*2006年春* |
5月 |
蘇慧倫 Tarcy Su / (同名専輯)(推薦!) ■長年所属していたロック・レコードを離れ上華に移籍第一弾、5年振りのニュー・アルバムです。 ターシー・スーというと、アイドル、テレビ女優といったイメージがありますが、彼女も早30代半ば。 久々のニュー・アルバムは非常に落ち着いたとても味わいのあるアルバムになりました。 ミディアム〜ミディアム・スローの曲が中心ですが、べったりしたバラードはなく、柔らかで清々しい空気に満ちていて、とても気持ちよく最後まで一気に聴けてしまいます。 派手で気を引くシングル・ヒット狙いの曲はありませんが、全体のライトな統一感は素敵で、丁寧に作られた歌が心に沁み込んできます。 ■美しいピアノの音で始まる1曲目「不想想太多」。起伏のあるメロディー、ファルセットを多用したボーカルが気持ちいい。GoGo&MeMe〜JS(Justine&Sophia)の陳忠義の作曲。 4曲目「輪廓」は歌詞にLemon Treeとか、Happy Hoursとか彼女のヒット曲の題が出てきて面白い。 この曲は何欣穂(シャシャ・ホー)の作詞です。 7曲目「告訴我」はアコースティック・ギターのリフレインが小気味良い曲。子安の作曲。 彼女自身による多重コーラスが美しい。 |
3月 |
深白色2人組 Deepwhite (推薦!) ■もう何年か前になりますが、中華ポップスのCDを聴いていて、「あ、この曲いい曲だな。」と思ってクレジットをみると、コンポーザーに深白色とクレジットされていることがたびたびありました。 軽快なポップ・ロック・ナンバーからしっとりした曲まで、曲調も変化に富んでいたと記憶しています。 たとえば陳慧琳(ケリー・チャン)の1998年のヒット曲『三秒鐘』も彼の作詞作曲。キャリアは結構長いようです。 その深白色が女性ボーカルの端好と組み、めでたくユニットとしてデビュー・アルバムを発表しました。 それがこのアルバム「深白色2人組」です。 ■曲調はさすがというか、軽快なナンバーから落ち着いたナンバーまで変化に富み、ところどころ凝ったアレンジを聴かせたりするけど、尖り過ぎず、すんなり聴けるのが魅力でしょうか。 アコースティック主体のバンドサウンドは、いい意味で数年前のアコースティックな中華ポップス全盛期が思い出されて、懐かしいですね。 1曲目「那個人」は江美hの『有個男生為我哭』のような落ち着いたナンバー。 2曲目「悄悄話」はややハードエッジなギター・ロック・ナンバー。 4曲目「Help Me I'm In Love」はスウェディッシュ・ポップスを思わせる軽やかで愛らしいナンバー。 6曲目「記憶森林」はスカのリズムを取り入れたりしていて面白い。 9曲目「邊縁」は江美hの『晴天娃娃』のような生きのいいナンバー。 ところで、ボーカリストの端好、声質はそれほどでもないのですが、歌い方が小美(江美h)に似ていて、曲によっては錯覚する瞬間があったりしてはっとします。 そういえば、上の写真は小さくてわからないと思いますが、表情も小美に似ていたりします。 |
◇◇◇ 張惠妹 A Mei / 我要快楽?(推薦!) ■ア・メイの新譜は、久し振りに彼女の落ち着いたボーカルが堪能できる名アルバムに仕上がっています。 前作はメディアでは「ロック風」と称されていましたが、ロックと言うにはどこか居心地の悪さを感じましたし、ここ数作品はR&B、ダンサブル、ワイルドなテイストを前面に出そうとしたりいろいろ模索していたように思います。 このアルバムには、突散らかった迷いのようなものは感じられません。また、かつてのような語尾を放り投げるようなワイルドな(ある意味わざとぞんざいにしているような、)歌い方はみられません。 むしろ抑揚が効いたより繊細なボーカルが楽しめ、久々にいいアルバムと巡り合えたという印象です。 ジャケットは相変わらずワイルドですが、むしろ同封されているボストンに語学留学していた時の写真集に写る、メガネをかけた「学生さん」ぽい素のアメイの写真に近い親しみを、音楽から感じました、というのは考え過ぎでしょうか。 ■1曲目「平常心」は厚みの有るストリングスが趣深いバラード曲。1曲目にバラードを持ってくるのは久し振りではないでしょうか。