辰巳の会など6団体が石川県公共事業評価監視委員会・川島良治委員長に提出した公開質問状の回答期限は10月25日(必着)でしたが、期限までに回答は届きませんでした。
公開質問状には、期限までに回答がない場合は回答拒否または回答不能とみなすということが明記されていたにもかかわらず、回答が届かなかっただけでなく、回答期限の延期についてなど、川島委員長、監視委事務局からの連絡・相談は事前にいっさいありませんでした。
質問状を提出した6団体は、川島委員長が事実上回答を拒否したことを受けて、10月26日午後、県政記者クラブにおいて記者会見を行いました。記者会見には、6団体を代表して、ナギの会代表・渡辺寛さんと辰巳の会事務局長・碇山洋が出席しました。
以下に、記者会見配付資料を紹介します。
10月13日に6団体が県公共事業評価監視委員会・川島良治委員長あてに提出した「監視委員会の運営、辰巳ダム再評価に関する公開質問状」には、以下のように明記されていた。
「文書にて御回答いただけるようお願いいたします。」
「1999(平成11)年度の新たな公共事業再評価が本格的に始まる前に初年度の問題点を明らかにしておく必要がありますので、回答の期限を10月25日(必着)とさせていただきます。万一期限までに御回答いただけない場合は、残念ながら、回答拒否または回答不能とみなし、そのように発表させていただきますので、その点、十分御配慮ください。」昨日が回答の期限であったわけだが、委員長からの回答は届かなかった。このように明記してあるにもかかわらず回答がなかったということは、川島委員長は私たちの公開質問状にたいする回答を拒否したものと判断せざるをえない。
(2) 回答期限の昨25日18時頃、監視委員会事務局(県土木部監理課)から碇山の自宅に別紙のようなファックスが送られてきた。まったく意味不明の内容だったので、すぐに監理課に電話をかけて真意をただそうとしたが、担当者はファックス送付後すぐに帰宅してしまっていて、まったく要領をえなかったので、26日午前9時までに監理課から碇山へ電話をするよう伝言を残した。(別紙参照)
(3) きょう9時に、事務局・多賀氏(監理課長)から電話があった。
ファックスの「宜しくお願いいたします」は、「お知らせいたします」の意であるとの説明であった。
多賀氏の説明を要約すると、以下のようなことである。質問状は、川島委員長に届けてある。
回答は委員長の一存で決めるわけにはいかないので、他の委員に諮るのに時間がかかる。
明日27日開催される平成11年度第2回監視委員会では、この質問状について議論する予定はない。
いつ回答できるかはまだ目処がたっていない。回答期限の夕方に意味不明のファックスを送りつけるだけで、こちらから電話で問い合わせてやっとこれだけの説明があったわけだが、あまりの官僚的対応にあきれるばかりである。
多賀氏は、「期限はそちらが一方的に決めたこと」と非難めいた発言もしたが、1)今年度の公共事業再評価がはじまるまえに前年度の再評価の問題点を明らかにする必要があり、事実27日に監視委が開催されることをみても、25日しめきりは合理的であり、2)質問状提出から回答期限まで10日以上と十分な時間があり、3)期限延期などについて事前の相談はまったくなく、期限をすぎてからこのような説明をしても、何らの説得力もない。
このような出鱈目な対応が、川島委員長の指示によるものか、事務局の判断によるものか、私たちには分からないが、公共事業再評価をより充実したものにしようとの願いを込めて行った市民グループの質問状を監視委員会〔事務局〕がこのように杜撰に取り扱ったことに驚きを禁じえない。
(4) 「公共事業の透明性確保」を建前とする監視委員会でありながら、市民の疑問にたいする回答を回避し、不誠実な官僚的対応をしたことにたいして、私たち市民グループはつよい憤りをもって厳しく抗議する。
今回の回答拒否によって、透明性を確保するための第三者機関であるはずの監視委員会の運営、審議、結論の出し方の透明度は限りなくゼロに近いものとなってしまったことを指摘しておく。(5) 多賀氏にも電話でつたえたが、期限をすぎた段階でももし川島委員長から回答があれば、届いた時期、回答の内容を検討して、対応を決めることにしたい。
(6) 公開質問状で指摘し疑念を呈したように、監視委員会の運営や審議、結論の出し方には問題点がたくさんあるが、今回の回答拒否によって、監視委の存在意義がますます厳しく問われることになった。
川島委員長はじめ監視委員諸氏が、県民の期待にこたえ、監視委員会本来の社会的使命を果たせるように運営等を正常化されることを期待している。