運命の流れが一巡りした時
〜グロールフィンデル〜
恋 人-5-

 彼の後ろから、指を引き抜く。そして左側を下に向かせると、右足を曲げ、背後から彼のモノを扱く。
「あ…ぁんっ、あ…いや…」
 レゴラスは扱く手を払い除けようと、下半身へ手を延ばして来た。
 その手を捕らえ、彼自らのモノを握らせ、上から私の手を添えて、一緒に扱く。
 一度、液体を滴らせたモノは、たちまち変化し二人の手の中で果てた。
 レゴラスは震えながら、枕に顔を埋め、声を押し殺して泣いている様だった。だが、私は自分の欲情を押さえられない所まで来ていた。
 遥か昔、ヴァリノールで見た、ラウレリンの輝きの如く美しいエルフが欲しくて堪らない。
 このエルフが放った体液を、半ば変化しかかった自分のモノに塗り、先程まで指を挿れていた穴に突き立てた。
「あっ……! あぁ…ぁ…んっ、はぁぁ…ん…」
 レゴラスは顎をのけ反らせ、嬌声を上げそうになるのを堪える。
 力が加えられたままの後腔は、指とは比べ物にならない大きさの異物を、悲鳴を上げながら咥えて行く。潤滑油代わりの液体など無意味な程に。
「レゴラス…、力を抜きなさい。辛いのはあなただ」
「い…いやで…す」
 そう言って、激しく呼吸を繰り返す。
 私は構わず、腰を揺さぶり始める。
 寝台の軋む音と、二人の繋がった箇所からの卑猥な音、そしてレゴラスの苦痛に耐える声。
「…声を出しなさい、レゴラス」
 レゴラスは首を振る。
「あなたの声が…、聴きたい」
 揺さぶりが激しくなるに連れ、二人の呼吸と、寝台の軋む音も大きくなる。
「はぁ…んっ、あ…んっ、ぃたい…」
 濡れた手で、レゴラスの熱を帯びた艶(つや)やかな肌を撫でて行く。
 レゴラスの手が、自分の身体から撫でる手を放そうとして彷徨う。その手を捕らえ、上から重ねて、右手は身体を、左手はレゴラスのモノを共に扱いて行く。
「レゴラス…、愛してる」
 耳元でそう囁き、エルフ独特の尖った耳に舌を這わせ、また甘噛みする。
 例え、スランドゥイル殿があなたに無関心でも、私は…私だけは、この世の終わりが来るその時まで、あなたを愛し続けよう。
「っつ…、痛っ……」
 レゴラスは二度目の絶頂を迎え、そこで脱力した。私も絶頂を迎え、私で彼の中を満たした。
「レゴラス…?」
 レゴラスの中から己を引き抜くと、上半身を起こし、愛しい人の顔を覗き込む。
 汗を含み、額に張り付いている髪を取り除く。
 そこに唇を寄せた。
 寝息を立てているレゴラスは、激痛に耐え兼ね、意識を手放していた。
 この気高きエルフは、快楽に身を委ねる事無く、最後まで私に心を許してはくれなかった。
 それがまた、私を引き付け、掌中の珠にしたいと思わずにはいられないのだけれど…。
 こんなにも一人の人を、欲する時が来るとは思わなかった。
 妻を愛していなかった訳ではない。だが彼女にも、関係を持ったその他の数多の女性達にも、抱いた事の無い感情だった。
 後処理を全て終え、最後にもう一度、レゴラスの唇にキスをした。
「愛してる、レゴラス」
 私は静かに部屋を後にした。
 部屋を出ると、辺りは夜の帳が降りかけていた。
 藍色の空を覆う木々の隙間から、レゴラスを思わせる白く美しく、それでいて何処か寂し気な細い月が覗いていた。


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