Tune 7
ヘルメット交換!
〜 SHOEI X-Eleven DAIJIRO
TC-6 (メモリアルモデル) 〜
購入日:2003/11/30
購入店:バイクピット東広島
価格:¥59,000
(メーカー希望価格:実際の購入額は…ヒミツ!)
2003年4月、世界2輪レースの最高峰といわれる「MotoGP」の開幕戦・鈴鹿GPにおいて、
若き日本人ライダーがこの世を去りました。
その名は、加藤大治郎。26歳の若さでした。
1997年に全日本GP250ccクラスでチャンピオンを獲得し、2001年WGP250ccクラスでチャンピオンになりました。
翌2002年にはMotoGPクラスに参戦し、日本人で「一番世界チャンピオンに近いライダー」と称されました。
しかし悲劇は突然起こりました。決勝レースで走行中の加藤選手はマシンと共にコースアウト。
制御を失いかけたマシンを立て直そうと必死にコントロールを試みながら、そのままセーフティバリアに激突。
頭部をバリアに打ち付けられた加藤選手は、そのまま倒れこんで起き上がりませんでした…。
直ちにレスキュー隊が病院に搬送し、何とか一命を取り留めましたが意識不明。
そして事故から17日後の4月20日、最も辛い報道を聞く事になってしまいました。
レースをする上で「事故」というのは、限界のコンディション状況下でのライダーたちの戦いの場では
公道走行以上に起こりうる事が十分考えられます。しかし若き日本人ライダーの事故死は
多くの二輪ファンのみならず、日本中のモータースポーツファンにも衝撃を与えました。
そして、2003年7月。
加藤大治郎選手が練習走行などで使用していたレプリカヘルメットが、 家族の承諾を得て限定発売となりました。
デザインはすでに販売されているレプリカモデルと同じですが、写真のとおりかなり地味な配色です。
しかし本人はとても気に入っていたらしく、レプリカモデルの販売を選手本人が高く望んでいたものだそうです。
シールドはSHOEIの特徴である「ビルドイン・メカシールド」。シールドを開けてレバーを下げると簡単にシールドが外せます。
半ば強引に外すAraiの「スーパーアドシス」と対照的。両方とも「グローブをつけたままでシールド交換を容易にする」のが目的ですが
シールドを外す場合はArai、付けるのはSHOEIが「楽」と感じるのは私だけ?
グラフィックは派手ですが、全体のカラーリングはとても地味。ヘルメットメーカーが出すオリジナルグラフィックモデルと
あまり大差ない印象を受け、パッと見「レプリカモデルだ!」と感じさせないところが良いですね。
ちなみに加藤選手がレース本番で使用していたものは、これに赤いカラーが入った派手なものです。
帽体はSHOEI最高峰の「X-Eleven」で、「ツノ」のようなテールデザインと驚異的な軽さが特徴です。
後頭部には睨み付ける大きな「目」があり、後続ライダーを挑発しているかのような印象を受けます。
(そういえば中野真矢選手のヘルメットにも「目」がデザインされてますね。)
その上には加藤大治郎選手のゼッケンナンバー「74」がプリントされています。
ちなみにこの「74」というのは加藤選手の誕生日「7月4日」から来ており、本人お気に入りのナンバー。
通常ゼッケンナンバーは前シーズンのランキング番号が与えられますが、こういった「ラッキーナンバー」に
こだわりを持つライダーもいます。古くはケビン・シュワンツの「34」などがそうでしたし、
中野真矢の「56」はあの「バリバリ伝説」の主人公ナンバーだというのも比較的有名な話ですよね。
またこのメモリアルモデルは、加藤選手の誕生日に販売になったという経緯もあります。
被り心地はSHOEI特有の硬質で締まった印象。軽量な帽体と相まってとてもしっくりくるものです。
同サイズのArai製品と比べるとワンサイズ小さく感じるほどです。
メーカー変更を考えている方は、実際に被ってみてサイズを確認しましょうね。
そしてビックリしたのがこの軽さ!箱に入れて持ち上げると、「あれ?中に入れてなかったっけ?」と錯覚してしまうほど。
このくらい軽いと、長時間被っても首の負担は少なそうですね。
さて、問題は「このヘルメットを使うかどうか?」です。
折角買ったんだから使いたいのですが、同氏の哀悼の意を表して暫くは使わずに保管しておこうかな思ってます。
少なくとも、彼の命日「4月20日」までは…。
<おまけ>
〜 Arai RX-7RR3 DOOHAN 〜
購入日:1995/5
購入店:田宮マイカーランド(現・ライダーズショップ田宮)
価格:¥50,000(消費税込み)
おまけとして、今まで被ってきた私の愛用ヘルメットを紹介します。
モデルはWGP500ccクラスで前人未到の5連覇を成し遂げた、「マイケル・ドゥーハン」レプリカです。
当時のドゥーハンレプリカは「ギガ」と呼ばれるモデルがベースでしたが、念願のWGP2連覇を成し遂げ、
それを記念して上位モデル「RX-7RR3」をベースに限定モデルを販売。それがこのヘルメットです。
元々ドゥーハンファンであった私は従来のスイカデザインを愛用しておりましたが、彼の母国「オーストラリア」の
国旗をあしらったカラーリングとバックプリントされたコアラの魅力に負けて、速攻で購入してしまいました。
美しく派手なカラーリング。バックプリントのコアラマークには、お約束のドゥーハンのサイン入り。
良く見ると「WGP CHAMPION」の称号が入っていたりして、マニア心をくすぐる仕様。
(右写真:マウスをあわせると拡大画像が見れます)
スクリーンホルダーまで丁寧にペイントされ、一体感あふれる。標準モデルにはない大きな排気ダクトは
Araiのハイエントモデル「RX-7RR」の証。帽体はSuperCLCで、当時としては軽量。
さて、ヘルメットとしての基本機能はベースである「RX-7RR3」に準じる内容です。
上部には大型の排気ダクトが備わり、走行時に頭部に心地よい風が導入される仕組みです。
また写真はスモークシールドに交換済みのため装備されていませんが、
シールドシート付きのスクリーンも標準装備されていました。
一般道走行ではあまり必要のないギミックですが、レーシングモデルという位置づけであるこだわりを感じさせます。
難点はこの蛍光色。太陽光による色跳びが激しく、炎天下でヘルメットホルダーにかける際は気を使いました。
(前に持っていたギガモデルはこれを怠り、左右で色が違うヘンテコカラーになってしまいました…)
他モデルはどうなのかわかりませんが、どうもAraiは塗装が弱い気がしますね。
この後、ドゥーハンモデルはRX-7RRベースに標準化され、2000年には新帽体「SNC」を採用。
ドゥーハン引退後の2002年まで販売され、多くのファンに愛されてきました。
ちなみに私はこのヘルメット、小さな傷は少々ありますが一度もぶつけたり落としたりしていません。
思い入れの深いヘルメットですので、捨てたりせずに大切に保管したいと思ってます。
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