「平成のハチロク」とうたわれた、アルテッツァ。
FRスポーツとしての実力は?
将来性はあるのか?
アルテッツァ・オーナーである私が独断と偏見で切り刻んでみたいと思います。
特に、「アルテッツァの購入を考えている方」は必見!

そんなもの見なくていい!もう購入を決意しているんだ!
…というお方は

アルテッツァ・購入ズガイド

をご覧ください。
でも、面白いから見てね。


 

1.インプレッション

 

なんしぃがアルテッツァを購入したのは、デビューして間もない平成10年11月。

その頃の各カー雑誌には、アルテッツァを褒め称える記事ばかり掲載されていた。
自称「クルマバカ」のなんしぃも、実車を見ずにセールスマニュアルだけでアルテッツァ購入を決意。
(この背景には前愛車「MR2」の壮絶な最期があったのだが…)

乗ってすぐ感じたのは、ボディ剛性の高さであった。GOAと呼ばれるトヨタ独自の安全ボディは高剛性化に一役買っている。
そして210psというパワーは当時2リッターNAでは最強。NAらしく高回転まで回り切る爽快感は、ターボ車では味わえないものである。6MTクロスミッションも出来がすばらしく良い。
フットワークの軽快さも特筆すべきレベル。2670mmというホイールベースを感じさせないノーズの入り方は、スポーツカーに匹敵する

インテリアの雰囲気もいい。特にクロノグラフメーターは「フツーの車」っぽくなくて良い。
(「見にくい」とか「幼稚くさい」などと酷評もあるが…)
取りまわしは良好で、狭い道でも扱いやすい。

 

2.アルテッツァの弱点

 

と、ここまでは当時のカー雑誌で褒めちぎられた点であったが、
最近のカー雑誌ではちと違う。
つきあい始めて二年半を迎えた相棒のウィークポイントを挙げてみよう。



1.エンジントルクが薄い

  22kgmのトルクは十分高いのだが、高回転出力型であるため扱いづらい。
  なんしぃはATモデルに乗ったことがないのだが、噂ではトルク感はATが上らしい。

3S−GE
トヨタの伝家の宝刀、3S。
長年の改良で210psを発生するまでに至ったが、
燃費や騒音面では古さは隠せない。



2. 足周りが貧弱

  ある意味「トヨタ車だなぁ」と思わせる点である。
  「堅い」とか「柔らかい」とかという問題ではなく、スポーツセダンとしての割り切りが見られない
  確かにストロークは長く、普通のセダンに比べると引き締まっていると思うが、
それはあくまでも通常走行していての レベル。
早朝に通い慣れたワインディングロードを攻め込むには役不足。
  車の挙動が大きいので「操っている」という気になるが…。

17インチは過剰スペック?
4輪ともダブルウィッシュボーンを採用する、アルテッツァの足周り。
ノーマルではどちらかというと乗り心地重視。



よく雑誌に書かれているのはここらへんであるが、オーナーからさらに言わせてもらうと…


3.ギア比が合わない

  2速−3速が離れすぎているので、このあたりを多用する低中速コーナーでは非常につらい。
  普通に坂道を走っていても2速では吹けきってしまう。3速に上げるとヒョロヒョロとダルな加速になってしまう。
  イメージがつかめない人は、PS「GT2」のアルテッツァで試してみましょう。
ミッションです
6MTは節度がよく操作しやすいが、
ストロークが若干長いかも。
1速の横にあるバックに入れるのは、慣れとコツが必要。



4.ハンドルのクイックさが乏しい

  俗に言う「ロックtoロック」が3.5回転と非常にタルい。なにも考えずに交差点で曲がろうとすると対向車線に
   はみ出 してしまうほど、ハンドルレスポンスが悪い。
  なんしぃがMR2から乗り換えて真っ先に不満を感じたポイントである。


5.燃費が悪い

  これは乗り方や周りの環境によって違ってくるところなので一概に言えないと思うが、高速道路主体の使い方で
   リッター10kmを切るといのは、いくら何でも悪すぎると思う。
  エンジンのトルク不足が原因だと思うが、最大の要因は1360kgの車重にあるだろう。
   いやぁ、重すぎます…。

