呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
追皇国の守護者 8
さて、佐藤大輔氏の最新作。『皇国守護者 8』が、ようやく発売された。一体どれだけまたされたというのだろうか。記憶が正しければ最後に『皇国の守護者』の新刊を読んだのは2001年9月であった。ああ、2年6ヶ月間、クーデター直前で生殺しだったのだ。この焦燥感を満たすには新刊しかなかったのだ。
しかし、この新刊。出るまで異様にドラマティックであった。
本来、東京の方では少々早めにフライングゲット可能であるはずのこの作品が、発売日寸前までどこの本屋にも並んでいないのだ。
某大規模掲示板の佐藤大輔氏のスレッドは、敗北主義と懐疑主義とが手を取り合ってダンスしていたのである。なにせ『戦艦播磨の生涯』だとか『クロコダイル症候群』だとか、ISDNコードすら割り当てられて発売されなかったことがあるのだ。
というわけで、今回もなかなかフライングゲットできない御大(こう、佐藤大輔スレッドに集う者達は佐藤氏のことを呼ぶ)信者達は絶望に転げ回っていたのである。
しかし、田中芳樹氏とろくごまるに氏と佐藤大輔氏、それに火浦功氏の作品を黙って待つ私という存在はいったい何なのであろうか。もしかしたら、生粋のM男なのかも知れない。
閑話休題。
ともかく25日に北領(御大信者は北海道のことをこう言う)のリーブルなにわに電話をかけ、電話に出たお姉さんに
「中公の新書なんですが」
「『皇国の守護者』は明日入荷です」
と即座に言われたりしながら、発売日をじっと待っていたのだ。そうして、発売。
早速、データが集まらずに数日先には屍累々、私の命すら保証できなくなりそうな職場を、仕事がない故に定時で退社し、リーブルなにわに駆け込みゲット。
しかし、私のような30代後半が購入するのはともかく、高校の制服姿のおにゃのこが赤い表紙を握りしめ、嬉々としてレジへ向かう姿は少しばかり日本の将来が心配だったりするのだが。
ともかく、『新刊』である。ここしばらく、私たちが与えられていたのは『文庫』、『書き下ろし』すらない『文庫』でしかなかったのだ。『書き下ろし』は2003年5月以来のことなのである。ああ、この喜びをいかんせん。
というわけで読み始める。先ほども言ったが今回の表紙は赤い。そう。今回から絵師が平井耕太氏に変わったのだ。個人的には、この作品には、今までの塩山紀生氏の絵が合っていると思ったのだが(のぞく個人副官)まあ、これはこれで可である。更にしけたみがの氏の絵で見てみたかったというのもあるのだが。まあ、それはそれ、これはこれである。
しかし、表紙が新城直衛だとしたら、折り込みの兄さんは一体誰なのだろうか。桜がひとつということは少尉か、少佐、少将とまではいくまい。なんか若いし。個人副官は大尉相当官であるし。誰なのだろうか。
挿絵。守原定康。ええと、最後の大隊ではないはずなのだ。この作品は。
で、いよいよ物語である。物語。なのだが。
結論。まだ、クーデターが終わらないのか。をい。
何年やってるんだ、をい。
『幻魔大戦』じゃねえんだぞ。をい。
佐脇、可哀想すぎないか。このまんまではクーデターで何にも出来ないんじゃないのか。をい。
丸枝の性格が変わりすぎていないか。をい。
といった感じなのだ。
とはいうものの佐藤節は健在である。ただ、少し、『皇国の守護者 1』の頃に比べるとライトというかマイルドになってしまったような気がしないでもない。
でも
『莫迦だ。莫迦ばかりだ』
『莫迦め、それを苦労というのだ。娑婆では』
など、佐藤節は健在である。
しかし、佐藤氏、なんで突然料理シーンなど書き始められたのであろうか。
まさか、池波正太郎氏の跡でも継ごうというお考えではあるまいな。
まあ、ともかく話が全然進んでいないので、クーデターについてはまたすぐ出るであろう次回で。まともにレビューしようと思う。このエンドなら、続きがすぐ書かれなければ、暴動モノである。
いや、もう、嬉しくて嬉しくて、頭がマトモに働かないのだ。
しかし、『ルールズ・オブ・エンゲージメント』。講談社ノベルスから4月6日って、本当に出るのだろうか。(04,3,26)