「隷 属」-3-

言葉にならない音が口から漏れ続けるルーファウスは、既に限界に達し、己の内で何かが頭をもたげるのさえ分からなかった。


不意に、ルーファウスは不自由にされた身体を起す。目元を赤らめ、息を吐くのさえ辛いと言った有様でツォンにもたれ掛かる。
そして、その欲情した瞳でツォンを見つめながら、ぺろりと赤い舌で自分の唇を舐めた。
「もう言葉も出ないんですか?」
その行動を懇願と受け取ったツォンは、再びルーファウスの下肢の間に息づくものに触れた。
「あっ・・・・ん・・・・」
身体を震わせながらも、ルーファウスは舌をツォンの首筋にたどたどしげに這わせる。
思考より先に本能が求めていた。身体中の細胞が理性に反乱を起こしている。
そしてそれが身体の主導権を握っていた。
舌なめずりするたびにぴちゃりと音をたてつつ、喉元までくる。
はだけたシャツの襟元から胸元を求めて顔を埋めようとしたとき、ゆったりと制止された。
玩具を取り上げられた子供のように非難を込めた眼差しで、ツォンの顔を仰ぐ。
「そこはもういいですよ。もっと、あなたが欲しい物があるでしょう?」
小首を傾げて見守っていたが、口元に媚びを含んだ笑みを浮かべると、ツォンの下腹部に顔を近づける。
ファスナーを口にくわえ、引き下げる。
さらにボタンを器用に外すと、下着の内から望むものを取り出した。
そして少し躊躇うように唇を押し当てる。
やめろと叫ぶ理性がそれ以上の行為に歯止めを掛けていた。
「どうするんですか?・・・・身体が辛いのでしょう?」
ルーファウスの頭を押さえ込むように金の髪に指を差し込む。
「早くなさい。あなたが苦しいだけですよ?」
ツォンの右手の指が顎の線をなぞった。
「ふ・・・」
鼻に掛かった甘い吐息が漏れると共に理性の叫びは掻き消され、快楽を求める本能だけがその身体を支配した。
おもむろに口を開くとそのものを含む。
「・・・んっ・・・・・」
口腔内に余るそれに舌を這わせ、なぞる。
それが中でどんどんと育ってゆくに連れて、ルーファウスは苦しそうに顔を歪めながらも舌をまとわらせ、吸い上げる。
それを冷たく見下ろすツォンの眉根が一瞬顰められた。
「・・グッ・・・・・ゲホッゲホッ・・・ッ・・・・」
放たれたものを思わず飲み下したルーファウスは咽せ、肩を震わせながら咳き込んでしまっていた。
ツォンは髪を掴んだまま、ルーファウスの顔を上げさせる。
口から一筋飲みきれなかったものが伝う。
「良かったですよ、ルーファウス様。それでは、約束通りにあなたも楽にさせてあげましょうか。」
咳き込みが収まったその身体は、やっと解放される喜びに震えている。
己の身を整えながら、ツォンはそんなルーファウスを見下ろしていた。


ルーファウスの髪を掴んでいた手を離すと身体を俯せにし、膝を立てさせる。
秘部が晒され、手をつけないために頬が机に押しつけられていた。
「いい格好ですね。皆が知ったらどう思うんでしょう?ククッ。大丈夫ですよ、そんなに怯えた顔をしなくても。これは私とあなたの秘密ですから。」
そして、はち切れんほどに満ち満ちた欲望に手を添える。
「こんなになって・・・・・苦しいですか?」
ツォンが笑みを含んだ表情で顔を覗き込んで聞けば、こんな白々しい問いにさえ、ルーファウスはこくりと素直に頷く。
この権力者の意に逆らわないように。一刻も早くこの苦しさから解放してもらえるように。
今のルーファウスの中には、ルーファウス神羅という名も神羅カンパニーの副社長という肩書きも無かった。
ただ、己の本能が求めるものを与えてもらうために従順に従う─────
「・・・・私の奴隷。それが今のあなたの姿。誰も知らない、ね。」
クスクスと笑い続ける。
そして指を秘部に差し込んだ。
「ひぁっ・・・・っ・・・」
ひきつれたような悲鳴が上がった。
指先が内壁を抉る。
一度抜いてまた勢いよく差し入れる。
そうする度に違った響きを伴った声に変わってゆく。
湿った音が耳を打つ。


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