呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
守れ、僕らの日本海!
大変なことになった。下手をすると、我々のすぐ北にある海、『日本海』の名が消滅しかねないのだ。
8月15日付の朝日新聞の記事だが、まさか、ここまでやるかという感じである。
「日本海」の名称ピンチ〜国際機関が白紙化提案、投票へ〜
海図の国際指針を定める「国際水路機関」(IHO)は14日までに「日本海(Japan Sea)」の名称白紙化を加盟72カ国に提案した。「日本の植民地政策により押しつけられた名称」との韓国の主張が背景にある。海上保安庁は「韓国の主張は歴史的に間違っている。承服できない」とIHOに抗議し、各国に提案への反対を働きかける方針を決めた。
IHOは03年にも、各国で作製される海図の指針書を半世紀ぶりに改訂する。提案は、現行版で「日本海」と明記しているページを改訂版から削除するとの内容。「名称問題は日韓両国の協議に委ねる」としている。
韓国は92年から国連の専門会議などで「東海(East Sea)」への改称を主張し始めた。しかし、海保によると、日本海の名称は韓国併合(1910年)よりはるか前の19世紀前半には世界の海図で定着している。
白紙化提案は加盟各国の投票で成否が決まる。成立しても、ただちに日本海の名称が通用しなくなるわけではないが、正統性は失われ、海図で「日本海(東海)」と併記されるなどして名称変更がなし崩しで進むおそれがある。すでに米国などで「東海」と表記した地図なども出ているという。
私は別に、右翼のつもりはない。今の職場では、左翼思想の持ち主とされているところもある。憲法第九条は世界に誇るものだと信じている。しかしだ。しかしである。こんな事を言われては通常どーでもいいことばかり書いてあるを標榜するこの『呆冗記』でも反論せざるを得ない。
『勇魚』を書かれたC.W.ニコル氏がある講演で使われた言葉を借りるならば、『汚い物を召し上がりますか?』である。これを下世話な表現に翻訳すると「糞食らえ」ということになる。
『日本海』の名は伊達ではない。古くから通称として使用され、福井静夫氏がその著作にて、「『大和』、『武蔵』の名で連想するのは、新戦艦(46センチ砲搭載の超弩級戦艦、いわゆる一般的に有名な戦艦『大和』『武蔵』)よりも、『葛城』級コルベットの二番艦、三番艦として1922年より測量艦になり、日本海をはじめとする日本近海を測量、今に名を残す『大和推』『武蔵推』を発見した初代『大和』、初代『武蔵』である」と言われた二隻の測量船が世界的レベルの海図を作成した。その結果確定した『日本海』なのだ。それを「日本の植民地政策により押しつけられた名称」とは言うに事欠いているではないか。
この件に関しては日本にはこれっぽっちの落ち度もない。はるか韓国併合以前、安土桃山時代の宣教師の記録の中にも『日本海』という名称は存在し、使用されていたのだ。更に、それを正確な測量により世界的に認知させたのである。それを今になって『東海』などという名称を振りかざすのはどういうつもりなのだろうか。それも、「日本の植民地政策により押しつけられた名称」などというさも口当たりの良さそうな表現を使って正当性を主張するとは。
むろん、韓国に対して日本の種々の行動は問題がある。「帝国主義の時代に帝国主義国に成り上がれた日本と、植民地に転落した韓国」という簡単な図式で日本の正当性を主張する気もない。(「アメリカだって、東南アジアやハワイ、そして、ネィティブアメリカンの人々にどれだけの事をしてきたんだ」という主張に乗じるつもりもない)
ただ、『日本海』の名称は、日本が列強の一員として世界に羽ばたこうとした(このこと自体が誤っていると後世の人間なら言えるだろうが、当時の価値観はこうだったのだ)、純粋な努力の結晶。その一つなのだ。それを「日本の植民地政策により押しつけられた名称」などという誤った認識でその正当性を失わせたくないのである。
海上保安庁まかせにせず、外務省には頑張って欲しい。ここで、逆にこの提案を白紙化できれば、私は喜んで外務省に税金を払おう。もしも、それが出来なければ、『日本海』の名が失われてしまった時には、日本の外務省は役立たずということになる。がんばれ、僕らの外務省! でもあるのだ。
しかし、『朝日新聞』のこの見出し、なんか人ごとのような、「日韓友好のためには『日本海』の名前なんてくれてやれ」というような雰囲気があると思うのは、私だけだろうか。(01,8,16)
追記
『読売新聞』の書く外務省は『朝日新聞』よりアクティブなようである。
韓国主張で国際海図から「日本海」削除?外務省は抗議(8月15日付)
国際水路機関(IHO)が定める海の名称に「日本海」を使うのはやめるべきだと韓国が主張し、同機関が来年改訂する予定の海図「大洋と海の境界」の最終稿から「日本海」を削除していたことが明らかになり、外務省は14日、同機関に抗議し、撤回を求めることを決めた。
韓国政府は90年代に入り、「日本海の呼称が定着したのは日本の植民地主義が原因だ」などと主張し始め、自国で使用している「東海」に改めるようIHOなどに働きかけていた。
IHOは政治的紛争に巻き込まれることを敬遠し、「日本海」を載せたページを削除した最終稿を加盟各国に今週配布した。加盟国には最終稿通り出版することの是非を11月30日までに回答するよう求めた。
外務省は〈1〉日本海の名称は鎖国時代の18世紀末から国際的に定着しており韓国の主張には根拠がない〈2〉2000年の調査で世界各国の地図の97%以上が「日本海」の名称を使っている――などとして、IHOに決定の撤回を求め、加盟各国の理解を求める考えだ。
なんか、全然違うような気がするのは気のせいだろうか。もしかして、『朝日新聞』は外務省が嫌いなのであろうか。(02,8,17)