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 皆 さんは、日頃料理等で使用している塩にはどんなものをお使いですか?
 塩ってどれも同じじゃないの..とお思いですか。あるいは既に自分にあった塩を見つけられておられるのでしょうか...

 最近、雑誌などでも「塩」の特集が組まれるようになってきました。内容を見てみると、これまで高血圧の原因としてされてきたものが本当は「化学塩」だったこと、 また自然の塩にはミネラルが豊富に含まれていて体に必要なものであることをやっと認識してきたようです。うれしいことです。

1 精製    
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 塩の話の前に少しだけ寄り道します...
 食と健康を考えるキーワードのひとつに「精製」があります。

 精製とは不要な物を取り除いて純粋にすることです。
 純粋にすることで、必要なものの有効性を高め、効果的に役立てる事ができるようになったのしょう。

 しかしながら、精製は化学の世界なら良いのでしょうが、塩にしても砂糖や米にしても、本来一つであるものを分離してしまい有効成分のみ活用したことで不自然な歪みが出るようになったのだと思います。
 これまで不要として取り除かれていた物は決して「不要」な物でなく、全体として見た場合にきちんとした役割のある物であったのではないでしょうか。
 やはり、すべての物は「全体で一つ(一物全体)」として見る観点が必要だと思います。

 栄養学にしてもそうですが、これまでの学問では物事を見極めるにあたり西洋的アプローチ(還元論的思考)で行われてきました。 そのため全体を見ることができなくなり、環境に与える影響等のマクロな事象をとらえることができないのだと思います。


 
取り除いた物
精製物
関連する疾病等
にがり、各種ミネラル 塩化ナトリウム 高血圧、脳卒中、脳梗塞
砂糖 各種ミネラル 白砂糖 低血糖症
玄米 糠、各種ミネラル 白米 脚気


2 化学塩の歴史  
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 塩の専売制度は、明治38年(1905年)に財政収入の確保と国内塩業の保護育成を目的に創設されました。 その後幾度かの変遷を経て、昭和23年(1948年)には日本専売公社法が制定され、塩の製造や販売は国に代行して日本専売公社が行うようになりました。 これで塩を作るときは日本専売公社の指定または承認が必要となり事実上塩の個人生産は不可能になりました。

 そして、昭和46年(1971年)に制定された「塩業近代化臨時措置法」、 昭和47年(1972年)に施行された「塩専売法」により国民が手にできる塩は「塩化ナトリウム」となりました。
 昭和47年(1972年)以降国内の海水を用いて作られる塩は、「イオン交換膜法」で作られる純度の高い化学塩になりました。

 ではなぜ、化学塩を作る必要があったのでしょうか。

 それは、工業化を進めるため多量の塩化ナトリウムが必要であったこと(*1)、及び日本の海岸地帯を占有している邪魔な「塩田」を廃止し コンビナート等の設備を作る必要があったためだと思われます。 そのために国は法律を作り合法的に海岸線を占有したのです。

 その結果、工業用として使われている塩が家庭に入ってくることになりました。
 自然塩と同じ成分ならかまわないだろうと言う単純な理論により国民の生活が脅かされることになったわけです。
 塩の例を見るまでもなく、日本では常に国民の利益/健康よりも企業の利益が優先されます。
 これにより、四半世紀の永きに渡り一般家庭の食卓に上る塩は「塩化ナトリウム」の化学塩となりました。

*1:日本国内で消費される塩の割合は、81.6%がソーダ工業/一般工業用、食品工業用が10.4%、家庭用は3.3%となっています
(JTたばこと塩の博物館  www.jtnet.ad.jp/WWW/JT/Culture/museum/WelcomeJ.html より)


3 化学塩の害    
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 高血圧、脳卒中の原因として「塩」が原因とされていますが、私は自然塩が精製された後の純粋な「塩化ナトリウム」を摂取するようになったことが原因ではないかと思います。
 純粋な物は、薬にもなるし毒にもなると思います。
 また、最近では減塩がアトピー性皮膚炎,喘息,アレルギー性鼻炎等を助長しているとの話も聞きます。

 確かに自然塩でも多量に摂取すれば体には良くないのでしょうが、自然塩はその中に含まれている多様なミネラル類が微妙に関連して 「塩化ナトリウム」としての働きを変えているのではないかと思います。

