東名ハイウェイバス各駅停車の旅


前々から、乗りたいと思っていた路線があった。
その路線は、JRバスの東名高速線。一般には東名ハイウェイバスと呼ばれている。
東名高速道路を走るバスに乗車することは、何回かやっている。だが、それは全て夜行バスでの話。東名高速からの景色は、全く堪能していない。
昼の東名道を、一度見てみたかった。

自分は車を持っていないペーパードライバーだけど、親や友達が運転する車に乗車して高速道路を走ったことがある。その度に、いつも思っていたことがあった。
「あの『路線バス』と書かれたバス停はなんなんだ?」
それが、高速道路を走る路線バスのことだと知ったのは恥ずかしながらつい数年前のことだ。
そのときからだ。高速道路を走る路線バスに乗ってみたいと思ったのは。

現在、中長距離バスの多くは高速道路あるいは自動車専用道路を利用している。自分も、会津に行ったときに会津若松駅行のJRバスを利用した。
でも、乗って思った。「これは違う」。
中長距離バス路線の多くは始発と終着付近で多く停車し、中間たる高速道路上のバス停には見向きもしない。
高速道路上のバス停に停まってこその路線バスだ。あのバスレーンに入らなければ、意味がない。
その私の願いを叶えてくれるバス路線、それが東名ハイウェイバスなのである。

東名ハイウェイバスに乗りたいと思ったもう一つの理由。それは、日本の大動脈たる東海道を敢えてバスで行ってみたいからだった。
東京駅八重洲口、新宿の京王バスターミナル或いは新南口など、地方に向けた高速バスターミナルを発着する便は様々ある。
多くのバス系統は鉄道の通っていない、或いは通っていても不便な地域に足を伸ばし、鉄道との競合において優位に立っている。
例えば新宿〜河口湖線。この区間でJR〜富士急を利用する人間よりも、高速バスを使う人間の方が多いだろう。
或いは新宿〜甲府線、松本線などは中央線特急と熾烈な競合を演じ、ほぼ対等に戦っている。
翻って東名高速バスは、東京〜静岡或いは東京〜名古屋が中心。新幹線という大動脈がある中で、高速バスによる都市間移動はほとんど認知されない。
東京〜静岡間に限っても1時間に3本の新幹線があり、乗り換えは必要だが10〜20分毎で在来線が走っている中、昼行高速バスの需要はどんなものなのか、どういった客層が利用するのかにも興味があった。

以下は、その乗車記録である。
なお、この旅行は2006年12月にHibitetsuで発行された「電車でメモリアル20」内の原稿「実験レポート 〜東名ハイウェイバスはキモチイイのか?〜」の元になったものであることを申し添えます。

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