呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
久しぶりの久部語録
先だって、『かふぇ えるみたあじゅ』でチャリティのビアホールのビール券を購入した。
というわけで日曜出勤の後、久部さんを誘ってテレビ塔下のチャリティ会場へ行ってみたのだが。
寒い。
思わず久しぶりの大ポイントのタグつけてしまうほど寒いのである。
唐揚げに、おでんに枝豆など購入したのだが、なにより寒い。ビールがあそこまで体温を奪う飲み物とは思わなかったのだ。プラスチックのカップに入ったキリンビール。中ジョッキ三つ分の券を消費するだけでガタガタブルブルである。
「我々が年をとったということかな」
久部さんの視線の方を見ると隣のテーブル。お父さんとやってきた少年というよりも幼児ともいったほうが良いちびちゃんがアイスクリームを舐めているではないか。生物学的に言って、彼の方が保持している熱量は少ないはずなのにアイスクリーム。
若いって良いなあ。
などと思わず呟いてしまう38だったりするのだ。はあ、今年も何事もなく今年も馬齢を重ねた事よ。
口の周りをべたべたにした、自称お兄さん。(そりゃそうである。はいはいしかできなかったのが二足歩行で移動できるようになり、言葉によるコミュニケーションも取れるようになっておしめも取れた。これはもう、飛躍的な行動力の増大を呼ぶのである。もう、立派なお兄ちゃん。そう本人も思うし、親御さんも思うことであろう。端から見れば赤ん坊以外の何者でもないのだが)我々の枝豆が気になるのか手を伸ばしてくるので。進呈する。うむ、よい喰いっぷりである。
と、今度は、唐揚げに熱い視線が来るではないか。こういうのを私の方の田舎では「おんぶってばだっこ、だっこてばおんぶ」というのだが、この際である。えーい唐揚げも進呈しよう。どうせ、寒いからショバ変えるし。というわけで、お兄さんと別れ、久部さんと私、中ジョッキ三つで退散する。こう寒くては屋根のある所に逃げ込むしかない。
で、やってきたのが開店間際のライオンの焼き物やさん。駅にあんなに近いとは思わず、迷走する。
「いやあ、歩いてても迷走するようになっちゃったね」
それは、非道いです。久部さん。
しかし、非情にも開店時間よりいささか早い。本屋で時間を潰すには些か時間が足りない。
仕方がないので店の前で待つことにする。
「何かあれだね。こうしてると上杉君はともかく、僕まで酒飲みに見えちゃうね」
いや、久部さん、申し訳ないけど、貴方は酒飲みです。間違いなく。朱雀や私のような大飲漢じゃないだけで、その考え方等は立派な酒飲みです。少なくとも、深夜、塩辛とキムチで日本酒飲む、朱雀よりは酒の趣味はいいです。ヨリによってキムチである。どういう趣味してるんだか。
とにもかくにも待つことしばし、5分ほど早く開けてもらって飲み始める。いや、屋根があるとこんなに暖かいとは知らなんだ。
しかし、随分とお久しぶりの気がする。なんと言っても久部さんも私も忙しすぎてゆっくり飲むのはいつ以来であろうか。
「去年の4月の末に牛タン食べに行ったでしょう。その時、ほくりゅうで『ひまわりワイン』買って、飲もうね。といったけど、それ、飲んでないんだよね」
げえ、そんなになりますか。なんか、時間のたつのは早いなあ。
「本当だね」
ああ、時間だけが無情に流れていく事よ。空しい。
なんか、湿っぽくなってしまったので、いい加減で切り上げて本屋に行く。
「あ、こんなの置いてる」
久部さんが手に取られたのは、『図説憑物呪法全書』(豊島泰國)。どうして、そんなのを即、見つけますか。
「いやあ、どうしてなにわ書房の本店はこういう品揃えするかねえ」
品揃えする方と見つけちゃう方、どちらが宿業が深いのであろうか。
「あ、これもある」
今度手に取られたのは『図説日本呪術全書』(豊島泰國)。
「やっぱり憑き物の方が面白いよね」
いや、そういう問題なのでしょうか。久部さん。
でもって帰り道。何故か、私の鞄に入っている2冊。鞄は重く、財布は軽く。はあ。これだから金が貯まらない。
「いや、品揃えする方と見つけちゃう方、でもって、買っちゃう方、誰が一番宿業が深いかね」
それ、言わないで下さい。(03,7,16)