*2003年春* |
5月 |
蕭亞軒 Elva / 愛上 愛 ■台湾のシンガー、エルバの9ヶ月半振りの新譜が発表されました。 前作「愛的主打歌・吻」では、しっとりしたバラードも増え、より自然体で確かな表現力を見せ付けてくれた好盤でした。 ■新作では、のっけからラテン・パーカッションが乱舞(?)する、生きのいいダンス・ナンバー「我就是我」で始まります。他にも「開始愛」、「原始」、「魔術」、「愛上愛」といったアップテンポのナンバーがアルバムの半数を占めていて、Dance&Soul色が強まった印象です。 中でも、表題曲の「愛上愛」はラップも交え、畳み掛けるような歌が印象的。 ソウル色豊かなナンバー「愛情専用」は、汪佩蓉の作詞作曲です。 スロー・ナンバーでは6拍子の「一輩子做[イ尓]的女孩」がお気に入り。ふくよかでメローな曲想がなんとも言えずいい雰囲気です。 |
4月 |
容祖兒 Joey Yung / 我的驕傲 ■香港の人気シンガー、ジョーイ・ヨンの早くも届けられたアルバムは、全新曲の広東語盤です。 CDプレイヤーに入れるとタイトルが20も出てきてびっくり!ですが、曲間に短いインタールードが入っているためで、実質は新曲10曲+北京語版1曲+インタールード9という構成。 これはなかなか面白い試みで、曲の流れを止めることなく、むしろ曲の前奏曲みたいな役割をしています。 ■前作の北京語版で素敵な歌唱を聴かせていただけあって、本作でもルックスに似合わない、張りと力のある歌声で魅了します。特にバラード曲「習慣失戀」、「心淡」、「我的驕傲」では、表現力豊かな素晴らしい歌唱を聴かせてくれます。 また、「與猫共舞」では全編に流れるバイオリンがいい感じです。この曲、猫とダンスという題ですが、バラード曲です。 余談ですが、「心淡」の前のインタールード「Some Time」では日本語が入っていてびっくりします。 広東語版ということもあって、元気なダンス曲も多数収録。「[口羅][口羅]攣」ではラップも歌っています。本編最後に当たる「他都不愛我」では男性(呉浩康)とのデュエットでしっとりと幕を閉じます。 オーラス「揮著翅膀的女孩」は表題曲の北京語バージョンです。 |
◇◇◇ 戴佩[女尼] Penny Dai / no penn, no gain (推薦!) ■マレーシアのシンガー・ソングライター、ペニーの待望の4枚目のニュー・アルバムが到着しました。 短い導入部「You Have 5 Message」に続く、「Oh! My God」のなんと素晴らしいこと。 裏打ちのファンキーなドラムから入って、シンプルなギターが入る。そこへペニーのトーキングを交えたボーカル。シンプルでファンキー。エレクトリック・ピアノがさらに盛り上げる。完璧。なんとロック・テイストに溢れていることか。裏腹に詞は深刻だ。『世界の平和はどんどん遠のいていく/なんと恐ろしいことが多いのだろう』。 ■アルバム全体の印象としては、いろんな要素を詰め込んだ、それはもちろんペニーのカラーなのだけど、バラエティに富んだつくり。 3曲目「水中央」、5曲目「拒絶」ではなぜか中近東的アレンジも。 6曲目「什麼都捨得」は、ゆったりしたメロディーの曲で、独特の良く転がるフレーズが魅力的。 7曲目「轉眼」はバンジョーもフィーチャーした軽快な曲。小刻みなハイハットも小気味よい。 8曲目「已經很久」は、リズム取りがGeorge MichealのFaith、Eric ClaptonのHand Jive辺りを思わせるファンキーで横ノリの曲。 11曲目「誰讓[イ尓]開心」も、シンプルでかっこいいロック・チューン。ルーズな歌い方もばっちりはまっている。グッドです。 |