呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


聖刻群龍伝

 さて、いよいよこの話をレビューするときがやってきた。というか赤城おろし氏の新作が出ない以上こっちの兄ちゃんの物語を読むしかないのだが。(なんか失礼)
 すさまじく献身的な幼なじみがいるにもかか関わらず、皇帝の娘に現を抜かし、 その皇帝の娘(現、皇帝の姉さん)が政治的に必死になっているのを個人レベルで失恋と判断、で、だったら何もしない方がいいや。と引きこもり。
 あのお、私、怒っていいですか? 心の底から怒っていいですかなのだ。
 いや、別に某DQで幼なじみを捨てて金持ちの娘にどうしても靡けなかった。とか。靡いた弟の(確かに、いろんな意味で金持ちの娘とぱふぱふした方がいろいろと有利であるという(金銭的に)話もある)データで幼なじみの家に行った後の、あの部屋に転がっていた酒瓶の原因に思いを馳せてしまったりするのだ。
 あんなに献身的な幼なじみがいるのに何を考えているんだ。こいつは。そう思っても罰はあたるまい。そう思わないであろうか。
 私は個人的には、過去に某サイトにあった。実は真の勇者は、幼なじみの産んだ息子であり、金持ちの娘に靡いた主人公は結局勇者のパトロンにしかなり得ない(幼なじみを選べば当然、勇者の父親になれる)という設定に深く頷いてしまったりするのだ。
 故に、私はデュマシオンを許せないのである。
 で、今回はとうとう、最大の忠臣すら失うのだ。これは完璧に完璧に主人公が悪いとしか言いようがない。忠臣にそこまでのことを決意させた。それは間違いなく主人公の不徳とするところである。それ以外の何だというのだ。
 今回の反乱でいったい、何人の人間が泣いたというのだ。主人公の弟にしろ、忠臣の母にしろ、妹にしろ、息子にしろ、恋人にしろ、その恋人に仄かな愛情を持っていた家来にしろ・・・。何人の人間を、不幸にしたと思っているのだ。それを主人公の脱皮のために使うというならば、主人公は王者に値しない。そう思ってはいけないのだろうか。
 あの、赤城氏の小年王とはまったく立場が違うと言うことはこの際はっきりさせておいていただきたいのだ。
 ガキには許されることでも、特に思春期の人間の自分の出生の謎についての悩みと、(うわあ悪文。のが四つ)いいとしこいた兄ちゃんの恋の悩みによるとんでもない錯乱を一緒にするなと言いたいのだ。
 絶対に間違いのないと思われた小・中学校に配られた厚生省のパンフレットの誤植によって(実際にあったのである、こういう馬鹿が。片親がO型である場合、OOの親(O型)とBB(B型)の親からO型は絶対に産まれないが、OOの親(O型)とBO(B型)の親からO型は産まれるのである)マジに人生悩んでしまった友人が高校にいたのだから始末に負えない物だと言うことはよく理解できるのである。(ちなみに私はOのオヤジとBのオカン。で、自分はB型。血液型上は間違いなく二人の息子。一説によると某丸井デパートの地下3F(丸井には地下2Fまでしかない)の赤ちゃん売り場でバーゲン品を買ってきたと言われていたのだが)はっきり言って思春期の人間の悩みは許せても恋の悩みは許せないのだ。(恋の悩みがほとんどない自分の単純な嫉妬かしらん)
 結局、腑抜けの主人公のために、幼なじみが憎しみを一心に被ることになる。冗談ではないのだ。これが原因で、彼女に危害が加わった場合、私は作者を許さないのである。あんないい娘はいないと思うのだが、作者と私の間には深くて昏い川があるのであろうか。なんか悲しいのだ。
 更に、今回思いっきり割を食ったのは主人公の弟である。主人公がもう少ししっかりしていれば、もしくは我が家のように主人公(長男)がまじめに無能であれば、何とかなったであろうに、いったい何なのであろうか。
 弟にとっては、この、どうにも無能な兄貴は超えられない壁であった。ところが、この兄貴の乱心によって盲いた主人公となさぬ仲、弟の本当の母が暴走する余地を作ってしまったのである。冗談じゃないぞ。なのだ。このあたり、主人公の無能さが良く解る。
 結局、弟は勝利できないことを理解した上で、反旗を翻し、そして、死ぬ。これは、間違いなく主人公の罪である。
 別に弟付きのメイドさんに私がいかれたわけではないのだが。ともかく、主人公は最大の理解者を失い、家族を失い(前回の兄貴はそんなに痛くなかったが、今回は痛い)幼なじみすら皇帝の姉の亡命によって失おうとしている。果たして、彼にハッピーエンドはくるのか。
 こない方にチップをかけて続編を待とうと思う。(03,6,28)


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