呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
葬式は一人でできるけれど
Q 結婚式がめでたいのはどうしてか。
A 葬式は一人で出来るが、結婚式は相手がいないと出来ないから。
とは確か田中芳樹氏の作品の一節だったと記憶するが、最近、後輩や元友、友人の友人の結婚話を良く聞くのだが・・・。
ははははははは。彼女いない歴16年! の私には何ら縁のない話なのである。
しかし、朱雀の友人が結婚し、その発起人を朱雀がやるとなっては放ってはおけまい。これは鬱病も何も放り出してレポートするに限るのだ。
「悪趣味な・・・」
と言うわけで、彼女いない歴10年の朱雀氏におかれては、いかに大役を果たされたのであろうか。
「言うことがいちいち癇に障るなあ」
ははははははは。前回、見事に割り切られたのでな。どうやら、今回はそんなに割り切ってはいない様子。であればこそ、状況を聞かせてもらおうではないか。
「うむ、実は奴の父上が同じ職場なんだが・・・」
その話について解説しよう。
「なんだそりゃ」
話せば長くなるであろう。
さて、若い頃勉強もしないで遊びまくっていた朱雀と某氏。某氏のお父上(某氏曰く「高校の先生」)にとっては朱雀の名は『悪い友達』以外の何でもなかったのである。
そうして、幾星霜。10年近くの時が流れた。
朱雀の職場に某氏と同じ名字の、大校長経験者がやってこられた。その御方こそ、某氏の父上だったのだが。
朱雀にしてみれば、「高校の先生」ノットイコール「大校長」であったし、某氏の父上の方も、息子以上に遊び回っていた「朱雀」なる人間が人生に落伍せず、高校教師になっていたなど思いもよらなかったに違いない。
かくて、お互い、某氏をはさんで深い関係があることを知らずに1年近い月日が流れたのであった。(ぺんぺん)
「浪曲ちゃうぞ」
ある日のことである。
その前日、ほとんど1年振りにご子息と電話で会話し。
「ああ、オヤジのいまいる某私立、そこにいる「朱雀」って、「あの朱雀」だあ」
という会話を交わした、その大校長経験者先生が朱雀の所に来てこう言われたのだ。
「朱雀君、某知ってるか。あれ、息子だあ」
驚天動地の事実であった。
「というわけで、あの先生には頭があがらない。奥様にはもっと頭が上がらない」
そりゃあそうだろうなあ。お母様にしてみれば憎むべきは悪の道に引きずり込んだ朱雀だものなあ。
「引きずり込まれたのは俺かも知れない・・・」
その心配はないぞ、某氏以前に知り合った私が太鼓判を押してやろう。
ま、ともかく、そういうわけで式に出たわけだが、どうだった。
「いや、あのやろう、この世のものとも思えぬにやけ顔だったぞ。嫁さんも金の草鞋の九州美人だし。
それで、『友人代表挨拶』であることあること言ってやろうと思ったんだが、あいつに阻止されて『プロフィール紹介』にされてしまったんだ。で、式前のインタビューで夫婦ともにちっとも劇的なことを言ってくれないんだな」
普通は言うまい。
「だから、『運命の出会い』で『恋に落ち』、『愛を育んで』、『本日ご成婚』したことにしてやった」
貴様、自分の結婚式で敵取られても知らないぞ。
「心配するな、上杉同様、絶対に結婚式出来ないと思っているから」
一緒にするなよぉ。(否定できないのだ)(02,11,12)