バイオリンへの憧れ

violin


クラッシック音楽がすきになったのは…

 私の父は音楽好きで,結構オーディオなどにも凝っていました.物置をあけると昔のSP盤なんかが出てきたりして,プレーヤにかけて,無理矢理手で早く回して再生して怒られたものです.父は,JAZZやカントリーその他のポップス,映画音楽を好んで聴いていました.私も一緒になって聴いているときがありましたが,特にのめり込むことはありませんでした.

 そんな中学のある日,レコードの中にクラシックの名曲選(LP10枚組)があるのをみつけました.その曲を順番に聴いていました.その中に私の今までの音楽観を一変する曲が含まれていました.それは,チャイコフスキーのバイオリン協奏曲でした.その曲を初めて聴いたとき,感動で体に電気が走るというか,脳味噌が飛び散りそうになるというか,強烈な衝撃をうけたことを覚えています.そして,ソファーに横になって,ヘッドホンをして何回も繰り返し聴いていたら,いつの間にやら夕方になっていたのでした.なんで,こんな曲が作れちゃうのだろうと関心したものです.そして,その名曲選の中には,チャイコフスキーのピアノ協奏曲もありチャイコフスキーというのはただ者ではないと確信したのでした.
そしてこの日から,クラシックのエアチェック小僧と変身しました.

 まずはじめに思いついたことは,父が買っていたFMfanという雑誌でえび茶色の文字の部分(クラッシックの部分はこの色で印刷されていました)から,チャイコフスキーの文字を探しました.そして,一番はじめに聴くことができた曲がチャイコフスキーの交響曲第5番でした.これがまた決定的なものとなりました.この曲を聴いたときも,すごい衝撃でした.感動しました.今でもこの曲は私のお気に入りのひとつで,この曲をきくと元気が出てきます.この日から,チャイコフスキーを中心にFMから流れるクラッシック音楽をエアチェックするようになりました.こうして私は,クラッシックファンとなったのでした.

バイオリンを弾きたい…

 高校のころは,一生懸命テープに録音して曲を集めるのが楽しみでした.(ときどきLPも買いました)そのころから,ただ聴くだけでなく楽器をやりたいなァと思うようになりました.なかでも,憧れる楽器が,バイオリンでした.父は幼いとき私にバイオリンを習わせようかと思ったらしいのですが,私が嫌がったのでやめたというのです.なんともあっさりしたものです.「そんな大事なことは子供の一言で決めては,無理矢理習わせてくれなくちゃ」と悔しい思いをしたものです.私の行っていた高校には,都立高校なのに珍しくブラスバンドではなくオーケストラがありました,オケに属している友だちは小さい頃からバイオリンをやっていた人がほとんどなので,こりゃ無理かなと思ってあきらめました.それから,しばらくは,バイオリンを弾くことに憧れるものの,鑑賞専門になりました.

 大学を卒業する頃,新聞の通販の広告にバイオリン入門セットというのがありました.価格は40,000円程度で,ケース等はもとより教本と練習用テープがついているものでした.その広告には独学できると書いてあり,どうしても欲しくなってしまい購入しました.しかし,バイオリンを独学するというのは,私にとっては大胆すぎたようです.(あさはかでした.)これは長続きしませんでした.

一大決心

 会社に入ってからは,月に1,2度コンサートに行き,時々CDを購入するというのが私の楽しみになりました.でも,どこかでバイオリンを弾けるようになりたいという欲求が消えることはありませんでした.そして,とうとう29歳と11ヶ月になってしまいました.来月誕生日だ.とうとう30歳になってしまうが,20代でやり残したものは何だろうと考えたとき,10代からやり残していたこと“バイオリンを弾くこと”があることに気づいたのです.「後悔しててもしょうがない,早くしないと死んじゃうぞ」などとも思い,いい年をしてと思われるかもしれませんが,30歳の誕生月からバイオリンをはじめることにしました.私にとって一大決心でした.

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