*2003年春*



戴佩[女尼] / no penn, no gain
蕭亞軒/ 愛上 愛




5月
蕭亞軒 Elva / 愛上 愛
台湾のシンガー、エルバの9ヶ月半振りの新譜が発表されました。
前作「愛的主打歌・吻」では、しっとりしたバラードも増え、より自然体で確かな表現力を見せ付けてくれた好盤でした。
新作では、のっけからラテン・パーカッションが乱舞(?)する、生きのいいダンス・ナンバー「我就是我」で始まります。他にも「開始愛」、「原始」、「魔術」、「愛上愛」といったアップテンポのナンバーがアルバムの半数を占めていて、Dance&Soul色が強まった印象です。
中でも、表題曲の「愛上愛」はラップも交え、畳み掛けるような歌が印象的。
ソウル色豊かなナンバー「愛情専用」は、汪佩蓉の作詞作曲です。
スロー・ナンバーでは6拍子の「一輩子做[イ尓]的女孩」がお気に入り。ふくよかでメローな曲想がなんとも言えずいい雰囲気です。

4月
容祖兒 Joey Yung / 我的驕傲
香港の人気シンガー、ジョーイ・ヨンの早くも届けられたアルバムは、全新曲の広東語盤です。
CDプレイヤーに入れるとタイトルが20も出てきてびっくり!ですが、曲間に短いインタールードが入っているためで、実質は新曲10曲+北京語版1曲+インタールード9という構成。
これはなかなか面白い試みで、曲の流れを止めることなく、むしろ曲の前奏曲みたいな役割をしています。
前作の北京語版で素敵な歌唱を聴かせていただけあって、本作でもルックスに似合わない、張りと力のある歌声で魅了します。特にバラード曲「習慣失戀」、「心淡」、「我的驕傲」では、表現力豊かな素晴らしい歌唱を聴かせてくれます。
また、「與猫共舞」では全編に流れるバイオリンがいい感じです。この曲、猫とダンスという題ですが、バラード曲です。
余談ですが、「心淡」の前のインタールード「Some Time」では日本語が入っていてびっくりします。
広東語版ということもあって、元気なダンス曲も多数収録。「[口羅][口羅]攣」ではラップも歌っています。本編最後に当たる「他都不愛我」では男性(呉浩康)とのデュエットでしっとりと幕を閉じます。
オーラス「揮著翅膀的女孩」は表題曲の北京語バージョンです。
◇◇◇

戴佩[女尼] Penny Dai / no penn, no gain (推薦!)
マレーシアのシンガー・ソングライター、ペニーの待望の4枚目のニュー・アルバムが到着しました。
短い導入部「You Have 5 Message」に続く、「Oh! My God」のなんと素晴らしいこと。
裏打ちのファンキーなドラムから入って、シンプルなギターが入る。そこへペニーのトーキングを交えたボーカル。シンプルでファンキー。エレクトリック・ピアノがさらに盛り上げる。完璧。なんとロック・テイストに溢れていることか。裏腹に詞は深刻だ。『世界の平和はどんどん遠のいていく/なんと恐ろしいことが多いのだろう』。
アルバム全体の印象としては、いろんな要素を詰め込んだ、それはもちろんペニーのカラーなのだけど、バラエティに富んだつくり。
3曲目「水中央」、5曲目「拒絶」ではなぜか中近東的アレンジも。
6曲目「什麼都捨得」は、ゆったりしたメロディーの曲で、独特の良く転がるフレーズが魅力的。
7曲目「轉眼」はバンジョーもフィーチャーした軽快な曲。小刻みなハイハットも小気味よい。
8曲目「已經很久」は、リズム取りがGeorge MichealのFaith、Eric ClaptonのHand Jive辺りを思わせるファンキーで横ノリの曲。
11曲目「誰讓[イ尓]開心」も、シンプルでかっこいいロック・チューン。ルーズな歌い方もばっちりはまっている。グッドです。