高地性集落遺跡群
弥生時代の集落は農耕生産に都合の良い低地にあるとみるのが通常であるが、上平良地区にある高尾山遺跡をはじめとして上平良から原周辺に散在する遺跡などは、農耕社会において特異な高地性集落遺跡とみられるのである。
これらの遺跡は極楽寺山の南面に派生する舌状尾根筋の先端部で何れも周辺が俯瞰できる地に位置しており、これらのうち中心的な集落遺跡とみられる高尾山からは広島湾沿岸部から島嶼部まで広範囲に見渡すことができ、中世城跡を思わすような防塞的な集落遺跡である。
周辺の遺跡をみていくと標高242mの舌状尾根先端部の堤上遺跡をはじめとして河野原1号・2号・3号・5号遺跡、河野原4号遺跡、広池山1号・2号遺跡、扇平遺跡、極楽寺23丁遺跡、長橋遺跡、長野(風呂谷)遺跡、長谷遺跡、長谷1号遺跡などの集落遺跡が分布していることから、高尾山遺跡を中心とする同一の性格をもった高地性集落遺跡群が存在していたものとみられるのである。|廿日市の埋蔵文化財一覧 |