呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
T3
さて、先行ロードショウを見てきて1週間。ネタばれは拙いと思って黙っていた映画の話をしようと思う。
さあ、今年初めての『呆冗記』の映画ネタである。『ターミネーター3』である。飲み会の終わりに先行ロードショウやっていたので思わず入ってしまった。なんと言っても『ターミネーター』である。B級作品だった『1』。もう、無茶苦茶面白かった『2』。よって、『3』も期待はしていたのだが。期待だけはしていたのだが・・・。
いや、女ターミネーターとか何とか面白そうではあるのだが、いかんせん、『2』の感動がぶち壊しなのには脱力するしかないではないか。
以下、ネタばれ含むので、まだご覧になっていない方は、ご覧になってから以下の文章をお読み頂ければと思う。
では、以下ネタばれ全開でやらせていただく。
さて、残念ながら今回、主人公のお兄さんは別の人である。なんでも、当初は前回の坊やがやってくれるはずだったのだが、ハリウッドお決まりのトラブルで
駄目になってしまったらしい。よって言っては悪いが、貧相な兄ちゃんが主人公である。おかげで、繊細そうな少年が、人類のレジスタンスの指導者になる前に、貧相な兄ちゃんであったという、なんか一種独特の人生を歩むことになってしまうのである。
で、この兄ちゃんが哀しいことにプーである。『2』のディレクターカット版のラストシーン。自由の女神の前で微笑む老けた母さんと、少年とおぼしきおっさんと奥さんと孫の記念写真。あれがどこ行っちゃったんだろうというくらいの情けなさなのだ。
だいたい、あれだけ『2』のシュワちゃんに教育してもらって、未来が怖くてプーやってる。という設定が非常に哀しいではないだろうか。
で、動物よけ損なって自損事故・・・。お前、まじ、レジスタンスのリーダーか? をい。なのである。
それで、動物病院に侵入して、ヒロインに見つかる。実は幼なじみで・・・。莫迦一だ。
で、女ターミネーター出現。シュワちゃん出現となるのだが。いや、老けたなあ、即座に顔を負傷して特殊メイク張ったのは、老けたシュワちゃんの顔隠しではないのかと邪推したりするのだが。当たらずとも遠からず。
SFXは凄まじい。もう、前作ではできなかったことをばんばんやるのである。女ターミネーターは凄いのだ。
でも、主人公は情けない。なんかなあである。もう少し何とかならなかったのか。ヒロインよりなさけない。
でもって、女ターミネーターに追われて母さんの墓に。なんと、白血病で死んでいたというオチ。あのディレクターズカット版はどうなったのだ。そう思ってしまうと、武器満載の棺桶担いで戦いまくってくれるシュワちゃんももの悲しいではないか。いまいち悲壮感があったり。
ま、今回はシュワちゃん、一切主人公の言うことを聞かないのだ。何故ならヒロインが命令者。という何か解らない縛りもあったりして(これ、伏線)。
いよいよ佳境、一般企業のスカイネット計画は潰したのに、政府が計画していたスカイネット計画。サイバーテロから偉大なるアメリカを守るためのシステムが人類を滅ぼす。うーむ。こうなってきたら、当然、期待するのはいかにして、この悪魔のスカイネットを潰すかであるはずだ。まずは女ターミネーターに一貫与えておいて逆転のカタルシス。そう思うのが普通である。いや、まず普通だと思うであろう。絶対に思うはずである。
そこで、行くのが予備の基地。さあ、当然女ターミネーターの逆襲くぐり抜け、いけいけぼくらのターミネータ。スカイネットをぶっ潰せ。だって『歴史は変えられる』ところが・・・。その予備の基地は実は予備でも何でもない、廃棄された核戦争用の司令基地であった。って・・・。
スカイネットによる人類虐殺が始まってしまった・・・。続々と届く人類の生き残りの声。マイクを取る主人公。ここに人類のレジスタンスは産声を上げた。
をい、悪い方に歴史変えてどうする!
結局、人類はいったん滅んでしまうのである。これではテーマは『歴史は変えられない』ではないのか?
要するにシュワちゃんのプログラム実行者はヒロイン。ヒロインは主人公と違い、人類の生存よりも、レジスタンスのリーダーと自分を守ることを最優先にしてたのだなあ。と。
というわけで、その場で私は売っていた『2』DVD買って映画館を飛び出したのである。畜生。あんなの『ターミネーター』じゃないやい! と叫びながら。
たぶん、『4』は見に行かないと思う。(結局行くのだろうが)(03,7,12)