痕〜きずあと〜
95年(?)発売 発売元 リーフ
軽い感想
さて私を含めて世間がときメモ2だリフレインブルーだで騒いでいる時期にこの感想を書くわけですが(時事ネタ)、なにしろ3年以上前に出たソフトですからもはや多くのサイトで語り尽くされております。そこに私がわざわざ割って入る事もないんじゃないかなーということで、ネタバレを含めた軽い感想でも書いてみよ―かなーと思うわけであります。(ちなみに私は、リフレインブルーは買っていません)
購入動機
「エロゲーをプレーするんだったら1度はやっとけ」なソフトらしいからです。そんだけ
まあ付け加えるとするなら、実は先に小説版を読んでなかなか面白かったので、「買ってもいいかな」と思ったというのもあります。つまり大体のお話は知っていたわけです。だから実際にプレーして驚きとか感動とかがあんまり起きないんじゃないかと心配したのですが、そんなことはありませんでした。
お話の出だし
実家で旅館を営んでいた父が交通事故で急死した。従姉千鶴の「四十九日法要には出て下さい」の言葉に負け、柏木耕一は田舎に帰ってくる。そこに待っていたのは千鶴を含む4人の従姉妹達。雨月山に伝えられた古の伝説が、耕一の帰郷と共に解放されようとしていた。
キャラクターの感想
柏木 千鶴(かしわぎ ちづる)
「鶴来屋グループ」の若き当主で4姉妹の長女。優しく包容力のある女性を演じながら、一方で3人の妹の母親役を演じる辛さも持ち、また料理が全然ダメという天然ボケなところがファンを惹き付けるのであらう。その本当の性格は、梓しか知らないらしい。柏木 梓(かしわぎ あずさ)
次女。気が強く、勝気で負けず嫌い、曲がったことが大嫌い。千鶴の料理が期待できないため家事全般を仕切っている。ただ暴力的な要素が強く、そのあたりが人気がない理由かも柏木 楓(かしわぎ かえで)
三女。無口な少女。惚れました。シナリオもいいけどあのドアップCGを見るたびに頭が狂いそうになります以上柏木 初音(かしわぎ はつね)
四女。おっとり穏やか、優しく控え目、加えてちょっと甘えん坊。理想の妹らしいです。巷では「実は小学生」説が有力。ちなみに某所の用語辞典では、梓と楓のファンは普通の人が多いが、千鶴と初音のファンには常軌を逸している人が多いらしいです。良かった、私は正常でした。
シナリオ
各シナリオ別に、思ったことを書きます。なお、初音シナリオ以外は各シナリオ初回プレー時のみ何も見ずにプレーしました。
千鶴シナリオ
初回プレー時はこのシナリオに必ず入るらしいですが、私はそれ以前に全滅エンドに行ってしまったので、本格的な彼女のシナリオは2回目以降でした。
1番印象に残ったのは、やはり千鶴さんに殺されるエンドですか(ひねくれ者)。でもでもだって、あのシーンなら抱きつくしかないでしょう漢として。大好きな人に殺されるのであれば本望だと思いませんか?(私はそう思っていますが、この考え方自体がおかしいのだろうか)梓シナリオ
このシナリオで犯人(?)が判明します。感想は特になし
楓シナリオ
輪廻転生です。人が死ぬシナリオが大嫌いな私ですが、なぜかこのシナリオは受け付けられました。だって輪廻転生なんですよ、仕方ないじゃないですか人知を越えてるんだから(理由になってない)。「今度生まれ変わってもきっとお前を……」みたいなフレーズはやっぱり泣けてきますね。
あとついでながら、彼女のシナリオに登場する小出由美子さんには自分的に2連続クリティカルヒット食らいました柳川シナリオ
最初攻略サイトで上のシナリオタイトルを見たときはホモシナリオかと思いました。お話的には楓シナリオの後日談を視点を変えてプレーするようなものでしょうか。視点を変えるという単純なことだけでもなかなか新鮮に感じました。
初音シナリオ
洞窟探検です(なんだそりゃ)。幽霊が出てきます。初音のけなげさがよくわかるシナリオだと思います。この初音シナリオまで行ってようやくお話の全体が見えてきます。結構疲れましたが、いろいろ「あれがああなって、これがこうで……」と考えさせられました。
(この部分だけ追記2000,6,30)
5月くらいに脚本担当の高橋さんのインタビュー記事を読む機会に恵まれました。そこで高橋さんが言っていた「痕には全ての要素をつめ込んでいます」という言葉が強く印象に残ったのですが、まさにその通りですね。
千鶴シナリオ:癒しモノ、純愛モノ
梓シナリオ:サスペンスモノ
楓シナリオ:輪廻転生モノ
初音シナリオ:SFファンタジーモノ
と、各キャラクターごとに見事に話の毛色が違っています。そういう意味で、このゲームは自分がどんなジャンルのシナリオにはまるのかという指針の役割を果たしていると思います。エロゲー初心者がやるべき1番のソフトじゃないですかね
BGM
良い曲ばかりです。シナリオがしっかりしているため、そのシナリオにうまく合ったBGMが供給されています。こみパと比較して聞いてみると、リーフの作曲家さん達は暗い曲のほうが作るのが上手いように思いましたが、実際はどうなんでしょうか。
グラフィック
3年前なので仕方ないかもしれないのですが、なんですかあの写真をそのまんま取り込んだような背景は!
興味深かった点は、朝の食卓のシーンです。横を向いて座っている初音や梓は専用の立ちグラフィックが使われていて、私が今までプレーしたゲームに複数人数で食卓を囲んでいる立ちキャラというのがなかったため、新鮮に感じました。
システム
次の選択肢まで進む、とか、前の選択肢まで戻る、というのは便利でした。セーブの3箇所は少ない気がしましたが
Lの季節と痕
痕をプレーしていてしょっちゅう思ったことは、「なんかこれ、Lの季節と似てるなー」でした。実際は順番が逆なのだろうけど、私がプレーした順番だとそうなるので。私が感じた「似ている点」というのは、
お話が輪廻転生を含んでいること
事件の犯人が自分じゃないかと思わせておいて実は違うところ
輪廻転生のため、人が死んだり生き返ったりすること
あるシナリオをクリアすると、新たに選択肢が現れたりすることろ
シナリオをプレーする順番がある程度決まっているところくらいでしょうか。つまり、「痕」から18禁を取っ払ってシナリオをコンシューマ向けに改善して面白いシステム(口出しとか)を追加してみたのが「Lの季節」だと思います。「Lの季節」のバックグラウンドには「痕」があります。他作品に影響を与えるあたり、「痕」は「ときメモ」と並び称される作品かもしれません。
このように比較するとこれだけ似ている両作品なのに、なぜにLの季節の評点は低いのUSG似ているからかえって比較してしまって評点が低いのかなー
最後に
普段から食わないのですが、しばらくきのこのリゾットは食べられそうにありません。
個人的且つ主観的評価
キャラクター:90点
シナリオ:94点
BGM:95点
システム:81点
グラフィック:68点
総合:88点
グラフィックさえ気にしなければ、今でも充分遊ぶことが出来ます。
(最終更新 2000,6,30)