公共事業再評価に関わって意見交換を行いたいとの提案が、「15団体」にたいして県側からありました。電話・ファックスでの折衝ののち、「意見交換会」の予備交渉が、3月6日に行われました。
市民側の出席者は、碇山洋(辰巳の会)、佐藤禮子(豊かな自然と健康を考える会)、高橋外男(白山の自然を考える会)、中井安治(辰巳の会)、宮崎悦子(辰巳の会)、渡辺寛(ナギの会)の6名でした。
この予備交渉では、以下の5点が合意されました。
(1)県土木部の記者会見で中島土木部長が「辰巳ダムの建設を推進するため反対派と対話する場を設ける方針」と発言したと報道されているが、「意見交換会」は辰巳ダム建設推進のために開くものではなく、市民側の意見・疑問、それへの県の回答を県公共事業評価監視委員会に伝えるために開くものとする。
(2)「意見交換会」は公開で行う。
(3)「意見交換会」への監視委員、とくに委員長・副委員長の出席を強く要請する。
(4)県が監視委員会にたいして行う「意見交換会」の報告は、県側だけでなく市民側も参加して作成する。
(5)県の報告にたいする市民側の補足・修正発言を認めるかどうかについては、監視委員会委員長と相談する。
これらの合意にも関わらず、予備交渉の場で県側が突然、意見交換の対象を辰巳ダムに限定するとの主張をもちだしたため、予備交渉は中断してしまいました。
以下は、この問題について、「15団体」が監視委員会に提出した文書です。
1999年3月12日
石川県公共事業評価監視委員会
委員長 川島良治殿
「15団体申し入れ」世話人
(白山の自然を考える会事務局長)
高橋外男
公共事業再評価のための御尽力に敬意を表します。
県側から公共事業再評価に関する意見交換の提案があり、電話・ファックスでの折衝のなか、「辰巳ダム建設事業をはじめとする公共事業再評価『意見交換』に関する打ち合わせについて」(3月3日付;別紙)が届きました。それに対して「15団体申し入れ」世話人・辰巳の会事務局から3月4日付文書(別紙)を送付し、監視委事務局との電話での折衝で(3)の@〜Bが受け入れられたため、3月6日、市民側代表と県側で、意見交換実現に向けた予備交渉が行われました。
予備交渉では、(@)一部報道にあった「辰巳ダム推進のための意見交換」という位置づけが公式に否定され、(A)意見交換会を公開とすること、(B)監視委員会委員長・副委員長の出席を監視委事務局から強く要請すること、(C)監視委への意見交換会の報告を県側だけでなく市民側も参加して作成することなど、私たちが積極的に評価できる合意が行われました。
しかし、「辰巳ダム建設事業をはじめとする公共事業の再評価『意見交換』に関する打ち合わせ」として県側が提案してきたにもかかわらず、県側は、今回の意見交換は辰巳ダム問題に限定したものであるとの主張を、交渉の場で突如もちだしてきました。市民側は、県側からの提案を受けて団体間の調整を行いこの予備交渉にのぞんだのですから、この県側の突然の主張によって、交渉をそのまま続けることができなくなりました。県側が落ち度を認め、県側・市民側それぞれの調整ののちあらためて予備交渉のつづきを行うことになりましたが、調整には一定の時間が必要であり、当初県側が提案してきた「意見交換会を3月13日に開催する」ということは不可能になりました。
3月14日から始まる週にも次回監視委員会(全体会)が予定されているとのことで、2月26日の県側からの意見交換に関するはじめての提案以降、市民側も次回監視委までに1回目の意見交換を行うべく努力してきましたが、残念ながら、以上のような経緯で実現不可能になりました。県公共事業評価監視委員会におかれましては、以上の経緯を考慮され、市民側からの意見聴取が行われないまま再評価の結論を出されることのないよう、慎重に対処していただけるようよろしくお願いいたします。
なお、予備交渉の場では、15団体申し入れにたいして12月に川島委員長の回答が出されてから2か月半にわたって県側から意見交換の提案がなかったこと、そのために予備交渉の開始が遅れたことにたいする批判が、市民側から出されたことを申し添えておきます。