 ですから、減塩すべきは「化学塩」であり、自然塩は人間の活動に必要不可欠なもので一概に減らすべきではないと思います。

 また、本来塩は保存のためにも使われてきたのですが、減塩されたものは保存ができにくくなり、 保存料等の薬品に頼る結果となっています。
 自然塩の減塩に伴うミネラル不足も心配ですが、各種添加物の摂取の方がより深刻だと考えます。


4 自然塩の復活  
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 うれしいことに、平成9年(1997年)3月31日、塩専売法が廃止され、同年4月1日から新たに塩事業法が施行されました。
 これにより製造、輸入、卸売は登録・届出制となり、従来のような国の承認が必要で無くなり、誰でも塩を作ることができるようになりました。 また、小売については届出・登録をしなくてもよくなり自由に販売ができるようになりました。

 この変化は、政府の規制緩和の方針により現実したのですが、方針変更となった背景には様々な理由があると思います。 これも時代の流れが大きく変わろうとしてからでしょうか...

 また、この変化の陰には自然塩を復活させようとしてきた人々の継続的な地道な努力も少なからずあると思います。
 これは、自ら実行し発言することが行政や企業を動かす力になる良い例と言えるでしょう。
 社会における良い悪いに対し声を挙げて行政や社会を変えて行きたいものです。


5 本物の塩とは   
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 そのようにして復活してきた自然塩ですが、市場に出回っている物は多数あります。
 その自然塩にも作り方により大きく2種類に分類されるようです。

・再生自然塩 :塩専売制時代から合法的に販売されていた塩。
 外国で作られた「天日塩」を国内でにがり等を加えて再結晶化させたもの。
   赤穂の天塩、シママース、伯方の塩、あらしお

・国産自然海塩:
 昔ながらの揚げ浜式塩田等による製塩
   海の精、美味海、土佐の塩丸、小さな海、粟国の塩


6 私の選択      
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 私はかつて中国産の塩を使っていたのですが3年前に変えました。それは、原産が中国であること、また再生自然塩であるからです。
 今中国は経済発展の真最中でありお金のためなら何でもありの状態だと思います。そのため何をされているか不安です。 また中国とはいえ海岸地帯の汚染も気になったのがやめた理由です。

海の精  そして今は「海の精」を使っています。これは純粋に日本産であること、また自然海塩であることが理由です。塩もやはり「身土不二」が一番です。
 海水の汚染に関しては中国近海も太平洋も、残念ですが変わり無いだろうと判断しました。
 もっと近くで塩がとれればいいなと思います。

本物の「塩」を適切に摂ることは、私たちの体にとって必要な事だと思います。
皆さんも、塩の違いを味わってみてはいかがでしょうか。

■私が確認した福岡市中心部の「塩の地図」
 (大丸・福岡天神東館地下2Fが品数が豊富でお薦めです。平成12年5月3日確認)

お店
商品/価格
大丸・福岡天神
東館地下2F
 ここがお薦め!
小笠原自然海塩クシソルト450g\2,000、粟国の塩500g\1,200
海の精500g\970、皇帝塩1kg\1,800
クリスマス島の海の塩340g\500、最進の塩、深海の華 その他
数種岩塩あり
福岡三越
地下2F
クリスマス島の海の塩340g\700、沖縄の海水塩500g\1,000
瀬戸のほんじお300g\120、いそしお750g\190
シママース1kg\300、浜菱750g\350、シシリー岩塩エトナロック1kg\1,000
サーレインテクラーレ(岩塩)900g\328 その他
数種岩塩あり
福岡岩田屋
Z-SIDE
地下1F
小笠原自然海塩クシソルト450g\2,050、50g\400
クリスマス島の海の塩340g\750
瀬戸のほんじお、沖縄の海水塩、天日塩、最進の塩
福岡岩田屋本館  
地下1F
焼塩、精製塩、等
福岡ダイエー
ショッパーズ地下1F
瀬戸のほんじお、沖縄の海水塩、伯方の塩 赤穂の天塩、シママース、浜菱、昔塩 等
沖縄物産店
わしたショップ
粟国の塩500g\1,200、沖縄の海水塩500g\950、シママース、その他
サニー 瀬戸の本塩、赤穂の天塩、あらなみ 最進の塩、その他塩
サニーヤマエ
警固店
赤穂の天塩、あらなみ、ほんじお 伯方の塩、磯塩、最進の塩、その他塩
天神周辺のコンビニ エンリッチ塩、伯方の塩


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