首筋、鎖骨、胸へと赤い痕を残しながら、彼の身体を愛撫して行く。
「あっ…ん」
腰に結ばれた帯を解き、下肢からも全てを剥ぎ取る。
「……や…だっ」
光の中に晒されたレゴラスの裸体は、まだどこか少年の様相を醸し出していた。この様子だと、発情期もまだだろう。
まだ男も女も知らぬ純潔の身体に、私という存在を刻み付ける興奮と、嫌がるレゴラスを犯すほんの少しの罪悪感。
胸の突起を口に含み、吸い上げる。もう片方を指先で触れると、それらはたちまち硬く立ち上がった。そのまま舌先と指で転がす。
「…っん…はぁ…、や…」
感じているはずのレゴラスは、唇を噛み締め声を押し殺している。
そんな事をしても、私から逃れられる訳がないのに。
「レゴラス、力を抜きなさい」
私も衣服を脱ぎながら、そう言う。
私を睨み付けながら逃げるレゴラスの足首を掴み、寝台の中央へ引き戻す。そしてその両足を折り曲げ、押さえ付けると中心にあるモノを咥える。
いつも女性達が私にそうする様に、刺激を与えて行く。
男性生殖器を口に含むのは、勿論初めてだったが、躊躇は無かった。
私の頭を押し退けようとしているレゴラスだが、口内で成長して行く彼のものは、やがて先端から液体を漏らし始める。私の唾液と混じり合ったその液体を、指で掬い取り、後腔へあてがう。
これから何をされるか察知したレゴラスの顔色が変わる。
「やだ…止めて…下さい」
「良い子だ、レゴラス。すぐに良くなる。だから力を抜きなさい」
穴の回りを優しく撫で、緊張がほぐれて来たところで、指を挿入させる。硬く閉じた蕾は、異物の侵入を拒み、悲鳴を上げている様だ。
「いやっ…! ぁんっ」
レゴラスは私の出し入れする指を、きつく締め付けて来る。このままでは、レゴラスの身体に負担が掛かるばかりだ。
「レゴラス、聞きなさい。力を抜いて、楽にしなさい?」
耳元でそっと囁くが、レゴラスは頭を振り、それを拒否する。
仕方無い。少々荒っぽい手を使うか…。
ヒクつく後腔に、もう一本指を捩じ挿れる。
目に涙を溜め、レゴラスは声を上げそうになるのを堪える。
音を立てながら、何度か出し入れを繰り返したり、中で指を広げたりして行くうちに、締め付けが緩くなって行く。
今、これ以上挿れるのは酷かと思ったが、レゴラスの声が聴きたくて、更に指を増やす。
「あー! い…ゃっ!」
レゴラスはシーツを掴み、全身を捩って抵抗する。
「レゴラス? 今、何本入ったか判りますか?」
身体を移動させ、レゴラスに囁き掛ける。
彼は相変わらず、唇を噛み締め、首を左右に大きく振る。
「答えなさい、レゴラス」
顔を背けたままレゴラスの目が開かれ、サファイヤの瞳から大粒の涙が零れ落ちた。
その涙でさえも美しかった。
涙で濡れる目尻に唇を寄せ、もう一度告げる。
「今、あなたの中に私の指が、何本入っているか答えなさい?」
レゴラスは再び目を閉じ、大きく深呼吸した。
上下する胸に唇を這わせ、挿れた指を動かす。
「ぁ…んっ、さ…三…本……」
羞恥からか、レゴラスの顔は紅潮し、身体が急速に熱を帯びる。
「…良く出来ました」
今、私の腕に抱かれているこの美しい孤高のエルフが、愛しくて仕方無かった。誰も寄せ付けない冷たさを未だ失う事無く、私の指の動き一つで、身体を熱くするのだ。