4日目:モン・サン・ミッシェル

聖なる神の島


で、今日はモン・サン・ミッシェルに行くのです。 モン・サン・ミッシェルという地名を聞いてなくても、 引き潮のときには地続きで、満ち潮になると海に浮かぶ島になるところと言えば、 イメージできるところじゃないかな? 小説とかマンガとかの舞台によくなるでしょ。 そんな場所実在してたの?って、してたんですねぇ。 まあ現実には今海の中を島まで道を通しちゃったんで、 満ち潮のときも完全に陸地から隔離されるわけじゃないけどね。 何でもこの道を通しちゃったせいで水の流れが変わって、 砂が堆積するようになっちゃったらしい。 で、満ち潮のときでもそれほど深い海にならなくなっちゃったんだって。 だから近いうち道を壊して橋にする計画もあるらしい。 橋になったらまたそれも見てみたい。 まあとにかくこのモン・サン・ミッシェルが今回の旅のメインっすよ。 ここが見たくて北フランスの旅なんてマイナーなツアーを選んだんだから!!

昼ごろにモン・サン・ミッシェルについたんですが、 残念ながらその時間帯は引き潮。 で、島の手前のかなり低い位置の駐車場にバスが止まる。 駐車場の入り口にはなにやら駐車禁止のマークらしきものと20hの文字。 ........もしかして夜8時以降は潮が満ちるから止めちゃ駄目って事かな? ふっふっふ。だとしたらずえったい夜8時以降に見にこよーっと。

島の内部の通りはお土産やさんの嵐です。 もう世界的な観光地ですね。 離れて見ていた島の何やら神がかった光景とはかけ離れた俗っぽさ。 まあそんなもんだろうけど(泣)。 でも島の中心にある僧院は、よく建てたよなぁってかんじです。 この狭い土地のこの急な山の斜面によくそれだけ建てたよ。 何でもこの僧院のシンボルである塔のてっぺんにいるミカエル像は、 修復したときにはヘリコプターで運んだそうな。 いやぁ、でもそのヘリで運んだ荷物受け取る人がいるんでしょ? やだよぉ、怖いよぉ、だってあんな高いんだよぉ。 信じらんないよね。

夕食時に、どうやらモン・サン・ミッシェルは夜間ライトアップしてるとの情報をゲット。 いても立ってもいられない。早く見に行きたいぞ!! でもホテルからモン・サン・ミッシェルの見えるところまでは、 距離はすぐなんだけど街灯なんか何一つない道。 「暗くて危ない(治安的にもね)から、女性のみの少人数では行かないで下さい」 と、添乗員さんに釘を刺される。 でも見に行きたいもんで、夫婦+奥さんの弟さん連れに 声をかけて見たところ、 夕焼け+夜景を見に行く予定だというので便乗させてもらう。 よかったよかった。

結局他にも何人か一緒に行くことになり、夕食後に約10名ほどが集合。 もう9時近いってのにまだ夕焼けなんだなこれが。 結局曇ってたせいで、夕焼けを背負ったモン・サン・ミッシェルは見えず。 ちょっと残念。 でももともとちょっと方向が違うって説もありだな(笑)。 このペースだと一体いつ夜景が見れるんだろう。うーん。 見通しが立たないのでホテルに戻る気にもなれずにみんなでうだうだ。 してるうちに、水の流れが(この時点では海と言うより水たまり) ちょっとずつ満ちてきているような感じ。 みんなでそんなことを言ってると、見る見るうちに水面が広がっていく....。 昼間にガイドさんに 「水が満ちるのは馬が走るスピード。そのせいで昔はたくさんの人が殉死した。」 とは聞かされていたが、実際に目にするとほんとに驚くほどのスピード。 たしかに水面からの高さが同じならば表面張力を無視すれば、 同時に水没しても理屈上は問題ないはずだけど........。 けれども自分の中で思っていたよりもずっと速いスピードで、 一番簡単な表現方法で言うと、あっという間に、 モン・サン・ミッシェルは周りを水に閉ざされた島に変化した。 景色が一変する。 そのときに頭に浮かんだ言葉........。

神の時間が始まる。

その光景は人が作り出したものとは思えなかった。
けれど自然に偶然にできたものとも思えなかった。
何か、超越した存在が恣意的に作り出したとしか思えない光景。
だから、あの島には今、神がいる。
どんな神かは知らない。
けれどその神は、すべてを超越した存在だ。
超越した存在であるからこそ、その神は人間などかえりみない。
人間のようなつまらない存在を気に留めるような存在ではない。
神は、そんなに気易い存在ではない。
だから神は人を救わない。
特定の人種や、個人を救ったりなどしない。
ただそこに存在するだけ。それが神だ。
人間に出来ることは、畏れ敬うこと。
ただ、それだけのことしかないのだ。

やがて日が暮れていき、 島全体がライトアップされている光が見えてきました。 水面に浮かび上がる島。 そしてライトアップされたその姿が水面に映る。 本当に、これ以上ないと言うくらい幻想的な光景でした。 いくら眺めていても飽きないくらい。 すごく幸せでした。 この光景が見れただけでもこの旅行に来たかいがあったです。

しかし、この時期の北フランスはまだ寒いのです。 なのに夜に長時間外に立ちっぱなしのというのはかなりきます。 なんと言っても海辺ですからねぇ。 結局ホテルを出てから2時間くらいして、 一同モン・サン・ミッシェルの幻想的な夜景を満喫してから帰りました。 いやぁ、帰り道はやだね。だって島に背を向けて帰るから。 来るときは島を見ながらだんだんと近寄っていったから楽しかったんだけど。 後ろ髪を引かれるっていうのはまさにこういう状態だなぁと思いながら、 振り返り振り返り、ホテルに戻ったのでした。


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