甘えた声が吐息に混じって、ツォンの唇に掛かる。
軽くキスをしながら、ルーファウスを抱き上げたツォンは、そっとベッドに下ろした。
「…ツォン」
啄む様な甘いキスから、全てを求める位に深いキス迄。頬から耳へと唇を滑らせるツォンの腕を、ルーファウスが怯えたようにぎゅっと掴んだ。
「力を抜いて下さい…」
耳元で囁かれる低い声に、ルーファウスが身を震わせる。
シャツが開けられ、指が滑らかな肌を行き来すると、急激にルーファウスの鼓動が早くなって行った。胸の突起を軽く嘗め上げながらも、ツォンの手がルーファウスのズボンへと延びる。
「あっ…はぁ…」
漏れる声にルーファウスが頬を赧らめると、ツォンは喉の奥でくすりと笑った。
「素直に声を上げて下さい。…ルーファウス様」
「や…ぁ、恥ず…かし…」
「恥ずかしがる事は無いですよ」
一度軽くキスをして、ツォンは胸元から腹部へ、腹部から足へと舌を滑らせる。
露になった白い足に口付けをして、ツォンはルーファウス自身に触れた。
「や…!」
びくっと大きく体を震わせ、ルーファウスはツォンの髪を掴む。
自分自身を口に含むツォンの長い髪を、一束だけ握り締め、ルーファウスは未悶えた。
「力を抜いて…」
「…んっ、ツォ…ン」
身震いした後、放たれたものを飲み下し、ツォンは顔を上げた。
頬を真っ赤に染め上げ、息を弾ませるルーファウスに優し気に微笑むと、ツォンはルーファウスにキスをした。
「夜はまだこれからですよ」
きゅっとツォンに縋り付き、ルーファウスはツォンに口付けを強請る。
「ルーファウス」
初めて呼び捨てにされた名前を噛み締め、ルーファウスは一層強くツォンに抱き付いた。
ー擽ったい…。何?ー
夜中にふと瞳が覚めたルーファウスは、自分の置かれた状況が一瞬把握出来なかった。
「…ツォン」
誰かの腕枕…。守る様に回された手と、側で眠る誰かの吐息。
「………。…幸せって、こんな事を言うのかなぁ?」
ぼんやりとツォンの寝顔を見詰め、ルーファウスはツォンの髪に触れた。
ふと、ツォンのグリーンブルーの瞳がルーファウスのアイスブルーと視線を合わす。
「何がですか?」
「ううん。今迄こんな風に寝た事って無かったから…。腕枕とか、俺を抱き締める腕と直ぐ側に在る吐息。…幸せってのはこんなかなぁ、って…」
「私の方こそ…。愛してます、ルーファウス様」
「ベッドの中で様は止めて暮れ。ルーファウスで良い」
視線を合わせ、はにかむ様に微笑み合う二人は、ゆっくりと唇を合わせた。
「ルーファウス…」
「ツォン、愛してる」
再び唇を重ねて、ツォンは窓の外に瞳をやった。
「そう言えば、此処の星を見ましたか?」
「うん、見た。凄い星だな」
「…以前に聞いたんですが、空の星達を星と呼ばずに別称で呼ぶ種族が居たそうです。その呼び方が妙に印象的で…」
「忘れられないと?何て呼ぶんだ?」
「・・・」
瞳の前が真っ白になった。あの瞬間、私は死んだと思った。
「…此処は?」
「私の家です」
「私…?リーブ?」
「はい。あっ、まだ起きられては行けません。傷は深いです。ケアルも一度に掛けられない位、体力が落ちてます。安静にして居て下さい」
ケアル、ケアルラ、ケアルガは自らの体力の範囲内で自己修復を助けると言う作用が在る。故に著しく体力が落ちて居る場合は、逆に命取りになるとリーブは以前教えて暮れた。
ケアルすらも掛けられないのか、と思いながらルーファウスは天井を見詰めた。
「覚えてらっしゃいますか?ウェポンの襲撃の事…」
「ああ。…死んだと思った」
「…星が出てますね。空の星達の別称、知ってますか?」
何処かで聞いた話だと思った。
「ツォンに教えたのはお前か、リーブ」
「お聞きになりましたか」
じわりと目頭が熱くなった。
ベッドサイドの椅子に座るリーブは、それに気付かない振りをして、話を続ける。