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富士(柚木)〜由比(15km)

2004年5月22日(土)

原〜富士由比〜草薙

毎度おなじみになった東京駅5:20の始発列車のテーブル付きボックス席に陣取って富士駅まで2時間30分の旅からスタートです。7:51に富士駅着、上り線に寝台特急「富士」が到着するのを見てから身延線に乗り替え、1駅先の柚木駅に到着。切符の精算をすませて8:10に出発しました。

柚木駅(JR身延線)柚木駅を出て、まずは左手に道沿いに進むと、六差路にぶつかります。ガイドブックによればここから道なりではなく、少し右手斜め方向が旧東海道。少し行って曲がり、また元の道に出るコースです。ところが、てくてく歩いていくと富士川の川原の土手に出てしまいました。富士川橋を渡る渡るはずなので「まぁいいか」とさらにてくてく…なぜか東名高速をくぐってしまいました。ここでやっと道を間違えたことに気がつきましたが、ほぼ1kmを無駄に歩いてしまっていました。

戻ってもしょうがないので、富士川の川原沿いに土手道を歩いて、富士川橋までたどり着きました。吉原宿のあたりは道標も充実していて曲がり角を間違えるようなことはなかったのですが、同じ富士市なのにこのあたりは道標が全然見当たらず、かつ旧東海道もうねっているので間違えやすいです。歩くときはあらかじめ地図で道を追っかけておきましょう。


富士川橋富士川渡船場の説明

なんだかんだで9:00に富士川橋を渡りました。前日の台風のせいで富士川は水量も普段より多く、激しい流れでした。富士川橋を渡り、道なりに左へ進みしばらく行くと富士川町役場への案内図があり、旧東海道のコースを確認。

…………、なぜか外れています。富士川橋から若干右手でほぼまっすぐ進むのが旧東海道でした。ガイドブックでは富士川橋を渡って大きく左に曲がっていたので道なりに来てしまいましたが、よく見ると少し先から大きく曲がっていました。本日2回目の迷い道です。

明治天皇御駐輦跡岩渕一里塚の碑岩渕一里塚富士川駅を過ぎており、再び富士川橋に戻るのは嫌だったので、富士川町役場へ道をそれて、役場を越えて『岩渕一里塚』まで行き、再び戻りました(9:45)。富士川町役場から郵便局の間にある信号(右折案内標識がある交差点)を右に曲がり、しばらく行くと三叉路があるので坂を登ると、東名高速をくぐるトンネルがあります(10:20)。


トンネルを抜けてすぐ左に折れ、道なりに進むと東海道新幹線の線路をくぐります。このあたりは蒲原トンネルのすぐ近くになります。さらにしばらく道なりに進んで、東名高速の上を越える橋を渡ると蒲原に入ります。一気に坂を下りる感じで、坂の先に駿河湾が見えてきます。今は建物が建ち並んでいて景色はイマイチですが、かつては宿場と海が見えてきれいだったのではないでしょうか。

三階文庫蒲原に入ると、国道1号に沿うように旧東海道が続きます。だいたい20mくらいの間隔でしょうか。蒲原独特の奥行きのある家1軒分をはさむくらいの感じです。11:00に蒲原一里塚を越えて、11:05に蒲原宿東木戸に到着。木造三階建ての土蔵(三階文庫)のある渡辺家を眺め、右手に御殿山が見えてきます。


なまこ壁説明(クリックで拡大)なまこ壁このあたりがちょうど安藤広重が東海道五十三次蒲原宿『蒲原夜之雪』と題して描いたあたりで、記念碑などもあります。さらに御殿山から流れてくる川を越えて少し行き、11:50に本陣跡を通過しました。


御殿山広重『蒲原夜之雪』(クリックで拡大)

本陣跡を過ぎてすぐのところの家のおばさんに「どこから来られた?」と聞かれ、「東京から」と答えると、家の中に招かれました。典型的な蒲原の旧家のままのお宅で、土間や灯り取りの天窓、二間ずつ奥に並んでいく造りなどを見せていただきました。なんでも昔は簪(かんざし)などの小間物を扱っていて、さらに甲州への塩の運送なども手がけていたそうで、塩を運ぶには富士川を上るため、船から綱を木にかけて引っ張り上げる大変な重労働だったと記録が残っているそうです。

蒲原宿本陣跡和泉屋

旧『五十嵐医院』おばさんにお礼を言って、先に進むと『旧五十嵐医院』という大正時代の洋館が見えてきます。元は歯科医院だったそうですが、今は蒲原町が買い取り、ボランティアグループの方々が手入れや案内をされているとのことです。この洋館は明治期、大正期、昭和期と増築されており、大正期の増築で土間をつぶして部屋を作った証拠があるそうです。それは、柱の鴨居を通す穴の跡で、現在の鴨居よりも下に穴があり木を埋めてありました。

12:55に旧五十嵐医院を出て、突き当たりを左に折れ、さらに右に折れててくてくと進みます。途中、「宮島商店」という桜エビを扱っている店で、冷凍生桜エビや釜ゆで桜エビなどをGetし、ほくほく顔のMihoの手を引っ張って先を急ぎます。東名高速をふたたびくぐって、13:35に由比宿入口の分岐があり、清酒『正雪』の神沢川酒造で『正雪純米吟醸』を買って、さらに歩くと、由比本陣公園や由比正雪の生家とされる『正雪紺屋』などがあります。

正雪紺屋由比本陣公園のすぐ先に、今回のMihoの最大かつ唯一の目的である『井筒屋』があります。寿司と蕎麦の店ですが、桜エビがおいしくいただける店です。残念ながら土曜日は桜エビの出漁はなくて生桜エビにはありつけず、さらに待ち人多数で13:35に到着しましたが、1時間半待たされました。来店は3回目ですが店員さんは私たちのことを覚えていました。よほどMihoの印象がすごかったんでしょう(笑)。桜エビのかき揚げなどおいしくいただきました。

井筒屋を出て、由比駅まで歩き、15:30に到着しました。当初予定は蒲原まででしたが、Mihoの桜エビにかける執念のおかげで由比まで来てしまいました。来月は、薩た峠を越えて興津〜清水です。いよいよ静岡市に突入です。



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