高尾山遺跡
 高尾山遺跡は上平良の極楽寺山から南に伸びる舌状尾根上(標高260〜267m)にあり、平良地区及び広島湾一帯が俯瞰できる高所に位置する。遺跡発見の契機は昭和57年10月ごろ大雨による山崩れケ所を踏査した際に大量の弥生土器を採集したことによる。その後遺跡の確認のために廿日市町教育委員会により試掘調査が行なわれ、広島湾周辺の典型的な弥生時代後期の高地性集落遺跡であることが確認された。 
 その後、平成11年6月の大雨で上平良地区では多くの山崩れが起こっており、高尾山の西斜面も三ヶ所で山崩れを起こしていた。ここでは当初採集した以上の大量の弥生土器を採集することができ、相当な規模の高地性集落であったことが伺える。
 土器片の分布範囲は判明しているだけでも南北約200mの範囲の西斜面にみられ、採集した土器片の口縁部や底部からみると相当の個体数が数えられる。採集した土器や試掘で出土した土器には壷、甕、鉢、碗、噐台型土器や糸を紡ぐ紡錘車(はずみ車)などがみられる。
 この遺跡の周辺数ヶ所からも弥生土器を多数採集しているので同一の性格をもった高地性集落遺跡群が存在していたことが考えられるのである。

            高尾山遺跡については「廿日市町史」通史編(上)に詳述されています。

 現地には藪漕ぎ覚悟でないと行かれません。極楽寺道展望台(宮島SA上)より木々の間から遠望できます。
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