Ba
na na,arr-Ba na na&the BAND)
5.On the Road(W-文,arr-文)
6.記憶(M-美潮,M-Mekken,arr-Mekken&the
BAND)
7.ほほえみ(W-井上妙,M-文,arr-文&the
BAND)
8.天国と地獄(W-工藤,Concept
by 美潮,M-美潮,arr-文&the BAND)
9.窓(W-工藤,M-Ma*To,arr-Ma*To&the
BAND)
10.おかしな午後(W-美潮,M-文,arr-文)
※コメント :
「音の一粒まで魂が入った傑作」です。
本アルバムについて福岡知彦氏によると,「とにかく良い曲を歌ってもらおう。名曲の入ったアルバムにしたい」として作られたそうです(URESII*SOUSEより)
。
1曲目の「デンキ」から,ポップスとしては珍しいリズムパターンの演奏が始まります。
「夜店の男」も好きだし,「4to3」も素晴らしいし,いっさい無駄がない粒よりの曲が並んでいます。
「デンキ」と[天国と地獄]は,美潮さんがこういう風にしたいというコンセプトを提案し,それを工藤順子さんが具現化したとのこと。
スキャットの[On the Road]
は,青山純氏によると「と殺」という別タイトルが付けられているそうです。
名曲という言葉が相応しい「窓」は,遊佐未森さん等に歌詞を提供している工藤順子さんにとっても,大切な作品になったと思います。
この名曲の作者はMa*Toさんです。
どの曲もどの演奏も素晴らしいの一言ですが,美潮さん自身によるコーラス・ワークも聴きどころの一つです。
日本人によるコーラス・ワークというと,山下達郎さんや吉田美奈子さんに定評がありますが,本作で聴かれるコーラスは,淡い結晶のようにやさしく輝いています。美しいアレンジと歌声が全編に渡って聴かれます。
「おかしな午後」がシングル・カットされたんでしょうか?
発売当時,ファミレスのデニーズでよくかかっていました。
デニーズの店内放送の選曲にはサエキケンゾウ氏が係わっていて,サエキ氏と美潮さんはFM横浜で「料理歌番組(美潮さんが料理を作っている間に料理に因んだ曲をかけるという,おかしなラジオ番組)をやっていたそうです。
残念ながら聴いたことはないけど・・・
そういうわけで,本作は満を持して作られた,誰もが認めるたいへん素晴らしいアルバムです。
しかし,美潮さんの世界はこれだけではないのです。
○タイトル :4 to 3 pictures(LD&VTR,EPIC/SONY
RECORDS ESLU 336)
○発売 :1991年
○脚本・監督 :市川準
○プロデュース:山田雅義
○出演 :小川美潮,下元勉,菅田俊,小林七絵,山口淳史,板倉文,
遊佐未森
○曲目 :1.おかしな午後(W-美潮,M-文,arr-文)
2.天国と地獄(W-工藤,Concept
by 美潮,M-美潮,arr-文&the BAND
3.ほほえみ(W-井上妙,M-文,arr-文&the
BAND)
4.On the Roaad(W-文,arr-文)
5.Four to Three(W-美潮,M-文,arr-文)
6.夜店の男(W-工藤,M-近藤達郎,arr-近藤&the
BAND)
7.窓(W-工藤,M-Ma*To,arr-Ma*To&the
BAND)
※コメント :
アルバムと同時に作られたビデオです。
未森さんと文氏とは美潮さんとの対談(雑談)で参加しています。
CM監督の巨匠としても名高く,映画も数多く手がけている市川準氏は,美潮さんのファンだそうです。
一応のストーリーとしては,下町の映画館を舞台にしてそこで働く女性を美潮さんが務めています。
美潮さんの寝起き顔とか,花屋敷のジェットコースターに乗ったり,自転車で子供と遊んだり,都会を駆け抜けたりするシーンが印象に残ります。
○タイトル :ウレシイノモト(Epic/Sony
Records,ESCB 1278)
○発売 :1992年
○プロデュース
:小川美潮,青山純,近藤達郎&福岡知彦
○パーソナル :青山純(drums),近藤達郎(keyboad等),鳴瀬喜博(bass),成田忍(guitar),Ma*To(Syn等),
Whacho(percussion),板倉文(guit),Banana-UG(syn),Gonzalez三上(guit),松永孝蔵(Bass),
渡辺等(man),他
○曲目 :1.ウレシイの素(W-美潮,M-Ma*To)
2.きもちのたまご(W-工藤順子,M-楠均)
3.LINK(W-美潮,M-近藤達郎)
4.恋(W-工藤,M-美潮)
5.MARBLE(W-井上妙,M-成田忍)
6.走れ自転車(W-美潮,M-文)
7.Charming(W-井上妙,M-成田忍)
8.PICNIC(W-工藤,M-Banana-UG)
9.ひとりごと(W-美潮,M-美潮&近藤達郎)
10.人と星の間(W-美潮,M-美潮&青山純)
11.遠い夏(W-美潮,M-Gonzalez三上)
※コメント :
福岡知彦氏によれば,このアルバムのコンセプトは「美潮なりのダンス・ミュージック」ということです。
ジャケットはホルスタイン牛の白黒写真で,CD本体はほとんど[GATEWAY](^_^;)でした。
アレンジャーの記載がなく,全体に荒い感じがします(それはそれでいいけど)。
「恋」と「人と星の間」は彼女の代表曲といえましょう。ただし,ライブの方がずっといいので,叶わないかもしれないけど,将来ライブ・レコーディングして欲しいと思います。
本作でも弾いているけど,この時のライブ(グローブ座)ではナルチョがベースを弾いていました。
チャクラがどっかのコンテストに出たときの審査員がナルチョだったとのことです。ワタシの印象はややミスマッチという気がしますが,いかがなもんでしょうか?
