ホテルに到着し、案内された部屋へ入る。
ツォンは、荷物を下ろすと、ライフストリームを望むベランダの扉を開ける。
良いホテルだ。部屋も、環境も申し分ない。
「そういえば、ミディール(ここ)にうちの系列ホテルなんて、あったっけ?」
フカフカのスプリングの効いたベッドに腰を下ろして、楽しそうにポンポンと軽く跳ねていたルーファウスが、ベランダのツォンに問う。
「えぇ。客の中に不逞の輩が紛れ込んでいるとも限りませんからね。買い取らせました」
「はぁ…!? お前なぁ、そこまでしなくても良いだろ!!」
驚きの余り、跳ねるのを止める。
「いいえ、危険は少ないに越したことはありません。それに社員の福利厚生の為でもあるのです(←ウソ)」
ツォンは、ルーファウスの方を振り返り、ニヤリと笑った。
[3] 絶対、ツォンの陰謀だ!!
ルーファウスは、このホテルの目玉である露天風呂に浸かり乍ら、憤然としていた。
その証拠に、他の客はこの露天風呂に姿を見せない。これは、ツォンが従業員に「近付くな」「近付かせるな」と、言い含めているに違いない。(←その通り!!)
いつも気が付くと、ツォンのペースにハマっているのだ。
でも、良いか。ここにいる限り、ミッドガルでは決して見ることの出来ない満天の星空が、一人占め出来るのだから。
ルーファウスは、湯舟の中に配置された岩の一つに凭れ掛かり、空を仰いだ。
その頃のツォンは、レノから掛かって来た電話に、不機嫌そうに応対していた。
「あぁ、判った。引き続き、アバランチの動向を探れ」
怒りに任せ、ブチッと携帯電話の回線を切る。
よりによって、これからルーファウスと二人っきりの入浴タイム、という時に掛けてくるのだから、レノにとっては、タイミングが悪いとしか言い様が無い。
切られた電話の向こうでは、可哀相なレノが理由も判らず首を傾げていた。
ツォンは携帯電話の電源をも切る。
これ以上、邪魔をされてなるものか。最初から、電源を切っておけば、邪魔されることも無かっただろうにと、少し反省をする。
もう、用はないとばかりに、鞄の奥深くに仕舞うと、愛しのルーファウスの待つ露天風呂へと急いだ。
「お待たせしましたっっ!」
驚いたのは中のルーファウスの方だ。
(一緒に入るのか〜〜っっ!?)
慌てて岩陰に隠れる。
湯をかぶった音がして、続いて湯舟の中をザブザブと歩いてくる音がする。
ルーファウスは、見つからないように深く沈む。しかし、狭い風呂場である。すぐに見つかってしまった。
「こんな所にいらっしゃったのですね〜」
ニコニコと満面の笑みを浮かべて、ルーファウスの隣に据わる。
「〜〜〜〜っっ」
折角の解放感に水をさされ、不機嫌になる。でも、ヘンに心臓がドキドキしているのは、それだけでは無い様な……
「出る!」
「あっ、待って下さい」
やっと訪れた甘いひとときなのに、ルーファウスはさっさと湯舟から出てしまった。
「身体を洗うだけだっ! 付いて来るなっ」
ガーーンッ!
ツォンの頭の中で「拒絶された」の文字がグルグルと回っている。
しかしそこは、鉄の精神でググッと立ち直る。
「せめて、お背中でも流しますよ」
頼まれもしないのにルーファウスの横を陣取り、手にしていたスポンジを取り上げる。
キッとツォンを睨み付けたルーファウスだが、仕方ないなと言った風情で、ツォンに背を向けた。
始めは真面目にルーファウスの白い背中を、ゴシゴシと流していたツォンだが、次第に本来の目的を達成すべく、ルーファウスの身体に指を滑らし始める。
後ろから細い腰を捕まえる。
驚いたルーファウスはその手を解こうとするが、泡の所為でツルツルと滑ってしまい、思うようにならない。
耳の後ろを舌が這い、耳たぶを甘噛みされる。
「や…、バカッ! 止…めろ」
ツォンの手が、僅かに開いた股の間に滑り込み、中心部分を握られる。
「……!!」
身体を強ばらせ、顔は耳まで真っ赤になっている。
手を動かされる度に、ぬるりとした感触がそこから身体全体に、快感となって広がる。
更にルーファウスを追い上げるように、腰を捕まえていた手が、掌で撫でるように身体の線をなぞり、胸の突起物に辿り着く。
それを摘み、愛撫を施す。
「〜〜〜〜〜っ。 止めろって、言っているだろ!!」