高尾山遺跡の紡錘車
  高尾山遺跡で採集した土器や試掘で出土した土器には壷、甕、鉢、碗、高坏、須恵噐片などの生活や祭祀に関係すると思われるものが多くみられるが、この中で糸を紡ぐために使用したとみられる土製の紡錘車(はずみ車)を2点採集することができた。
  この遺跡では生産活動に関する遺物はこれまで確認されてなかったが、紡錘車の採集によりこの集落で糸を紡いで布を織っていたことが想像できるのである。
  紡錘車の一つは底直径4.5p、頭直径4.0p、厚さ1.3p、重さ30gの薄型截頭円錐形のものであり中心に直径0.6pの穴があいておりこれに紡軸を通していたものである。もう一つは直径3.0p、高さ2.6p、重さ20gのほぼ球形のものであり、中心に直径0.5pの穴があいておりこれに紡軸を通していたもので、紡錘車で球形のものは珍しいものではなかろうか。球形のものは重さも軽く回転力も小さいので適宜使い分けをしていたものと思われるのである。  
| 高尾山遺跡 |