ロバに乗って「軌道エレベータ」のある街へ

かつて「軌道エレベータ」として使われてきた天まで届く建造物。

これを創った文明はとうの昔に滅び去り、その機能のほとんどは停止しています。

エレベータの最下部には巨大なゲートがあります。

その中には見たこともないような宝物が山のように眠っている。

あるいは、その門が楽園への入り口だ。

そんな伝説だけが残りました。

もとは、その門をあけるために集まってきた山師達のキャンプや、

軌道エレベータを神と崇める新興宗教の伝道所くらいしかなかったのですが、

周辺の建造物から貴金属を掘る探鉱夫や、

まだ機能している部分から電気エネルギーを取ることに成功した電気技師達が集まってきて

エレベータの麓に、集落を形成したのです。

その集落もいまでは大きな街になりました。

青い屋根の建物には、門のパスワードを研究する博士達や、

貴金属の流通を取り仕切るギルドの親方達がすんでいます。

赤い屋根は、探鉱夫やさまざまな商人達の町です。

今日は、年に一度のお祭の日。

博士達が一年の研究成果をもとにパスワードを試すのです。

ことしこそは門が開くといいな。とりちゃんは街へ急ぎます。


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