もう12月ですから普通なら脱穀もほとんど終えている時期でしょうか。 ここ福岡は、今年は天候が不順で、 秋晴れの良い天気の日と週末が重なることが少なく、やっとの事で脱穀にこぎつきました。 それでも、この日は少し雨模様なのでした... |
■楽しい脱穀 田植えから半年経って、やっとの事で脱穀です。 この前稲刈りをして天日干しをしていたところには、私の収穫だけが取り残されておりました。 乾燥度合いですが、幸いなことにここ数日は晴れていたため、脱穀するのには問題はないようです。 ということで、早速脱穀です。 自然農ですから、石油文明の恩恵に浴せずとも、淡々と暮らして行く。 そんな願いにかなうように身の回りの品をそろえて行きたいです。 ←これ見てください!。「足踏み脱穀機」ですよ。 良くも、まぁこんなのが残っていたものです。 なんでも、不燃物置き場に捨てられていたのを拾得してペンキを塗られたそうです...そんな経緯はともかく、早速脱穀です。 まず、脱穀した籾が飛び散らないように、幌やゴザで周りを囲みます。下には集めやすいようにブルーシートを敷いておきます。 そして、やおら下のペダルをグィングィン踏んで中のドラムを回すのです。 そして回転するドラムの上に稲をもって行くのです。すると、バラバラバラバラっと籾が漉きとられる音とともに、見る見る稲藁だけになって行くのでした。 すごいすごい!。 しかしですよ、穂先の方は楽に穫れるのですが、結び目のところにあるのはなかなか穫れないのですよ。 来年は、先っぽに稲穂が集まるように結ぶこととしよう! ドラムですが、ドラムの先には針金が出ていまして、と言っても「剣山」みたいに飛び出ているのではなく、 山形に折った針金が出ているので、そんなに危険ではないようです。 しかしそんなものでも高速で回転していますから油断は出来ませんね。その針金が籾を漉き穫るのでした。 今回の収穫分を脱穀するのに、約1時間程度かかったでしょうか... 脱穀が終わったら、脱穀機を移動させて漉かれた籾を集めます。もちろん、稲穂とかいろいろなものが混ざっていますが、かまいません。次の工程で選別します。 さて、次は「とうみ」です。 これは、風を利用して籾とごみとに分ける農機具です。 先ほど収穫した籾を上に入れ、右手でハンドルを回しながら、少しずつ籾を落として行きます。 すると、重いもの(籾など)は手前の方に、少し軽い物(実入りの少ない籾)は反対側に、またその他の軽い稲藁などは 左の口から吹き飛ばされて行きます。 いゃ〜すごいものです。 先ほどの「足踏み脱穀機」は鉄製でしたので運ぶのには二人かかりでした。 しかし、この「とうみ」は木製なので軽く、運搬も一人ですむのですよ。 結構大きな農機具ですが、中が空のこともあり、一人で作業が出来るのでした。 そうやってグルングルンとハンドルを回すこと約10分。待望のお米が収穫できました。 (「とうみ」の作業が終わった頃に、雨がポツポツと降ってきたのでした...) 後はこれを「籾摺り」して玄米にするのです。雨の降っている間に籾摺りです。 ←残念ながら籾摺りは電動でした。 でも、籾摺りも昔からやっている作業ですから、電気に頼らずとも本来は農作業が出来るはずですよね。 次回は電動(石油文明)に頼ることなくやってみたい... でも、収穫がこんなに少ないから言えるのかもしれませんね。これが10俵20俵もあれば作業も半端な事では出来ないでしょう。 文明の力はありがたいですが、度を過ぎるといけませんね。 さて、私の収穫ですが、こんなものです。量ってみたら、約1350gでした→ 私は毎日2合(玄米で約260g)の玄米を食べているので、1年分を作るとすると、260×365=94900gとなります。約95Kg必要です。 ですから、今年作った陸稲(2列)に換算すると、949000/1350=約70倍の面積と労力が必要となるのでした。
一人が1年間食べてゆけるお米を作るのに、陸稲だと田植えに210時間も必要となる換算です。 この表は、大体の目安程度のもので、実際にはこんなにかからないと思うのです。しかし、こんなに労力がかかっていては大変ですね。 でも、この数字を大変な事だと思うか、これだけやれば1年間食べて行けると思うか... もちろんこれだけでは生きて行けないのは分かっていますが... どう思いますか? ■空豆の定植 雨がぱらついている間に、空豆の定植をしました。 今回も村山さんのご厚意により、7株ほど苗を分けていただき定植の体験をさせていただきました。 いつもながら、ありがたいことです。感謝。 さて、脱穀が終わった畑ですが、先ほどまで立っていた竹を引き抜き、その畑一面に今脱穀したばかりの藁を播きます。 持ち出さず、持ち込まず... これが、そら豆の苗です。根もとに空豆がそのままの形で残っています。→ この苗は、豆から育てられたそうです。 さて、定植はいたって簡単!。穴を掘って埋めるだけです。 陸稲の田植えの時は、みみずがいっぱい居たのですが、今はもういません。 土の奥に潜っているのでしょうか?... 土の掘り方も、田植えの時と同じようにしました。初めに周りを掘った後に中の土を掘り出すやり方です。 今回は、のこ鎌ひとつでやったのですが、移植コテ(スコップ)があれば、断然早く作業が出来たと思います。 あれあれ..やはりいましたよ。みみずです。雨蛙も、どこからともなくノコノコと出てきました。 みんな冬眠の準備をしていたのでしょうか? 冬眠の準備中に、じゃまして申し訳なかったですが、どうにか定植もすみました。 どうやら雨も止みました。たいした雨でもなかったので水稲を天日干ししていた稲も、そんなに湿気ていないようです。 嬉しいことに、これから水稲の脱穀もさせていただいたのでした。 ■自然農 ...こうやって、一人で淡々と農作業をやれるって良いですね。 私の日々の仕事は、直接食べることに結びついていません。そのため、時々むなしさを感じるのです。自分は今何をしているのだろうって.. しかしこうやって直接食べるものを作っていると、本当に嬉しくなってきます。 本当の仕事の喜びというか、充実感を感じるのでした。 これは、人との関わりによる喜びとは違った、別の喜びのようです。 この場面に、嫁さんがいて、子供達が手伝い遊び、おじちゃんとおばあちゃんが落ち穂を拾う... そして夕日を浴びながら一緒に家に帰る...そんな光景を瞼に浮かべ幸せを感じるのでした。 本当の幸せって何だろう... そして、自然農のように誰の力も借りずに一人で淡々と食物を作れることに、なんだか希望を感じるのでした。
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