「隷 属」-2-

「そしてあなたは、私が招じ入れるまま部屋に入った。それは、こうする為でしょう?」
その衝動に従い、噛み付くように唇を奪った。
「・・・・んんっ・・・・・」
絶対に開くまいと固く閉じる唇を顎を押さえて無理矢理開かせた。
侵入したツォンの舌は絡まるものを求めてうごめく。
逃げる獲物を追いつめ、絡みついた。
(熱い・・・・)
ルーファウスは口腔内を犯されながら、感じていた。
己の内を思うままに貪る者が、火を付けて廻っている。
2人の唾液が混じり合って、ルーファウスの顎を伝っていった。


離れたツォンは自身の口元を拭った。
伏せたきりのルーファウスの顔は上気し、空気を求めて荒く息をついている。
黙ってその様を見下ろしていたツォンは、何かを思い付いたように先程の上着に手を伸ばす。
「この中にはね、こんな物も入っているんですよ。」
内ポケットを探ると簡易手錠を取り出し、目の前にちらつかせる。
そしてルーファウスの手首は、それによってきつく戒められた。
「お・・まえ・・・こんなことをして・・・・・後でどうなるか分かっているんだろうな。」
あまりの屈辱に呻くようにして言うルーファウスを見て、口の端を上げる。
「あなたは、何もなさいませんよ。何もできないと言った方が的確ですか。」
「なっ・・・・・あぅっ・・・・・」
言い返そうとする暇を与えず、ツォンの手は動き出した。
シャツの上から、薄くもないが、決して厚いとは言えない胸を撫で下ろす。
それだけで、既に身の内に熱いものを抱えているルーファウスは、抑えきれない声をあげた。
「ほら、ずいぶんと乗り気じゃないですか。でも、こんな物は無い方がいいでしょう?」
ツォンは机に腰掛けると、力任せにルーファウスのシャツを引き破った。
間からは白い胸が覗く。
ついで、下肢からも全てを剥ぎ取る。
ルーファウスの驚き、非難するような鋭い視線が、いっそ心地よかった。
覗いた胸の突起を無造作に摘む。
「・・・っ・・・・」
指の腹で丹念に転がされ、刺激を与え続けられる。
「イイんでしょう?声を出して下さい。もっと良い声が出るはずだ。」
「どういう・・・つもり・・だ・・・・こんな・・・・」
「この間も言ったでしょう。あなたを愛しているんですよ、私は。あなたに私というものを刻みつけたい。それだけです。」
肌を探る手が、ひどく冷たく感じられる。
ルーファウスはそれだけの刺激にも身をよじって悶えた。
「・・・っぁ・・・・・」
身体が自分のものではないようであった。
脇腹に触れる指、股を撫でる手のひら。
ひとつひとつに反応し、もっともっとと求めてしまう身体が呪わしい。
そんな思いを噛みしめながら、漏れ出る声に耐えているとツォンが声を立てて笑った。
「あなたの身体は、もう私無しではいられないんですよ。」
巧みな指と舌とで追い立てられるていくルーファウスの目尻には、透明な雫が溜まっていた。
しかしそれらは、ルーファウスの頂点をうまい具合にはぐらかす。
思うままには欲しいものを与えてくれなかった。
波のように強くうち寄せては引いてしまう。
この焦れったい愛撫で、彼自身は精を放つこともできず、身体中から集められた欲望が熱く脈打っていた。
余りの苦しさに気が狂ってしまいそうであっても、最後の矜持を捨てられないルーファウスは決して口にはしない。
「・・・・・我慢しますね。身体に良くないですよ?」
そっとツォンの長い指がそこに触れる。
ビクッ
ルーファウスは身体ごと跳ね上がった。
「フッ。そんなにここには触れられたくないんですか?それでは、触れるのはよしましょうか。」
意地の悪いそんな一言と共に、もう一度軽く触れた。
何も言い返すことなどできない。
それほどに身体が欲していた。
既に欲しいとも言えないくらいに。
溢れ出た涙が頬を濡らす。
ツォンはお構いなしに手を肌に這わせていく。
指で身体に触れるだけで、過剰なほどの反応を見せるルーファウスを楽しんで嬲り続けていた。
「・・・・やぁ・・・もう・・・・」


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