呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


でたまか

 相変わらず状況は好転しない。精神が高揚しないのだ。笹本祐一氏の『ARIEL 19』だって、やっと出たというのに読む気がしない。完全に精神が逝ってしまっている気がする。
 というわけで『でたまか』最新刊である。
 念のため言っておくと、これは『ARIEL』と『でたまか』を比較する意図とかなんとかはまったくないのだ。念のため。

 さて、明るい銀河英雄伝説のはずの本作品だが、前巻のラストでどえらいことが起きてしまった。ヒロインの毒殺未遂である。その結果、ヒロインは意識不明。結果、主人公は落ち込んじゃったりして一時的に戦闘不能に陥るものの、なんとか立ち直り、帝国軍の迎撃に向かうのが前巻まで。
 「メイ(ヒロイン)に二度も母国が滅んだなんて伝えるわけにはいかない」(意訳)
 凄く格好良いシーンなのだろうが、いまいち填りきらないのが、マイド君のいいところである。
 しかし・・・。はっきり言わせてもらって、このネーミングセンス、何とかならないのであろうか。確かに、もともと『OUT』系列の読者参加形式の話からスピンオフしたという話を聞いているので仕方がないことなのかも知れないが、しかし、『撃てルンです』はなかろう。『撃てルンです』は。
 まるっきり、日本最北の政令指定都市の各種施設ではないか。何が『かでる2・7』であろうか。『つどーむ』であろうか。『HIROBA』であろうか。『コンサドーレ』であろうか。マジに住民としては恥ずかしいのだ。
 『かでる』(仲間に入れる)なんて方言、今日日、北海道の住人だって使わないのだ。集うドームだから『つどーむ』。まんまの大歩危ではないか。なんで札幌ドームではいけなくて、『HIROBA』なんてネーミングがいるのだ。
 でもって極めつけがコンサドーレ。こんな情けないネーミングはないのだ。
 コンサドーレ。
 仙台は七夕のベガとアルタイルをくっつけた造語。鹿島は鹿の枝角の意味。浦和は正式名称はレッド・ダイアモンドって、三菱のクラブチームだから意味が通る。市原は公募でなんでJEFなのかは解らんがユナイテッドは連帯などを意味する。柏は造語で太陽王、東京は味も素っ気もないがフットボールクラブのFC。横浜は船乗り、清水は清水のSと新造の鼓動を意味するパルスをくっつけた造語。磐田は歓喜。名古屋は鯱。京都は英語とサンスクリット語の合体だが紫の仲間。ガンバは脚の意味があるそうな。(これは始めて知った。てっきり『頑張れ』のガンバだと思っていたのだ)もうひとつの大阪は桜。神戸は勝利と船を組み合わせた造語。大分はクラブ運営の3本柱、県民、企業、行政を表す三位一体に、大分を加えた造語。
 ま、変な造語もないことはないが、一応、意味は通るではないか。(あれ? 何か忘れてるか?)
 しかしだ、しかし、
 「どさんこ」の逆さ読みに、ラテン語の響きをもつ「オーレ」を付けたもの。
 などというしょうもないチーム名は外にはないのだ。外には。逆さ読みに響きを持つ言葉の造語。私はこの名前を聞くたびに、とてもとても悲しい気分になってしまうのである。いやはや。
 とにもかくにも、『写ルンです』はレンズ付きフィルムのネーミングとしては大ヒットだと思う。思うのだが、しかし宇宙戦闘の兵器名としての『撃てルンです』にはなぜかもの悲しさを感じてしまうのだ。
 それはともかく、今回も『でたまか』節は炸裂しまくりである。無駄に格好いいじいさんは出てくるは、相手の貴族連中はいっそすがすがしいほどの馬鹿ばっかだは、女の子は可愛いよりも凛々しいは。30代の連中は悲しくなるほど情けないわ。(いっそ何とかしてくれ。巨大砲艦の艦長さんに、宇宙雷撃機の編隊長さん)
 しかもである、エンディングで今までの物語の流れが急激に渦を巻いて加速する。現馬鹿皇帝の正統性を否定する前皇帝。巻き込まれるユイ・コットン。
 果たして、姫さんは助かるのか。んでもって、以下次号。とあざといまでの引きで次巻へ続くのであった。うーん。最後はハッピーエンドだよな。(ちびっと自信がなくなってきた)(03,5,4)


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