呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


あいつが噂のヒートガイ 11

 さて、何とか終わったのである。今年の仕事の最初の山も終わったのだ。終わった今年も終わった。
 ただ、例年通りネタにしようと思うのだが、なんか、感情にまかせてとんでもない物を書きそうなので。暫く冷却。
 というわけで、例によって例のごとく『ヒートガイジェイ』レビューである。

 第20話 友〜TEARS〜
 今回はアーバインにしてシンちゃんのパパことエジムンドの特務課入りの話。(だから、こういうネタは日本限定)
 で、大野木氏脚本なのだが、どうした? 大変失礼な言い方になるが面白い。いや、この『ヒートガイジェイ』で大野木氏脚本の中で一番の出来ではないのか。
 言ってしまうと定番の刑事ものなのだが、なんというか洗練されているというかとっちらかっていないのだ。
 雨が降っていた。
 物語はエチゴの傀儡であるノリエガ議員の暗黒面。マネーロンダリングの証拠を探し出そうとした、エジムンドの後輩。ロメオが事故に見せかけて殺されたことに始まる。
 彼は結婚を期にした内勤移動を数日後に控え、その調査を完遂できず、流民の喧嘩に巻き込まれた形で殺された。
 警官殺し。本来ならば徹底した犯人捜しが行われるはずのこの事件に、しかし、警察当局は単なる勤務時間外の事故と認定。彼の個人データを閉鎖。一切の調査を打ち切ってしまう。
 その、寂しい葬儀に、涙ひとつこぼさず物陰に立つエジムンド。
 それを責めるキョウコ。うーん、この辺り、これでは小娘ではないか。もう少し、いくら博士や秘書さんがいるからと言って、もう少しヒロインを大事にしても罰は当たるまい。
 ここでジェイの語録が炸裂。
 「悲しみが深ければ深いほど、男の涙は乾くものだ」
 渋い。
 独り調査するエジムンドだが、組織の手は先へ先へと廻される。証人になりそうな連中は次々と消されていく。
 「俺たちじゃどうにもならねぇんだよ」
 ロメオ殺人の実行犯を狙撃され、路地裏に身を投げ出し呟くエジムンド。
 ノリエガの暗黒面にたどり着く糸は全て切れたかに見えたが、閉鎖されたデータはエジムンドへの結婚式の招待状にインプラントされていた。
 それを元に証拠を押さえようとする特務課だが、ノリエガはサーバーの機械的な破壊という最終手段に打って出る。
 ここに万策は尽た。職を賭けノリエガを殴るエジムンド。
 傷害罪で逮捕されたエジムンドを保釈したのはダイスケだった。
 「特務課へようこそ」
 「信頼できる仲間を捜してるんだ」
 ラスト、ロメオから期日指定メールが届き、青空に呼びかけるエジムンド。
 「男は悲しさに涙するのではない。優しさに涙する物だ」
 王道である。うーむ、王道。面白い。要するにキャラクターを可能な限り絞っているのが効を奏したのではないだろうか。
 しかし、はっきり言って、今回の話ではないのだが、この『ヒートガイジェイ』。少しばかり物語の構成を失敗したような。
 どうも、特務課に人を集めるのが急ぎすぎている気がするのだが。もう少し全体に散らばらせても良かったのではないか。前半まったり、後半怒濤という感じがするのだが。もったいない。

 第21話 島〜FORTRESS〜
 第三の男高寺氏の脚本。モグリのサルベージ業者が次々と殺される事件が発生。男達の共通点は何か。魔女の島とは。
 ほとんど全員揃った特務課の面々の夏休みといった話。博士が実に良い味を出しているではないか。やはり博士はジェイ一筋。もう、年下のダイスケの慕情など歯牙にもかけていないのだ。でもダイスケもキョウコと良い感じだし。ははは。だったりするのだが。しかし、何というかかんというか。
 さりげなく夏休みしていながら伏線がけっこうは張られているのだ。うーむ。残り4話。怒濤の展開が待っているのであろうか。なんか、エチゴの肖像画って誰かに似てないか。
というわけで以下次回。(04,4,8)


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