○走れ自転車/Happy Circle(シングル盤,Epic/Sony
Records ESDB 3246)
※コメント :
本作はアニメーションの「老人Z」のテーマ曲。このアニメの音楽を美潮さんと文さんの二人が担当しています。
老人Zのサントラ盤も出たそうですが,未入手です。
アルバムと違うバージョンです。私はこっちの方が好き!
[Happy Circle]は挿入歌で,ポップだけど,変なスキャットです。
「老人Z」は江口寿史氏がキャラクター・デザインで,原案は,大友克彦氏という強力コンビによるコメディーのアニメーションで,ワタシのお気に入りの作品です。
本作のジャケットは江口氏によるもので,美潮が自転車に乗っている可愛いデザインでした。4to3pictures
をイメージして描いたんでしょうね。
○タイトル :檸檬の月(Epic/Sony Records
ESCB 1410)
○発売 :1993年
○プロデュース:小川美潮,板倉文&福岡知彦
○パーソナル :青山純(dr),Mecken(bass),近藤達郎(Sys),Ma*To(syn),Banana-UG(sys),
板倉文(Guit),高橋章(Syn等),浦山秀彦(Guit),Whacho(per),
SANDII(Vocal)等・・・
○曲目 :1.はじめて(W-美潮,M-美潮&文,arr-文)
2.檸檬の月(W-工藤順子,M&arr-文)
3.ふたつのドア(W-工藤,M&arr-近藤達郎)
4.SHAMBHALINET(W-美潮,M&arrー文)
5.SHAMBHALINEU(M&arrー文)
6.Tall Noser(W-美潮,M&arr-文)
7.Dear Mr.Optimist(W&M-美潮,arr-文)
8.Monday(W-工藤,M-美潮,arr-文)
9.Chat Show(W-美潮,M&arr-Ma*To)
10.Blue(W&M-美潮,arr-美潮&文)
※コメント :
一応最新のソロ・アルバムということになります。シングル・カットは「ふたつのドア」だったかな?
本作は板倉文氏と再び(三度?)組んだポップで美しいアルバムです。
裏のテーマは「性の解放」だそうで,工藤順子さんによる「ふたつのドア」は,妙に明るい不倫の歌です。
格好良くしようとして格好良くなっていいないと言った多少の不満はありますが,良いアルバムに仕上がっていると思います。
何より,美しいコーラスがまた聴かれるのが嬉しいです。
インターネットに相応しい[Chat Show]
も収録されています。
[SHAMBHALINE]
はチャクラの再現のような感じ曲です。
[Dear Mr.Optimist]は気が付くと近くにいて助けてくれる友人のことを歌っていて,ミュージック・マガジン誌で「板倉文のことを歌ったのか?」と書かれて,美潮さんはこれを読んだのか,コンサートで「いつも助けてくれる仲間みんなのこと,応援してくれるファンみんなのこと」と説明してくれました。
○タイトル :言えない I love you/Four
to three/言えない I love you(カラオケ)
(シングル盤,Epic/Sony
Records ESCB 3506)
○発売 :1994年
○プロデュース:小川美潮&福岡知彦
○作者 :W-小川美潮,M-小川美潮&大川俊司,arr-久米大作
○パーソナル :久米大作(key),渡辺香津美(guitar),渡辺等(Bass),梅崎俊春(comp&syn),
金子飛鳥ストリングス(str),西沢幸彦(flute),石橋雅一(clarinet),大畠條嵩(faggot)
※コメント :
この曲はストリングスを多用したアコースティックなナンバーで,ホームメイド協会のCMソングでした。
[Four to Three]
は板倉文によるリミックス・バージョンです。
美しい作品です。