切ない味のあるボーカルが素敵。 2曲目「人質」はアコギとチェロやバイオリン、ビオラをバックに歌われる静かな曲。冒頭の『♪我和[イ尓][口阿]〜』というふっと息を抜くようなつぶやくような歌い方がかっこいい。 3曲目「不像個大人」もミディアム・テンポの落ち着いた曲。 ちょっと「我可以抱[イ尓][口馬]愛人?」に似た曲調ですが、アコースティック・ギターのカッティングと乾いたドラムの音が、フォーク・ロック的ニュアンスを醸し出していていい。 そして、この曲はサビがむちゃいい。起伏のあるメロディーで最高音に登りつめた時のかすれ気味になるところの切ないボーカルが感動的。そしてあくまで押さえ気味なところがまたいい。 4曲目「因為[イ尓]在」は一転、軽快なポップ・ロック・チューン。言葉数の多そうな畳み掛けるようなサビがまたいい。戴佩[口尼]が得意なかんじのナンバーで、実はいちばん好きな曲だったりします。 5曲目はタイトル・ナンバー「我要快楽?」。この曲もまたゆったりとしたバラード・ナンバーです。 6曲目「Chinese Girl」はまた一転。一風変わったダンス・チューン。 余談ですが、サビの『♪Chinese Girl』の歌詞がなぜか『ディスコ』に聞こえます。 8曲目「単純」は中近東風?のイントロではじまり、変拍子(5拍子/6拍子)のテーマに入る曲。ですが印象としては奇をてらった感じはなく、ゆったり揺れるリズムが心地よい曲です。盛り上がるバック・コーラスも二重丸。 9曲目「所以我願意」はどちらかというとバラードですが、ギターがうねる気合いが入る曲。 ラストの「海闊天空」はストリングをフィーチャーしたバラードでしっとりと幕を閉じます。 ラストを締めくくるのに相応しいナンバー。歌詞とは関係ないけど、なんだか「おやすみ」と私たちに語りかけているような、そんな音に感じました。 |
◇◇◇ 張惠春 Saya / 想念[イ尓]的歌 ■こちらは、ア・メイの妹、サヤが2005年12月に発表したアルバムです。 容姿、声質はお姉さんによく似ていますが、お姉さんよりややナチュラルな印象でしょうか。 もっとも、張惠妹の新譜は歌い方がナチュラルに変化していますから、聴き比べてみても声は良く似ています。サヤのほうが高音域の声が透明で細身でしょうか。 アルバムはバラードとダンス曲がほぼ均等に並べられていて飽きさせません。 B-Jackのペンによる軽快なポップ・ナンバー「愛上愛[イ尓]的秘密」、ソウル風味の「我[イ門]之間」、スローなエンディング・ナンバー「Don't Say Goodbye」が好きです。 |
◇◇◇ 順子 Shunza / Songs For Lovers ■シュンズのニュー・アルバムはジャズ・テイスト溢れる洋楽のカバー集です。 選曲は日本人にも親しみのある曲がメインで楽しめます。 シュンズて、堂々とした容姿の割りに、かわいらしい甘い声なんですね。 ■1曲目はシャーデーの「Smooth Operator」。 3曲目「Lex Yeux Ouverts」にはびっくり!オールド・タイミーな愛らしい、フレンチ・ポップスなのだけど、フランス語の発音がむちゃくちゃいい。素敵。 4曲目は有名なスタンダード曲「My Funny Valentine」ですが、アップ・テンポのジャズにアレンジ。 まったく別の曲のように聴こえます。 5曲目「Feel Like Making Love」はフュージョン・タッチのギターが冴えるナンバー。 6曲目「A Song For You」は言わずと知れたレオン・ラッセルの名曲。 7曲目はスティービー・ワンダーの「You Are the Sunshine of My Life」。ボサノバ・タッチのアレンジが清々しく心地よい。 8曲目はキャロル・キングの名曲中の名曲「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」。 原曲にはなかった甘いエレクトリック・ギターのオブリガートが私好み。 9曲目はこれまた有名なビリー・ジョエルの「Just the Way You Are」。 ピアノとベースとアコースティック・ギターのソロだけをバックに、原曲よりもしっとりとジャジーに。 10曲目はマイケル・ジャクソン若かりし頃の「Ben」。 |