 

3.アルテッツァとの付き合い方

 

それでは、アルテッツァって「買い」なクルマじゃないの? いえいえ、そんなことはありません。
ここからは乗ったことのある人にしかわからない領域ですが、 オーナーはこうしてアルテッツァを楽しんでいる!
って事を 感じていただければと思います。


まず、非力なエンジンパワーです。
非力といえども210ps。問題なのは低速トルクなのですから、高回転をキープすれば元気に地面を蹴り出します。
最大トルクは6400rpmで発生しますので、7000rpmあたりまで回してシフトアップすればクロスミッションの
つながりの良さも相まって車速はガンガン上がります。

そんなん乗り方になっちゃうじゃん!もっといい方法ないの?
…という人には、TRDから発売されている「トランスミッションギアセット」がお勧めです。
これはギア比の1速をハイギア化、3速をローギア化にすることにより、1〜3速のつながりをよくするというモノ。
なかなか魅力的なパーツですが、工賃別で21万円と高価。交換してる人はお金持ちですね、多分。
あと裏技としては…なんと!タウンエース用ファイナルギアに交換しちゃいます。おお、凄い。

それでもこの低速トルクの細さを何とかしたい!
そんな貴方には、エンジン載せ換えをお勧めしておきましょう。ポン付けタービンもOKですが、どうせならもっと
大きなエンジンを載せた方が走りに余裕が出るってもんですよね。
実車のエンジンルームを見た人は解ると思いますがスペース的にかなり余裕がありますので、1JZくらいは
載ります。2JZ載せてる人もいましたが…。
ただしあんまり重たいエンジンを載せると、アルテッツァ本来の重量バランスが崩れますのでご注意を。


足周り系はオーナーの誰もが不満感じているポイントです。
メリハリのないクルマの挙動をどうにかしたい!とお考えの方は、サスペンション交換しかないでしょう。
最近は車高調整式が安価になってきてますので、非調整式と並べられたら思わず調整式を選んでしまいがち
でも気をつけましょう、調整式のバネの堅さは最低でも10kgm以上はあります。本格的な走り屋を目指すか
サーキット走行を楽しむためにアルテッツァを購入する人は(多分)いないでしょうから、非調整式を選びましょう。
(ちなみに私のアルもテインHRを入れていましたが、あまりにも不評なため今はノーマルに戻しています)
私のお薦めはTRD製の5段階調整ダンパーとサス。セットで買うとちょっと高価ですが、TRDならではの味付けが
施されていてグット!…らしいです。
(すんません、乗ったことないんで解りません。でも、欲しい〜)


ハンドルのクイックさが乏しい…。
う〜ん、こればっかりはどうしようもないと私も思います。ステアリングのサイズを落とすというのも手ですが、
アルテッツァは結構ハンドルが重たい方なので、サイズを落とすと乗りづらくなると思います。

 

 

4.Newアルテッツァは果たして買いか…?

 

2001年5月、デビュー後初のマイナーチェンジが実施され、Newアルテッツァが誕生しました。
果たして、前述のウィークポイントは改善されているのか?
このあたりを中心に、新旧の違いを紹介していきましょう。

 

レクサス調になりました
スポーツグリルですが…
外観の変更はフロントグリルがレクサス調になったくらいで、大きな変更はなし。
小型のリアスポイラーとディスチャージヘッドランプがオプション設定されました。
何故かオーディオを撮っちゃってますが
ファイナルギアが4.1→4.3に変更。トップスピードは削られますが、ピックアップは向上。
Lエディションのシフトノブは本革巻きになりました。
インテリアはブラック一色に統一
ステアリングのロックtoロックが3回転にクイック化!これは羨ましい〜。
革巻きも多色3枚から黒1枚貼りに変更されてます。
ピンぼけですが…
6MTのメーターは黒基調に改められ、ちょっと子供っぽくなった?
LEDハイマウントストップランプ付き
新リアスポイラー。従来の大型スポイラーもありますが、個人的にはこっちの方が好き。

