*2003年夏* |
7月 |
張惠妹 A-Mei / 勇敢 ■台湾を代表するシンガー、ア・メイの最新アルバムが発表になりました。 前作では、相変わらずの実力とノリの良さで元気な姿を見せてくれたア・メイですが、本作ではハード・ロック調の曲はなく、どちらかというと、ソウル色を前面に出した落ち着いたつくりです。 ■1曲目「看見自己」は意表を突いて、ゆったりしたバラード曲で最初からじっくり聴かせてくれます。 この曲と4曲目「勇敢」はともにバラードで、A3というインターネット・ゲームの主題曲のようです。 2曲目「假惺惺」はヒップ・ホップというのでしょうか、今日的なリズムのダンス・ナンバーです。 3曲目「就是我想[イ尓]」は、今日的なニュアンスを加えながら、とてもポップでかわいらしいメロディー・ラインが印象的な曲。こういう明るい曲も意外とア・メイの声に合っていて、ぼくは好きです。 タイトなリズムとギターのカッティングが印象的な5曲目「解圍」は、蔡健雅のペンによる曲。 7曲目「無所謂」は2曲目と同様Jae Y Chongなる人の曲で、ア・メイおよび男性ラップを交えたナンバー。 8曲目「説sha話」はアルバム中異色で、深く沈んだ曲調にミュート・トランペットが絡むジャジーなナンバー。気だるい歌い方が印象的で妙に余韻が残ります。蔡健雅作。 続く9曲目「因為有我」はがらっと変わってアップ・テンポの面白い曲。レゲエ調に始まったかと思うと、倍のテンポになって、スカというかベースが激しくリズムを刻んでパンク調(?)。「♪ハッ、ハッ、」という掛け声も入ってなかなか楽しい曲です。 ラスト曲「忘記」はゆったりしたソウル・バラード。ハスキーながらすーっと伸びる声が堪能できます。 全部で10曲、40分31秒。前作「Katsu」のように彼女のルーツに立ち返った大作こそ無いものの、あっという間に聴いてしまいました。 |
◇◇◇ 情迷・薫衣草 Lavender (コンピレーション) ■2枚組・全34曲、懐かしい曲から新しい曲まで、レーベルを超えて収録されたお得なアルバム。 ジャケットやタイトルから想像できるように、バラード中心のラブ・ソング集ですが、変化に富んでいて、聴き応えもあり、これはお勧めです。 どのような経緯で集められたのか判りませんが、EMI、GO WEST、Warner、Universal、BMG等々実に多彩。これで新しいお気に入りのアーティストが見つかるかもしれません。 蛇足ですが、ミックスし直されているのか、音質もよく、音量のばらつきもないので、そういった面でもよく出来たアルバムです。 収録アーティストは下の通りで、すべて標準中国語である普通話で歌われています。 ■林憶蓮(サンディ・ラム)、張宇(フィル・チャン)x2曲、蕭亞軒(Elva)x2曲、 陳小春(ジョーダン・チャン)、范曉萱(メイヴィス・ファン)x2曲、蘇永康(ウィリアム・ソー)、 陳潔儀(キット・チャン)、[广+臾]澄慶(ハーレム・ユー)、 張信哲(ジェフ・チャン)&劉嘉玲(カリーナ・ラウ)、鄭中基(ドナルド・チェン)x2曲、 江美h(チャン・メイチー)、優客李林(ウクレレ)、周宦iチョウ・ホイ)、梁朝偉(レオン・カーウェイ)、 許茹芸(ヴァレン・シュー)、伍思凱(スカイ・ウー)、齋豫(チー・ユイ)、張惠妹(ア・メイ)、 許志安(アンディ・ホイ)、戴佩[女尼](Penny)、林子祥(ジョージ・ラム)&葉[イ菁](サリー・イップ)、 王馨平(リンダ・ウォン)、周慧敏(ヴィヴィアン・チョウ)&林隆[王旋]、蔡琴(ツァイ・チン)、 巫啓賢(エリック・モー)、彭羚(キャス・パン)、齋秦(チー・チン)、黄鶯鶯(トレーシー・ホアン)、 黄仲崑、蘇[サ/内](スー・レイ) |
6月 |
蔡健雅 Tanya Chua / 陌生人(推薦!) ■シンガポールのシンガー/ソング・ライター、タニアの新譜の登場です。 一聴して感じるのは、とてもタニアらしい素敵なアルバムだということ。前作はやや静かな曲が多かったのですが、彼女の持ち味であるからっとしたロック・フィーリングが復活しているのがうれしい。 ■短いピアノの「Intro」に続く2曲目「無底洞」は、ゆったりしたバラード曲。ふっと入るフェイクも決まっていて、後半盛り上がります。 4曲目「精采」はアコースティック・ギターの軽快なリフで始まるノリの良い曲。タニア自身によるブルージーなハーモニカ・ソロもむちゃかっこいい。 5曲目「失樂園」は幾分ヘビーな6/8拍子の曲。 8曲目「[イ尓]説」はかっこいいロック・フィーリングの曲で、タニア節が全開。キャッチーなメロディー・ラインが冴えます。オルガン・ソロもかっこいい。 9曲目「下一站」は、イギリス風のくぐもった曲調とディストーション・ギターが印象的。 10曲目「有問題」は曲調が変わって、パンキッシュなアップテンポのロック・ナンバー。 12曲目「忘了」はゆったりとたゆたうような曲調が印象的な曲。淡々としていそうでゆるやかに登りつめていく雰囲気は、曲調は違いますがPOCOの「シマロンの薔薇」をちょっと思い出してしまいました。 |