【その他の変更点】

 ・ボディカラーの変更
   ブルーマイカ→ダークブルーマイカ(クオリタートと同じ色)
   レッドマイカメタリック→スーパーレッドV(限定色だった)

 ・ディスチャージ(HID)ヘッドランプヘッドランプウォッシャーをオプション設定

 ・Lエディションに運転席アームレストが装着

 ・アルテッツァ・スーパーライブサウンドシステムの一部仕様変更

 ・6MT車のダンパー強化

とまぁ、こんなところでしょうか。
パッと見はそんなに変わってないように見えますが、前オーナーから見ると「かゆいところに手が届いた」といった感があります。
特にファイナルギアとステアレシオの変更は 「なんだそれ〜、最初からやってくれよっ」と言いたくもなりますが…。
でも相変わらず「リアワイパー」の設定がないのは、ちょっと悲しい。

 

 

 

結論.アルテッツァは買いなのか?

 

今までの説明で「アルテッツァってどんなクルマののか?」というのがご理解いただけたかと思います。
それでは、アルテッツァは「買い」なのか?
私はこんな人たちに「アルテッツァ」をお勧めします。

『追求するのは「速さ」ではなく「クルマを操る楽しさ」である』

アルテッツァははっきり言って遅いです。2リッターNAで1300kg超の車重では、速さは求められません。
ワインディングでシルビアや180SXをあおりたいという人は、ランエボかインプレッサを買いましょう。
アルテッツァは「操る楽しさ」を持ち合わせたクルマだということを忘れてはいけません。

またアルテッツァは「所有する楽しみ」を味あわせてくれるクルマでもあります。
ノーマルパーツでは必ずといって良いほど不満が出ます。でも前述したとおり、アルテッツァは優れたシャシー
バランスとパッケージングを兼ね揃えたスポーツセダンということには変わりないのです。
前後ダブルウィッシュボーンサスはバネを換えるだけで激変します。
最初からビル○ュタ○ンダンパーやレ○ロシートを装備していない…つまり、素材性に優れたクルマなのです。
幸い、TRDをはじめいろいろなチューニングショップから無数のアフターパーツが販売されています。
自分にあったパーツを探して装着する…これこそ「趣味」と呼べるのではないでしょうか?

いかがでしたか?FRスポーツセダン「アルテッツァ」の真の楽しさ、お判りいただけましたか?
私の偏見がかなり含まれていると思いますが、現オーナーの皆さんはどうでしょうか?
ご意見・ご感想があればお聞かせください。

そして、これから「アルテッツァ」を買おう!と考えている貴方。
貴方の中での「アルテッツァ」は、どんなイメージですか?

 

 

おまけ.こいつに乗ってしまった

 

新型アルテッツァを見に行く前に、登場したばかりのコイツ、V35スカイラインを試乗しました。
クラス的にはアルテッツァより上になりますが、走りのスポーツセダンであるという所はアルテッツァと同じです。

縦型2灯ヘッドランプ
わずか3年一ヶ月という短命に終わってしまったR34型の後を受け継いで誕生したV35スカイライン。
見た目のサイズは新型マークII並にコンパクト。
デザインもショーモデルと比べたら肉付きが良くなって好印象。
コクピット

コクピットはスポーツセダンらしくシンプル&タイト。
ダッシュボード上部分には、時計・エアコンインフォメーション・そして外気温が表示される。

メーターパネル
メーターはオーソドックスな配置だが、走行時はオレンジ色に点灯してスポーツ心を感じさせる。
上級グレードにはステアリング部にオーディオ操作スイッチが装備される。
リアビュー
Cd値0.27を誇る空力ボディ。
スカイライン伝統の丸目テールは廃止され、グロリアでおなじみのLEDランプを採用。
エンジンルーム
これまた伝統の直6エンジンを捨て、直噴V6エンジンを新採用。
直6に比べてコンパクトに出来るのが美点で、フロントミッドシップ化を実現。
エンジンフード裏には「AdvancedFrontMidship」と書かれています。

 

 


グッドです!アルテッツァを購入します!
…という方は…

アルテッツァ・購入ガイド

…とりあえずいいや。

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